0
ヤンデレラミア
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2349文字(約 7分50秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ラミア
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 内容としましては、討伐の依頼を受けて訪れた冒険者が、その討伐対象のラミアと出くわして・・・・・・といった内容となっております。
本編
 【ある日、洞窟内にて。】

 (ポチャン、ポチャン、と水滴が反響して滴下する音)

 「♪~」(鼻歌でのハミング。)

 (ズリズリ、と床を這いずる音)

 うふふ、見つけたわ。侵入者さん。

 ようこそ、私の住処に。

 (ズリズリ)

 どお?この長い尻尾。

 うふふ、貴方の胴体よりも太いかもしれないわね。

 ・・・・・・うふふ。

 あらあら、剣を構えている手が震えているわね?

 武者震い?それとも寒さから?

 うふふふふ。

 怖いのでしょう?

 人間には恨みがあるし、すぐにでも丸呑みにして栄養にしたいのだけれど・・・・・・。

 貴方、見た目からして冒険者ね?

 誰かの依頼で私を倒しに来たって事かしら?

 確かに、私は何人もの人間を呑み込んで来たわ。

 でもね?先に仕掛けてきたのは人間共なのよ。

 私、元々は湖で暮らしていたのだけど、そこに突然、人間共の矢が飛んできてね。

 ほら、ここの所。わかるかしら?

 まだ跡が残っているの。

 それで命からがらこの洞窟に逃げ込んだら、次に私を殺そうと人間が何人も来てね?

 まったく、傲慢よね。

 この辺りには私、100年も前から住んでいるというのに。

 そういう訳だから、戦う気が無いのならそのまま来た道を戻ったらどう?

 私はただ、静かに暮らしたいだけなの。

 こう見えても私、以前は木になった果実と泉の水しか口にしたことなくてね。

 私としても、これ以上人間なんていう不味いものは食べたくないし、辺りに血の臭いをまき散らしたくはないから、何も見なかった事にして帰ってくれると助かるわ。

 ・・・・・・なぁに?どうしたの?

 ふぅん。

 その目、とっても真っ直ぐね?

 でも、全然怖くはないわよ?うふふふ。

 ところでその鎧、全く傷が付いていないのね?

 構えている剣も綺麗ね。それに腰が引けているわ。

 見た感じ・・・・・・冒険者になって張り切って難しい依頼を受けた、そんな所かしら?

 うふふ、知恵比べでラミアに勝とうなんて無理よ?

 さ、分かったでしょう?

 私の機嫌が悪くないうちに早く帰りなさい?

 貴方みたいな迷いのある子を飲み込むのは、後味悪いからね。

 ・・・・・・。

 それでも引かないのね。

 それじゃあ、覚悟なさい?

 (シュルシュル、と体に尻尾が巻き付く音)

 うふふ、遅いわよ。

 ほぉら、体、もう動かせないでしょう?

 息が苦しくなってきて、目の前が暗くなってきたでしょう?

 このままギュッと首の骨を折ってあげる。

 いいえ、ゆっくりと体中の骨を折っていくのもいいわねぇ。

 まず逃げられない様に両足を折って、次に利き腕を折って、それから・・・・・・。

 そうだわ、最後に気になる事があるのだけれど。

 どうしてそこまでして私を倒したかったの?

 ・・・・・・へぇ、前金を貰って断れなかったと。

 私の強さなんかも何も知らない、新米冒険者の子に、断れない状況に追い込んで・・・・・・。

 ふふ、貴方も被害者なのね。

 (シュルシュル、と尻尾が離れていく音)

 気が変わったわ。

 私としても、何も知らない純粋な子を手に掛けて、夢見の悪い事はしなくないし。

 変わりに一つ、お願いしたいことがあるの。

 ほら、私の尻尾を良く見て?

 ここ、脱皮の途中なの。

 ここには手が届かなくてね。この脱皮の手伝いをしてくれる?

 それで、貴方は脱皮した皮をその依頼した人間に見せて、これが討伐した証だ、と見せるの。

 私は脱皮が綺麗にできて気分が良くなって、貴方は依頼を達成できる。

 どう?いい考えでしょう?

 さ、それじゃあ早速・・・・・・ほら、ここを掴んで。

 (ググ、と掴む音)

 そうそう。あっ、急に剥がしたら駄目よ?破れちゃうし、脱皮した後の皮膚って結構敏感なの。

 (ピリピリ、と剥がれていく音)

 んっ・・・・・・ふふっ、上手ね。少しくすぐったいけれどとても丁寧よ。

 (ピリピリ)

 ん、ありがとう。綺麗に剥がれたわね。

 さ、それじゃあ今日の所は帰りなさい?

 私ももう、人間達の前には二度と姿を現さないと約束してあげる。

 この洞窟も、前に住んでいた森程ではないけれど、住み心地は結構いいからね。

 貴方はそのまま純粋で、優しいままでいてね?

 【別日、洞窟にて。】

 (ポチャン、ポチャン、と水滴が反響して滴下する音)

 (ザッザッ、という足音)

 あの子、元気でいるのかしら。騙されていないかしら。

 どうせ、もう会えないのだから考えるだけ無駄なのに・・・・・・。

 ん・・・・・・あ、あれ?貴方、どうしてまたここに?

 まさか、また依頼で来たの?

 ・・・・・・そう、信用できないから、私の首を取って来いと。

 この子に頼んでおいて、なんて勝手な奴。

 それで、前金を貰ったから断れずに、って訳ね。

 本当に・・・・・・人間という生き物は傲慢ね。

 ・・・・・・私、決めたわ。

 うふふふ。

 (シュルシュル、と尻尾が巻き付く音)

 ごめんなさい。急に巻き付いたりして。

 この間よりも力加減はしたつもりだけど、苦しかったら言ってね?

 ・・・・・・私が、貴方を守ってあげる。

 醜いやつらから、貴方の命が尽きるまでずっと。

 こんなに綺麗な目も、体も、そして心も。

 あいつらの為にあるんじゃないもの。 

 はぁ・・・・・・貴方の心臓がトクントクンと伝わってくる。

 これから私が守っていく、弱々しいけれど、とても暖かい鼓動・・・・・・。

 大丈夫よ。貴方はなんにも心配しなくていいの。

 貴方の為ならば、人間を10人や100人・・・・・・この手に掛けるのに躊躇いはないわ。

 どんな事があっても、貴方を守る。 

 ・・・・・・もう少し、このまま巻き付いていていいかしら?

 貴方の体温を感じていたいの。

 (スリスリ、と頬擦りの音)

 うふふ、柔らかいほっぺねぇ。

 私が守ってあげるからね。

 愛しているわ。 
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレラミア
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
 顔アイコンはTTIさん「@tti_design」の絵を拝借しております。

 夢は1個800円の卵を毎日2個食べられる暮らしです。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
一ノ清 カズスケ の投稿台本(最大10件)