バレンタインデーの放課後。
送り主の無い「放課後、校舎裏に来てください」の手紙が下駄箱に入っていた「貴方（聴き手）」。
校舎裏で待てども誰も来ないので頭を傾げていると、後ろからお堅いクラスの「委員長（読み手）」が現れて・・・


・バレンタインデー用シチュエーションボイスです。
・一応、「委員長」は女性、「貴方」は男性を想定していますが、逆でも、女性同士でも、男性同士でも構いません。
・商用も改変もご自由にどうぞ。何に使っていただいてもかまいません。
・出典明記や報告等も特段必要ありません。ただ、出典でアカウント名を明記いただいたり、Twitter(X)等で使用報告していただけると、個人的には嬉しいです。

（バレンタインデー、送り主の無い「放課後、校舎裏に来てください」の手紙が下駄箱に入っていたため、その通り校舎裏にやってきた「貴方」。
　待てども誰も来ないので頭を傾げていると、後ろから堅物で有名な風紀委員長がやってきた。）

ちょっと貴方！放課後に、校舎裏で何をしているのですか？部活や用事がないなら帰りなさい！
え？なんで風紀委員長の私が、校舎裏にいるのか、ですって？

今日はバレンタインデーです。特に浮かれている生徒が多いので、風紀委員として見回りをしていて、たまたま通りがかったのです。
貴方のように、バレンタインにかこつけて鼻の下を伸ばしている不埒な生徒は、発見次第、指導ですからね！
いいですか、校舎内でのお菓子のやり取り校則違反ですからね！貴方、まさか他の人からお菓子を貰ったりしていませんよね？

手紙でここに呼び出されただけで、まだだれからももらっていない？

（少し安堵したように）
そうですか。残念ながら、ここには貴方と私しかいないようですね。
きっと、悪戯かなにかだったんじゃないですか。

・・・

手紙を書いたのは、私なのではないかって？

そ、そんなことありません！どうして貴方なんかに私が手紙を出すと思ったのです？
私はそんな下駄箱に送り主の書いてない手紙なんて入れません。

・・・

・・・どうして手紙が下駄箱に入っていて、名前が無かったのを知っているかって？

あ・・・

（少し焦るような口調で）

そ、それは・・・あ、あなたの発言から推測しただけです！
と、ともかく、いつもそうやって浮かれている貴方が、
どうせバレンタインデーだからと、いつも以上にうわついていないか確認して、指導しにきたのです。

いつか可愛い見た目の詐欺師に騙されたり、優しくしてくる悪い子に引っかかって、
痛い目にあわされたりするかもしれないですからね。
今回だって、そんな悪戯みたいなものに引っ掛かってこんなところでうろうろしているから、
私に捕まったのですよ！用が済んだなら、早く下校してください。

・・・

えっ、でも可愛い子が来てくれたから、結果オーライ？

可愛い子なんてどこに・・・

（動揺したそぶりで）
なっ・・・私！？私のことですか！？

な、な、なにを言うんですか！？か、可愛いなんて、そ、そ、そ、そんな。
わ、私はただ、風紀を守るために・・・

・・・

いつもみんなのために頑張っていて偉い？
他人を心配してくれるところが優しくて好き？

（照れながら）
ひゃー！ななななな何を言うんですか。
じょ、冗談でもそんなこといわないでください！わ、私の風紀がみ、乱れてしまいます・・！

で、でもでもでも・・・そ、そういうこと、どうせ他の人にも言っているのでしょう？

・・・

違う？私のことを応援したいから、手伝えることがあったら、何でも言ってくれ・・・ですって？！
わ、わかりました！そ、そこまでいうなら、まずは委員会を手伝ってください。

（何かをとりだして「貴方」に手渡す）
はい！

これは、今日、ほかの生徒から没収したチョコレートです。
賞味期限もあるので、食べて処分しておいてください。

え、そんな誰が作ったか分からないもの食べられないし、その生徒が可哀想だから受け取れないですって・・？

ええい、もう仕方がありせんね……

（少し早口で）
こ、これは……本当は私が作ったものです。べつに他意はとくになくて、貴方のために作ってきたとかそういうのじゃ全然なくて
そう！お弁当のデザートにと持ってきましたが、お腹がいっぱいで食べれなかったんです。そうなんです。そういうことです。

（小声で）
・・・いらなかったら捨ててもかまいません。

・・・
え？受け取ったら校則を破ったことにならないか？ですって？

大丈夫です。ここは校舎裏、校舎内ではありませんから校則に違反してません！
そこはきちんと事前に調べて、私も貴方も罰を受けないように考えてありますから抜かりありません。

・・・

あ、あ・・・ち、ちがうんです。調べたのは風紀委員としての活動の一環というか、その。
みんながバレンタインデーどうするとか、誰にあげるとか、なんとかいうから、つい・・その・・・。

（小声で）
そういうの考えてたら、貴方の顔が浮かんできたので・・・。

ついつい、どうすれば受け取ってもらえるのかとか・・ううんなんでもないです！

・・・
そういうことなら手伝う？
えっ、この場で食べるの？まって・・まって・・・心の準備が・・！

・・・
（チョコレートを食べる「貴方」を見守りながら）
どう・・・？美味しい？やった！！！

美味しいから半分くれるんですか・・？
って、かじりかけ・・・それじゃ間接・・・

（押し付けられて、目をつぶりながら齧る。）
わ・・・わ・・

（うろたえながら、小声で）
・・・どうしよう、心臓バクバクいっちゃって味、わかんない・・・！

・・・

これからも、こうやって一緒に同じお菓子を食べたいですって？！

し、仕方がないですね。
貴方みたいな浮ついた人が、ほかの人と校舎でお菓子をやり取りしていたら、それこそ風紀が乱れてしまいますしね。

うん。この学校の風紀を守るためにも、ちょうどいいです。
そういうことなら、これからも貴方の風紀を維持するために、私が常に監視しますからね。
覚悟してくださいね！！

・・・
好きな子に常に見つめてもらえるなら、ずっと幸せでいられるですって！？
す、す、すすす・・！？

（限界が来て消え入るような声で）
ひゃあああああああ・・・・・・

・台本（ゆるボイ！）
バレンタインチョコレートと風紀委員長
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
アダチガハラ