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ヤンデレ王女
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公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3360文字(約 11分12秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
王女
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 内容としては、とある国へ魔物討伐の依頼で立ち寄り、そこで依頼主の王女と出会って・・・・・・といった内容となっております。
本編
 【城の王女の間にて。】

 (扉を開く音。)

 まぁ、貴方が依頼を受けてくださった方なのね?貴方ならばとても心強いですわ!

 我が国では日々魔物の被害を受けており、それが作物や家畜へと甚大な被害を与えているのです。

 それも、そういった魔物はお恥ずかしい限りなのですが、我が国の兵士では一切手を付けられず、手をこまねいているところに貴方の噂を聞きましたの。

 貴方の噂はかねがね耳にしておりますわ。

 旅の吟遊詩人(ぎんゆうしじん)が時折、この城に訪れて貴方の歌を聞かせてくれるのです。

 それを聞くたびに幼き頃に読んだおとぎ話、騎士と姫君との話を思い出しては貴方に思いを馳せておりましたの。

 うふふ、この依頼が無事に片付いた暁には私自らがもてなしを致しますので、またここにお越しくださいませね?

 また無事に会えることを心待ちにしておりますわ。 

 【城の王女の間にて、依頼後。】

 (扉をノックする音)

 はい、どうぞ。(くぐもった声で。)

 あっ!

 (駆け寄る足音)

 待っていましたわ!

 無事、魔物の討伐が終わったのですね!

 報告の者から聞いております。各地の村人や城下の者から感謝の声が沢山、この城にまで届いておりますわ。

 この国を代表して、申し上げます。

 我が国を守ってくれ、ありがとうございます。

 さぁ、どうぞこちらに。

 我が国の魔法使いと鍛冶屋に作らせた装飾品ですわ。

 どうか、受け取ってください。

 ・・・・・・。

 あ、あの・・・・・・。

 これから、暫くこの国に留まるおつもりなのでしたら都合の付くときで構わないので、次は私の事を一人の友人として接してはくれませんか?

 私、その・・・・・・両親が病で急死してからはこの国の長としてその椅子に座ってはいるのですが、同じ年の友人というのがいなくてですね。

 いえ、交流はあるのですが、この国と同盟を結ぶべくやってきた貴族や、政略結婚という名目で私に近づいてくる殿方しかいませんでしたから。

 貴方が迷惑であれば構いません!貴方もこれから旅を続けるでしょうし、ご迷惑ならば私は・・・・・・。

 い、いいのですか?本当ですかっ!?

 うふふ、嬉しいですわ!

 それでは、貴方のお越しをお待ちしておりますわ!

 【別日、王女の部屋にて。】

 (ドアをノックする音。)

 はい、どなたかしら。

 まぁ!待っていましたわ!

 ささ、どうぞ中に。

 すぐに紅茶を用意させますわ!

 よく、来てくださいました。・・・・・・いえ、き、来てくれましたわ。ではなく・・・・・・。

 ごめんなさい。友人というものと話すのは久方ぶりでして、話し方を忘れてしまいまして。

 もっと気軽に話せれば、貴方の緊張も解すこともできたのでしょうが・・・・・・。

 まだ幼き頃は数多くの友人がいたのですが、両親が居なくなってからはその友人たちも次第に離れていき、私はどこかで孤独を感じていたのかもしれません。

 そこで、騎士と姫とのおとぎ話をよく読むようになりましたの。

 ドラゴンを倒すお話や悪い魔女を退治するお話。いろいろなものがありましたわ。

 その中でも二人が結ばれる話が好きでして。

 騎士と姫が愛し合い、皆から祝福され結婚する話。
 
 結ばれない身分同士である二人が国から逃げ、最後には森の奥深くで二人で暮らすお話。

 二人は離れ離れになってしまうけれど、最後は空に浮かぶ星になり、毎夜出会うようになった話。

 最後には必ず二人は結ばれるのです。素敵だとは思いませんか?

 そんなおとぎ話に出る騎士様と貴方とを重ねてしまい、つい友人になってほしいと燥(はしゃ)いでしまったのですが、勇気を持って言い出せて良かったです。

 と、紅茶が来ましたわね。

 どうか、暖かいうちにお飲みになってください。

 我が国自慢の茶葉ですのよ?

 ふふ、作用なんて気にせずに。

 友人同士ですもの。そんなに気にしませんわ。

 いかがでしょうか?

 ・・・・・・。

 では、私も失礼して。

 んく・・・・・・ふぅ。

 うふふ、美味しいですわ。

 その手で、我が国を守ってくださったんですね。

 とても、逞しい。

 指だけでも見比べると、私の指なんて小枝程に見えてしまいますわ。

 あ、いえ!その・・・・・・ごめんなさい。つい・・・・・・。

 あの、まだ暫くこの国にはいらっしゃるのですか?

 ・・・・・・。

 そう、ですか。

 やはり、旅立たれてしまうのですね。

 では、その旅立ちの日に改めてこちらにお越しくださいますか?

 私から贈りたい物があるのです。

 っと、もう日が傾いてしまいましたね。

 今日はこの辺りにしましょうか。

 また、お待ちしておりますわ。

 (ドアの閉まる音。)

 ・・・・・・。

 そうですわ。最後は、二人は結ばれているのですもの。

 (小声で)貴方が、欲しい・・・・・・。

 【別日、旅たちの日。】

 (ドアをノックする音。)

 (くぐもった声)はい、どうぞ。
 
 (ドアの開く音。)

 まあ、今日も来てくださったのですね!とても嬉しいですわ。

 ・・・・・・いえ、今日貴方は旅立ちになられるのですね?
 
 城下の者の噂や城の者が言っておりました。

 紅茶、先ほど用意させておりましたので、早速お飲みになられてくださいませ。

 ・・・・・・。

 どうしても、この国から行ってしまうのですか?

 ・・・・・・そうですか。

 貴方の力を求めているのは、きっとこの国だけではないでしょうね。

 今までにこの国と同じように、沢山の人々を救ってきたのでしょうね。

 ・・・・・・私、貴方の事。

 好きになってしまいましたの。

 依頼を受けてくださった時の貴方を見て、あぁ、この人が運命の人なんだ。と、思ったのです。

 政略結婚や、私の地位を求めてやってくる貴族の方たち。そんな方たちと違い、その手で私と国を直に守ってくれ、そしてその雄姿を見せてくれました。

 その姿を見るたびに、貴方に見つめられるたびに、私の胸が高鳴ってしまうのです。

 貴方は、私の事、どう思っているのですか?

 うふふ・・・・・・どうかしましたか?

 まだお昼前だというのに、眠いのですか?

 そのまま瞼を落としてください。そのままその眠りに身を委ねてください。
 
 私の、私だけの人になってください。

 【同日夜、王女の部屋。】

 あ、起きましたか?

 うふふ、おはようございます。

 今はもう夜なのですけどね。

 火、付けますね。

 (マッチを擦る音)

 うふふ、どうですか?この檻。

 元は囚人を裁くために置いてあったものを作り直させたのです。

 どんなに凶暴な猛獣の牙や爪でも、傷一つ付けられない程に頑丈なのですよ?

 うふふ・・・・・・。

 私、貴方の事を独り占めしたくなりましたの。

 貴方の逞しい手も、美しい瞳も、その心も。全て、私の物にしたいのです。

 この檻のせいで、今は直に触れ合えないのが残念ですけれど。

 さぁ、持ってきてください。

 (カラカラと車輪の回る音とカタン、とトレーから固形物が取られる音。)

 元々は尋問用に使う物なのですが、それに少し手を加えて作りましたの。

 うふふ、この薬はとても依存性の強い薬でしてね。

 私の血を触媒に、城の魔法使いに作らせましたの。

 一度飲めば次第に意識は混濁し、頭は次第に激痛を覚えるようになっていきます。

 そのままですと精神にも異常をきたし、果ては廃人になってしまうという恐ろしい薬なのですの。

 ですが、一つだけそれを解毒することができますわ。

 私との接吻、つまりキスです。

 それで、その薬の毒素は全て抜けますわ。

 (幾らかドスの利いた声で)さぁ、この方の肩と頭を抑えて下さい。

 ふふ、さすがの貴方でも、この人数相手では体を動かせないでしょう?

 さぁ・・・・・・。

 (ゴクン、と喉を鳴らす音。)

 (恍惚感が滲み出た声音で)うふふ。飲んでくれましたね。

 貴方が私に接吻をしてくれたら、この苦しみはすぐに終わりますわ。

 貴方にこのような事をするのは心苦しかった。それに、このような行いをすれば、私は悪魔に魅入られるかもしれません。後世に私の名は悪名として残るしれません。

 でも、ぜぇんぶ些細な事です。

 貴方と私が結ばれる。それはこうして私と貴方が出会った時から決まっていたのです。

 貴方が私を求めてくれるその日を、指折り数えて待っておりますね?

 うふふふ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレ王女
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
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