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ヤンデレデーモン
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2819文字(約 9分24秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
デーモン
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 内容としましては「デーモンの領地に入ってしまい、不審者として牢屋に囚われてしまい・・・・・・。」といった内容となっております。
本編
 【ある日の夕方、デーモンの屋敷にて。】

 ほう・・・・・・貴様が、そうか。

 我が領土に入り込んできた人間というのは。

 我ら魔族の領地に入ってくるなど、なんと浅ましい。

 道に迷ったにしろ、何か目的があるにしろ、このまま貴様を返すわけにはいかぬな。

 こやつを牢に閉じ込めておけ!

 人間共が我らを討伐すべく送り込んだ者かもしれぬ。

 あとで私自ら尋問する。

 フ、楽しみにしておくといい、人間。

 【1時間後、牢屋にて】

 (コツコツ、と近づいてくる足音)

 見張りご苦労。鍵を開けてくれ。

 (ガチャリ、と鍵の開く音)

 (コツコツ、という足音)

 フ、そのような顔をせずとも、今は何もせぬ。

 ・・・・・・で、貴様の目的は何だ?

 我らの偵察か?それとも、単身で我らを倒しに来たのか?

 それとも、偶然迷い込んだのか?

 ・・・・・・ほう。口が堅いのだな。

 (パシ、と顎を掴む音)

 私の力であれば、貴様の顎など容易に砕けるぞ。

 いや、それよりも。貴様が口を割るまで、その歯を一本ずつ捻じりながら抜いていこうか?

 フフ、どうする?

 貴様の好きにすると良い。

 ・・・・・・しかし、人間というのは軟弱だな。

 我ら魔族よりも肉体が弱く、それに精神も今の貴様の様にすぐに乱れる。

 こちらも、手加減をせなば、うっかり命を費やしてしまうかもしれぬ。

 ・・・・・・ふむ。脅しも利かぬか。

 今日は日を改めるとしよう。

 貴様は大事な情報源だ。

 それに、時間ならまだたっぷりあるからな。

 フフ。

 【翌日、牢屋にて。】

 (カツカツと近づいてくる音)

 見張りご苦労、鍵を開けてくれ。

 (ガチャリ、と鍵の開ける音)

 む、感謝する。向こうへと行って待機してくれ。

 (タッタッ、と遠ざかる足音)

 フ、やつれているな。

 そんな硬い床じゃ眠れぬだろう?

 早く話してしまえば楽になるぞ。

 (コトン、と何かが置かれる音)

 メシだ。獣の肉を焼いただけだがな。

 食うも食わぬも貴様の自由だ。好きにしろ。

 ・・・・・・で、どうだ。話す気にはなったか?

 ふむ。人払いをすればもしや、と思ったが。見当違いであったか。
 
 いったいどうすれば・・・・・・。

 (カンカン、と牢屋を叩く音)

 ム、なんだ?

 ・・・・・・父上からの手紙か。

 ご苦労、下がってよいぞ。

 (パサ、と紙を広げる音)
 
 ・・・・・・また見合いの話か。

 もうやめて欲しい。私も、一人の女なのだから・・・・・・。

 あ・・・・・・。お、おい貴様、今私の言ったことは忘れろ。(僅かに動揺したような声音で言っていただけると)

 私のような立場の者が、弱音を吐いたとなれば部下に示しが付かぬ。

 だから、絶対に言うな。

 分かったな?

 ・・・・・・物分かりが良くて助かる。

 そういえば、貴様はさほど動揺しないのだな。

 私がまだ幼き時、あのような弱音を吐いたらよく側近や父上に動揺され叱られたものだが、貴様はそういった様子を一切浮かべないのだな。

 人間とは、そういった弱みを見せて当然の生き物なのか?

 ・・・・・・まぁ、どうでもよいか。

 ふむ、長居したかもしれぬ。

 ではな。また明日、覚悟しておくんだな。

 (カツカツ、と遠ざかる足音)

 ・・・・・・弱みを見せて、当然、か。

 【翌日、牢屋にて。】

 (カツカツ、と歩いてくる音)

 見張りご苦労。鍵を開けてくれ。

 (ガチャリ)

 感謝する。では向こうでここに誰も近づかぬ様、見張っていてくれ。

 メシだ。

 昨日と同じ物だ。

 毒など入っていない。試しに、私が毒見をするか?

 まぁ、食うも食わぬも好きにするがいい。

 ・・・・・・その、貴様ら人間は他人に弱みを見せられても何も言わないんだな?

 少し、話しても良いか?

 ・・・・・・ずっと、寂しかった。

 上級の魔物、このデーモンとして生まれてからずっと。

 幼き頃から強くあれ、と育てられてきたせいで、常に私の回りは敵対する者か、権力を欲して近寄る者しかいなかった。

 だから、それで弱みを見せたら付け込まれると、父上によく怒られた。

 故に、強くあろうとした。今ではそうしないと、部下にも示しがつかぬからな。

 本当は、戦いも嫌でな。もう血も、命のやり取りもしたくない。

 だから、本当は私・・・・・・。

 今思えば、私は誰かに甘えたかったのかもしれない。

 貴様・・・・・・いや、お前はそういう友人やその、愛する者はいるのか?

 ・・・・・・すまない、今の言葉は忘れてくれ。

 魔族である私が、お前に・・・・・・どうかしていたな。

 フフ、何やら体が軽くなった気がするな。

 これが、弱みを見せるということなのか?

 さて、また明日、だな。

 あまり長居すると部下が不審に思うかもしれぬのでな。

 では、な。

 【翌日、牢屋にて。】

 (カツカツ、と歩いてくる音)

 見張りご苦労。鍵を開けてくれ。

 (ガチャリ)

 感謝する。では向こうでここに誰も近づかぬ様、見張っていてくれ。
 
 フフ、来たぞ。

 ほらメシだ。

 おかわりもある。遠慮なく食べてくれ。

 そうだ、後ほどここにベッドを持ってこさせる。

 他にも足りぬものがあったら言ってくれ。

 ・・・・・・ん、どうしたのだ?

 私はいつも通りだぞ。

 ふふっ。

 実はな今日、貴様を助けに来た人間らがいたのだ。
 
 何処から嗅ぎつけたのか、私の領土へとずかずかと入り込んできて。

 報告のあった場所へ向かうと、その人間共がいた。

 そして、その人間らは私を見るなり、あの人を返せ、だの、どこにやった、だの。

 忌々しく、耳障りな声だった。

 だが、ふふ。

 あいつら一人一人に手を掛けるごとに、今までの戦いで感じた事の無かった興奮と高揚感を感じた。

 そして気づいてしまった。

 お前の事がどうしようもなく、好きになってしまったんだと。

 あの時の高揚感は、人間共からお前を奪い取り、独り占めしたことからなのだと。

 あの者達が命を懸けて助けにきたお前が、今は私と共にいる。

 ふふ。

 また、お前を救うべく人間共がやってくるのだろう。

 だが、その度にそやつらを蹂躙し、お前を奪い取る。

 やがて、そやつらが一人残さず消え去った時、お前を知っているのは私だけ。

 あぁ・・・・・・待ちきれぬ。こちらから人間の村に進軍するのもいいのかもしれぬな。(恍惚感を感じている声音をイメージしていただけると)

 ふふ、そして、その暁には。

 わ、私の伴侶としてお前を父上に紹介し、それから・・・・・・。(恥じらいながら言っているイメージをしていただけると)

 その時には、お前には私と同じ魔族になって貰うかもしれぬ。今のお前を見れなくなるのは辛いがな。

 ・・・・・・遠目に見ることしか無かった純白の花嫁。それに私もなれるのだな。

 ふふ、憧れだったのだ。白いドレスを着て、お姫様抱っこ、というものをされて。

 横には、伴侶がいて・・・・・・。

 ふふふ。

 お前は、これからも本当の私を見ていてくれるか?

 ずっと、私の傍にいてくれるか? 
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレデーモン
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

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 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
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