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ヤンデレアルラウネ【依存型、僅かに妄想型】
  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2426文字(約 8分6秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
アルラウネ
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 内容としましては、とある用事で森に立ち入った者が、アルラウネと遭遇して・・・・・・といった内容となっております。
本編
 【昼、森の中。薬草を取りに森の奥へ向かう。】

 あら・・・・・・?

 珍しいわね。人間だなんて。

 え?私も人間?

 ううん、私は違うわ。

 ほら、よく見て?

 肌の色が人間とは違うし、それに・・・・・・ほら。

 人間で足に当たる部分が大きなお花になってるでしょう?

 人間達の言う・・・・・・アルラウネ、というのかしら?

 そうよ、お花の化け物よ。

 花の甘ぁい香りで生き物をおびき寄せて、このうねうねと動くツタを巻き付けて・・・・・・じわじわとゆっくりその命を奪いながら養分に変えてしまう、こわーい化け物よ。

 うふふふ、そんなに怯えて・・・・・・。

 ・・・・・・。

 ついさっき目一杯に太陽の光を浴びたから、今はお腹が空いてないけどね。

 運が良かったわね?

 ほら、すぐにお家に帰りなさい。

 ここには他にも、人間を容易く飲み込んでしまう植物や、ギザギザの歯があって凶暴な植物、普段は大人しいけれど猛毒を持っている植物なんかもいるから。

 その体が無事に動くうちに帰った方がいいわよ?

 ・・・・・・。
 
 え?薬草?

 そう、親友が病に倒れて、ね。

 今日、取らないと・・・・・・って、だからこんなに森の奥までやってきたのね。

 人間達の良く通る道には、欲張りな者たちのせいで殆ど薬草が無くなってしまったからねぇ。
 腹立たしい・・・・・・。

 私は物心ついてからずっと一人だったから親友、という考えはよく分からないけれど・・・・・・。

 分かったわ。

 薬草が沢山生えている場所を知っているから、付いて来なさい?

 足元に気を付けてね。

 気性の荒い子をうっかり踏んでしまったらパクン、と食べられちゃうかもしれないから。

 うふふ。

 【同日、薬草のある場所へ。】

 ほら、ここよ。

 どう?綺麗でしょう。

 綺麗な泉が上から差し込む太陽の光で、その水面がキラキラと光っていて、その周りには綺麗な花々が咲き誇っている。
 それに、とっても静かでしょう?

 人間共の目障りな声もここなら聞こえてこないから、私の好きな場所なのよ?

 ・・・・・・あぁ、薬草ね?

 ほら、ここよ。

 ふふ、いいのよ?遠慮せず、必要なだけ取っていきなさい?

 はい、用事は済んだわね?

 それじゃあ、お帰りなさい?

 あり、がとう・・・・・・?あ、あぁ、感謝の言葉なのね。

 うふふ、いいのよ。

 こんなの、欲張りな人間共と比べたら可愛いものだしね。

 じゃあね、もう会う事はないだろうけれど・・・・・・。

 【数日後の昼。森にて。】

 ・・・・・・あらあら、また道に迷ったの?

 うふふ、久しぶりね。

 今日も薬草を探しに来たのかしら?それとも花を?

 え・・・・・・?

 私に会いたかった、ってどうして?

 私、前言ったわよね?私は人間を食べてしまうって。怖い化け物だって。

 親友が元気を取り戻したの?

 あらあら、それは良かったわね!

 親友というのはよく分からないけれど、それでも貴方のその顔を見たら、とても良い事なんだと分かるわ。

 ・・・・・・本当に良かったわね。

 お礼?うふふ、要らないわよ。

 私はただの気まぐれで薬草の場所を案内しただけだから。

 だから、今日の私は気まぐれで、こわーいアルラウネかもしれないわよ?うふふふ・・・・・・。

 ・・・・・・。
 
 そ、そんなに真剣な顔をしなくても・・・・・・分かったわ。

 そこまで言うなら、この間案内した泉、その水を私に掛けてくれるかしら?

 自分の手とこのツルじゃ上手く水を掬えなくてね。いつも苦労していたのよ。

 うふふ、ありがとう。

 それじゃあ、行きましょうか。

 【同日、この間の薬草の場所に。】

 手で皿を作って・・・・・・そうよ。その調子。

 そのまま、私の肩に水を掛けてくれる?

 んんっ・・・・・・冷たくて気持ちいい・・・・・・。

 それじゃあ、次はこの大きな花に注いでくれる?

 そうそう、そうして水を掬って・・・・・・。

 はぁ・・・・・・とてもさっぱりするわ。

 貴方も一緒にどう?

 ・・・・・・。

 恥ずかしいの?人間って変わってるのね。

 それじゃあ、この水を飲むのはどうかしら?

 ほら、キラキラと澄んでいて美味しそうでしょ?

 掬って、口に流し込んでみて?

 ・・・・・・。

 うふふ、ひんやりとして気持ちいいでしょう?

 私、この泉が好きなの。

 静かで、綺麗で、落ち着いていて・・・・・・あの忌まわしい人間共の声もしない。

 貴方は、ここが好き?

 そう、よかった。

 貴方ならばまた、ここに来てもいいのよ?

 ・・・・・・いいえ、やっぱり、だめ。

 貴方はここにいるべきじゃない。

 私は恐ろしい化け物、人を養分にするアルラウネ。

 いくら貴方があの汚い人間共と違うからと言って、ここにいてはいけないわ?

 森の出口までは案内してあげる。

 だから、もうこの森には来ないで。

 私に会いに、来ないでね?

 【別日の昼、森にて。】

 貴方、どうして来たの・・・・・・?

 私、前に言ったはずよ?

 もう来ないで、って。

 もう、自分で自分を抑えられないの。

 うふ、うふふふ・・・・・・。

 ほぉら、足にツタが絡みついてしまったわね?

 このまま、この両手で抱きしめてあげる。

 ・・・・・・はぁ、いい匂い。

 甘くて、でも逞しい匂いがする。

 貴方を見るたびに、話すたびに、太陽の光を浴びているような、ぽかぽかと暖かいの。

 このままじゃ、自分で自分を抑えられなくなる。どうにかなってしまう。

 そう思って警告したのに。

 いいのね?私の好きにしていいのね?

 警告したのに貴方が来たのだから、いいのよね?

 ・・・・・・何を怯えているの?

 うふふ、そんなにジタバタさせても・・・・・・ほら。

 ツタががっしりと体に巻き付いて、全く動かせないでしょう?

 大丈夫よ。養分にするなんて事はしないわ?

 ただ、貴方とずっと泉で過ごしたいだけ。

 ずっと、ずぅーっと。

 もうここから出さない。その体を離さない。

 その命が尽きるその瞬間まで、私と一緒に楽しみましょう?

 うふふふ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレアルラウネ【依存型、僅かに妄想型】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
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