内容としては「偶然立ち寄った占いの館。そこの占い師に一目ぼれされ･･････。」といった内容となっております。
　キャライメージは「好きな人の事をなんでも知りたく依存させたい占い師」です。

　【ある日、占いの館にて】

　（スタスタ、という足音）

　ようこそ、占いの館に。

　今日は何を占いましょう。

　あら･･････初めて見るお方ですね。

　そしてその身なり･･････もしや、冒険者の方ですか？

　ふふ、この町でずっと占い師をしてるのですもの。

　色んな人を見てきましたからね。

　でも、冒険者の方がここにお越しになられるのは久しぶりなのです。

　うふふ。ようこそおいで下さいました、旅のお方。

　さて･･････何を占いましょうか。
　
　･･････では、初めての方ということで、銀貨１枚で今年の運勢を占いましょうか？

　本当はそれほどの占いとなると銀貨３枚を頂くのですが、次もまたお越しいただきたいですもの。

　いかがですか？

　･･････うふふ、ありがとうございます。

　では、こちらに腰を掛けてください。
　
　そうですね･･････では、タロット占いはいかがですか？

　数ある占いの中でも、これが一番得意なのです。

　少々お待ちを。準備致しますので。

　（カードをシャッフルする音）

　（カードを台の上に出す音）

　こうしてひし形に並べた１２枚のカードと、中央に置いた一枚のカード。

　これら１２枚のカードが、貴方のそれぞれの運勢を表しており、この中央の一枚は、今年を過ごすうえでのアドバイス。それを教えてくれるカードとなっています。

　では、めくっていきますね。

　（カードをめくる音）

　ふむ。

　（連続してカードをめくる音）

　では･･････そうですね、まずは総合的な運勢を。
　
　こちらのカード。運命の輪の正位置が出ております。

　これは、正しい事をすれば報われる、逆に怠ればそれ相応の良からぬことが帰ってくる、と示しております。

　なので、日頃の努力や長期的に続けてきたことが実を結ぶ。

　吉か凶か。それが形となって表れやすい･･････そのような一年となりそうです。

　では次に･･････恋愛運を。

　･･････塔の正位置ですね。

　これは、先行きが悪いですね。

　このカードの暗示は、予期せぬ別れ、ケンカ、問題の発生。

　もし恋人の方がいらっしゃいましたら、気を付けてください。

　では、最後に･･････真ん中のカード。今年を過ごすうえで貴方に何が大切かを。

　ふむ。死神の逆位置ですね。

　正位置だと、死へと近づく暗示が多いこのカードですが、今回は逆位置。

　これは、古い何かを捨て、新しい何かが生まれる。

　死とは再生の過程。貴方の価値観や人間関係などが、新しい物へ。

　今までに縛られず思い切った舵取りを、といった暗示となります。

　ふふ。いかがでしたか？

　あなたのこれからの参考になって頂けたのならば幸いです。

　勿論、この結果に不満などがありましたら、今日のこの事を忘れて頂いても構いません。

　占いには人ごとに合う合わない占い方がありますからね。

　今回が合わなかった･･････というのもあり得ます。

　･･････その、もしよろしければ。

　また今度、来てくださいませんか？

　次はまた別の占いを用意して待っておりますので！

　久々に、貴方の様な冒険者の方の占いを出来て、こちらとしても勉強になりますしね。

　では、また。

　【別日、占いの館にて】

　ようこそ、占いの館にて。

　あら･･････まぁっ、来てくれたのですね！

　うふふ。お待ちしておりました。

　あ、その･･････実は趣味でハーブを育てておりまして。

　丁度今からハーブティーを淹れて一息入れる所だったのです。

　良かったらご一緒にいかがですか？

　･･････ふふ、わかりました。

　少々お待ちくださいね？

　（コポポ、とお湯の注がれる音）

　さ、どうぞ。

　熱いので、お気をつけてくださいね？

　んく。（飲料音）

　ん･･････この香り、好きなんです。

　さ、では占いですね？

　今日は･･････そうですね、水晶占いなんていかがでしょう？

　一言で言いますと･･････普段は見えない神秘的な物を見て、それらからどのような運勢かを見る占いです。

　んしょ、っと。

　さ、では始めますね。

　む･･････。

　この先、洞窟へ行くご用事がありますか？

　ポタポタ、と水滴の音と反響する音が聞こえました。

　その中に、ほんのわずかですが、血の様な物が感じ取れます。

　暗い場所では後ろからの攻撃･･････特に、目にお気をつけください。

　行かない･･････という手もありますが、貴方の様な冒険者の方にそのような事を言うのは酷ですよね。

　む･･････貴方、お仲間がいらっしゃいますか？

　この甘い香りと柔らかな感じは･･････女性の方？

　･･････貴方に余り良い印象を抱いてはおりませんね。

　あ、その。旅を続けるのには支障のない程度ですけれど。

　でも、このままだとお互いの為になりません。すぐにその方とは別れた方が良いと思います。

　とにかく、お気をつけください。

　そうだ、最後に。

　貴方の手を握っても良いですか？

　･･････ふふ、ありがとうございます。

　（スリスリ、と肌の擦れ合う音）

　暖かい･･････。やはり、冒険者の方の手は全く違いますね。

　私なんかの白い手と比べると、こんなに･･････。

　その。ごめんなさい。

　この手を握る、というの。占いには一切関係ないのです。

　えっと･･････わ、私のわがままといいますか、なんといいますか･･････。

　祖母の館をこうして継がせてもらってから、この町を出た事はなくてですね。

　だから、毎日同じ方がここに来られて、占いをして、それで一日が終わって。

　だから、貴方と初めてお会いした時、心がときめいたといいますか、なんといいますか･･････。

　そ、その･･････ごめんなさい、今のは忘れてください！

　私としたことが、どうかしていました。

　あら･･････次の方が･･････。

　名残惜しいですが、今日はここまでですね。

　･･････また、お待ちしておりますね。

　初めて、占いに嘘を･･････。
　
　私、なんてことを･･････。

　【別日、水晶越しに】

　（ホーホー、というフクロウの鳴く音）

　あぁ、水晶をこのように使う日が来るなんて。

　おばあ様、ごめんなさい。

　でも一度だけ。一度だけ、あの方が無事かどうか見るだけですから･･････。

　む･･････。

　あぁ、無事そうですね。よかったぁ。

　後ろを歩く方は･･････この方が、そうなのですね。

　あの人が信頼している方だから、きっと強いのでしょうね。

　･･････どうして。

　私はこんなところで、こんなことを。

　あぁ、素敵な笑顔。私にも向けて欲しい。

　･･････私だけに見せて欲しい。

　なんで、あの女はヘラヘラして、あの人の背中を見つめて･･････。

　･･････あの目から、光を奪いたい。

　大丈夫。一度だけ。一度だけです。占いをこんなことに使うのはこれっきりに･･････。

　うふふ。

　【翌日、占いの館にて】

　（タッタッ、という足音）

　あら･･････どうされましたか？そんなに慌てて。

　いえ、貴方の顔を見れば分かります。

　洞窟で何かあったのですよね？

　そこで、お連れの方が目を怪我してしまったのでしょう？

　ふふ、占い師ですもの。

　それに、あなたの事、占いを通して分かってきたというのもありますしね。

　ということは･･････その方の目がいつ、見えるようになるか･･････ですね？

　貴方のお願いですもの。お金なんていりませんよ？

　では、いきますね。

　む･･････。

　･･････残念ですが、水晶には何も映りません。

　望みは薄いです。

　あ、ですが、人の運命とは良い方にも悪い方にも傾くのが常です！

　私、職業柄、薬の方も幾らか勉強していてですね。

　様々な種類の傷薬を持っているのです。なので、もしかしたら視力に効く薬がその中にあるかもしれません。

　･･････ふふ、いいのです。どうかお気になさらず。

　では、これから毎日、貴方の元へお伺いしますね？

　宿屋の･･････２階の部屋ですよね？

　あ、えっと。これはただの私の勘といいますか、なんといいますか。

　あてずっぽうに言っただけですっ。

　･･････あの、大丈夫ですか？

　目が腫れていますし、肌も･･････。今朝もよく眠れていないご様子ですし。

　･･････大丈夫です。貴方には私がついていますから。

　だから、大丈夫ですよ。

　貴方が不安で押しつぶされてしまいそうなときも、ずっと傍にいますからね？

　さ、では。

　宿屋に向かいましょうか。

　あの方の様子を確認しないとですからね。

　うふふ･･････。（暗い表情で笑うイメージをしていただけると）

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレ占い師
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・台本制作者
一ノ清　カズスケ