あらすじは「不思議な所に迷い込み、そこで出会った少女と･･････」といった感じです。
　キャライメージは「覚醒したアリス」です。

　【ある日、暗い道にて】

　ん･･････あれ？

　お兄さん、だぁれ？

　もしかして、お兄さんも白いうさぎさんを探しているの？

　すごいんだよ？そのうさぎさん！

　服を着ててね、懐中時計を持っていてね、慌てていてね、それでねそれでねっ。

　そのうさぎさんが小さい穴の中に入っていって、それを追ってたらここにいたの。

　あ･･････そうだ、追わなくちゃ！

　ね、お兄さんも一緒にどう？

　きっと楽しいよ！ね、どうかな？

　･･････えへへ、ありがとっ！

　じゃ、急ご？お兄さんっ。

　（駆け足の音）

　うぅーん。どこにいっちゃったんだろう。

　･･････あっ！うさぎさん！

　待ってー！

　（草木をかき分ける音）

　はぁ、はぁっ。

　うーん･･････うさぎさん、この森に入っていったよね？

　うぅん。たくさん道があるね。

　この先は･･････マッドハッターさんのお家みたいだね。

　あと、この先はマーチヘアって人のお家かぁ。

　うぅん･･････この人たちに聞いてみて、お茶会がどこでするのか聞いてみるというのも･･････。

　あれ･･････ねえねえ、お兄さん。あそこの太い枝の上見て！

　お目目が二つある！

　わっ！おっきな猫ちゃん･･････。

　あっ、そうだ。あの猫ちゃんに聞いてみようよ！

　にゃぁ、にゃぁ･･････。

　わっ、喋れるの！？

　じゃ、じゃあ、お茶会ってどこで開かれるかわかるかなぁ？

　･･････ふんふん、そっか。マッドハッターさんのお家かぁ。

　え？皆変なの？

　うぅん。変な所にきちゃったとは思ったけど･･････。

　あ、でもでも！お兄さんは変じゃないよね？

　えへへ。一人じゃないから、寂しくないよ。

　ありがと、お兄さん。一緒に来てくれて。

　じゃあ、その･･････マッドハッターさんのお家にいこっか？

　（歩く足音）

　うふふっ！すごかったね！

　すごく変な人だったけど、でもお茶はすっごく美味しかったし、あ、お菓子も美味しかったなぁ。

　バターたっぷりで、ジャムをたっぷりのせて･･････えへへ。

　でも･･････結局うさぎさんは見つけられなかったなぁ。

　はぁ･･････。

　疲れちゃったなぁ。もう帰りたいなぁ。

　帰り道は覚えているの。だから、もう帰ろう？お兄さん。

　（歩く足音）

　うーん。でも、ここって変な所だけど、楽しいよね。えへへ。

　全部があべこべで、でも皆それを不思議に思わなくって。あり得ないことが当たり前で、猫ちゃんが喋って。

　まるで、夢の中みたいっ！うふふっ。

　そんな不思議なとこを、お兄さんみたいなかっこいい人と一緒に歩けて、すっごく楽しい。

　ね、ね。お兄さんはさ、彼女とかっているのかな？

　居ないなら私がなりたいなぁ。えへへ。

　でも、お兄さんだったらお姉ちゃんみたいな人がいいのかなぁ。

　お姉ちゃんね、すごくきれいな人でね。しかもすごく頭がいいんだぁ。学校の先生なの！

　あ･･････でも、私になんも面白くない本を読ませて、それを勉強だっていっていうの！

　もう、挿絵の無い本なんて嫌いっ。つまんないよ。

　あ、でも･･････お兄さんはさ、頭のいい女の子の方が好き？

　だったら、頑張って勉強しようかなっ、えへへ。

　（歩く足音）

　あっ、あった！

　この扉だよ！ここから私来たの！

　あ、鍵穴がある。

　ちょっと覗いてみるね？

　ん、っと･･････。

　あれ･･････？

　私が居る。

　大きな木に寄りかかって寝てる。

　なんでだろ･･････。

　あ、もしかしてここって夢の世界なのかな。

　そっか。きっとそうだ。

　ということは、この扉を開いたら向こうの私の目が覚めるのかな。

　･･････ここでの楽しかった事を忘れちゃったらどうしよう。

　それに、お兄さんの事を忘れちゃったらどうしよう。

　そもそも、お兄さんとは２度と会えなくなるかもしれない。

　嫌だなぁ。

　･･････そうだっ！ねぇ、お兄さん！

　ここにずっと一緒にいよ？

　そしたらさ、ずっと一緒にいれるもんっ！

　お兄さんと離れるのなんて嫌っ！

　それに、ここは変な所ばかりだけど、きっと楽しいとおもうの！

　ねぇ、だめかな？私、お兄さんとずっとここにいたいの。

　･･････そっか。そう、だよね。

　帰りたい･･････よね？

　･･････嫌だ。

　嫌だよ、お兄さん。ここから行かないで。私から離れないで。お願い･･････。

　（体を締め上げる音）

　え？枝が、お兄さんの腕に･･････。

　そっか、ここは私の夢の中なんだ。

　えへへへ。

　（体を締め上げる音）

　えへへ、動けないでしょ。お兄さん。

　（肌の擦れ合う音）

　はぁ･･････はしたないと思って我慢していたけれど、お兄さんのほっぺ。すっごく柔らかい。

　うふ、うふふふ。

　もー、そんな顔をしないでよぉ。ここもきっと、向こうと同じくらい･･････ううん。向こうよりも楽しいよ？

　だって、私の夢の中だもん。なぁんでも思いのまま。　
　
　今はお兄さんがイヤイヤしても、きっと楽しくなるから。

　あの猫さんが言っていた事、本当だったんだぁ。

　ここじゃ皆変になっちゃうんだね。えへへへ。

　お兄さんも、私と一緒に変になろ？

　この不思議な国でずっと、ずぅっと一緒に暮らそうね？

　おにいさん。

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレアリス
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清　カズスケ