少し内気な、図書委員の後輩女子との放課後の一幕。話の流れで、貴方は彼女からお兄ちゃんと呼ばれることになってしまい…？

あの、すみません…そろそろ戸締りをしたいんですけど…


はい…閉館の時間、です…すみません、本に夢中になってるところ…


あ、いえ…全然悪いことはなくて…むしろ、そのままずっと集中していてくれた方がわたし得だなって…


あ…す、すみません…！変なこと口走っちゃって…！今のは忘れてください…！


うぅ…いつもはこんなじゃないのに…先輩の前だとどうしてこんな…


…へ？あ、いえ！先輩のことが苦手だとか、そういうわけではなく！その、女家庭で育ったので、元々男の人と接するのが得意じゃなくて…！おまけにここも元女子高で、最近合併して男の子を見るようになって…！だから、とにかく、先輩のことが特別苦手というわけじゃないんです、はい…！


あぅぅ〜…今度は早口に…ま、捲し立てるように喋ってすみません…


え、へ？あの、どうして笑ってるんですか…？わたし、何かおかしなことを…？


あっ、へっ…？かっ、かわっ⁉︎ わたしが⁉︎ こんな根暗インキャメガネが⁉︎ そそそ、そんなことありえにゃいっ！


か、噛んじゃった…！うぅ〜、今日は良いとこなしです…なんでわたしってこんなにダメなんだろ…


(頭を撫でられる)


…せ、先輩…？あの、この頭に乗せてる手は…？


はぅ…な、慰めてくれてるんですね…あ、ありがとうございます…


妹、みたい…？そうなんですか…？先輩にとって、わたしって妹みたいな存在なんですか…？


はい…嬉しいですけど、何だか複雑です…でも、そう思ってもらえるだけ、全然…


い、いえ…こちらの話ですから、先輩は気にしないでください。


それじゃ、わたしは戸締りをするので…先輩は先に帰っていただいて大丈夫ですよ…？


はい…お疲れ様でした。また、明日…


(図書室を閉め、学校を出ようとすると、先輩に遭遇)


あっ、あれっ？せ、先輩…？どうして正門に…？


え…？待っててくれたんですか…？わたしを…？


い、いえ！そんな！全然迷惑とかじゃないです！むしろその、わたしなんかにお時間使わせて申し訳ないっていうか…！


は、はい…その、心配してくれてありがとうございます…それじゃあ、お言葉に甘えて…


(一緒に並んで下校)


あ、あの…先輩はどうしてわたしに優しくしてくれるんですか…？わたしなんて、こんなに冴えない女なのに…


た、たしかにわたしは図書委員ですし、毎日図書室に通ってくれてる先輩とは顔を合わせてますけど…普段はそこまで会話も多くないっていうか…優しく話しかけてもらえる理由が今ひとつわからなくて…


はい…その、少しだけ不安かもしれません…先輩が本当はわたしのことをどう思ってるのかなって…ま、まぁ、実際はどうとも思ってないかもしれないですけど。あはは…


ふぇ？えっと、それはどういう…？


は、はぅ…！男の人からそんなこと言われたの、初めてです…！でも相変わらず妹カテゴリは外れないんですね…


あ、あはは…先輩って、男きょうだいの末っ子なんですね。どうりで…


あ、いえいえ！何でもありません！でも、先輩がお兄ちゃんに憧れてるのはわかりました！


で、でしたら…わたしが呼んであげましょうか？その、お兄ちゃんって…


は、はい…それくらいでしたら、全然…わたしも女家族で、兄はいませんし…


では、呼びますね…？お、お、お兄、ちゃん…？


えっ…？あの、何で顔逸らすんですか…？もしかして、目も当てられないくらい、気持ち悪かったってことですか…？


あっ…と、尊い…？てことは、今のは…


ちょ…！あんまり照れること言わないでください…！ホントに恥ずかしいですから…！


あぅ…先輩って、気さくというか親しみやすい方だったんですね…図書室で本を読んでるクールな人ってイメージありましたから…けっこう意外でした。


はい…少しだけ近寄りがたいというか、声をかけづらくはありました…で、でも今は違いますから！気さくで話しやすい先輩だってわかりましたんで！


いえっ！こちらこそ！不束者ですが、よろしくお願いしましゅっ！あっ、か、噛んだ…！も〜！

・台本（ゆるボイ！）
【青春】図書委員の内気な後輩女子は俺の妹になってくれるかも知れない女の子
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎