- ファンタジー
- ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00
更新日2021年06月05日 18:00
文字数
4437文字(約 14分48秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
暗殺者
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
あらすじは「いつも優しくしてくれているお姉さんが、暗殺者だと知って・・・・・・」といった内容となっております。
キャライメージは「人の優しさに触れてしまい壊れた暗殺者」
キャライメージは「人の優しさに触れてしまい壊れた暗殺者」
本編
【ある日の朝、街中にて】
(スズメの鳴き声)
あら?
うふふ。おはよう。
今日も元気そうね?
ん?襟、ちょっと変よ?
ちょっといい?
(布の擦れる音)
ん。かっこよくなったわよ。ふふっ。
あぁ、そうそう。
良かったらこれ、食べて?
どう?このパン。ふかふかで美味しそうでしょう?
今朝焼いたばかりなの。
味の感想とか・・・・・・聞かせてほしいな。
じゃあ私、ご近所さんにも配ってくるわね。
今日もお互い、頑張りましょう?
じゃあね。
【同日、夜。街道にて。(このシーンでは冷たく無機質な声音をイメージしていただけますと)】
(掛ける足音)
はぁっ、はあっ。(息を切らしているイメージをしていただけますと)
くっ、こんなヘマ・・・・・・数年ぶりね。油断した。
足音は・・・・・・ん、上手く巻けたようね。
すんすん(鼻を鳴らす)
血の匂いが・・・・・・早く落とさないと。
ううん。この服はもう処分しなきゃかしら。
・・・・・・っ!
あ、貴方、なんでこんなところに居るの。
こんな夜遅くに、なぜまだ外を出歩いているの?
・・・・・・依頼ではないけど、やむなし、ね。
(剣を抜く音)
喉元に、冷たい物が当たってるでしょう?
少しでも動いたら・・・・・・ね?
大丈夫、痛みは無いから。
(近づく掛ける足音)
・・・・・・くっ。
ここだと目立つ、か。
(鞘に納める音)
今日の事は、忘れて。
でないと・・・・・・分かったわね?
・・・・・・そう。素直で助かるわ。
(近づく掛ける足音)
む、もう傍まで来てる。
じゃあ、さっき言ったこと、守ってね?
(遠ざかる足音)
【翌日の朝、街中にて】
(スズメの鳴き声)
あら?
ふふ、おはよう。
ん?どうしたの、その顔。
すごく疲れた顔をしてるわよ。
あ、ほら。首のあたりに埃が・・・・・・。
ん、取れた。
本当にどうしたの?
あっ!そうだっ!
今日もパンを焼いたのだけどね?
すごく上手に焼けたの!
良かったら、今から私の家で、一緒に朝食なんて・・・・・・。
あら?
(掛ける足音)
衛兵さん、どうしたのですか?
はぁ・・・・・・あそこの家の方が?
それは・・・・・・恐ろしいですね。
いいえ、どんなにその人が悪いことをしていたとは言え、手に掛けたのならそれは犯罪です。
ちゃんと罪は償って貰わねば。
それに、そのような人がまだ街中にいると思うと・・・・・・怖い、ですし。
・・・・・・ごめんなさい。怪しい人影などは・・・・・・。
はい、必ず!
衛兵さん、いつもありがとうございます。
(遠ざかる掛ける足音)
それで、どこまで話したかしら・・・・・・。
そうそう、朝食の話ね。
それで、そのぅ・・・・・・どう、かしら?
一緒にご飯、食べない?
・・・・・・うふふ、ありがと。
それじゃあ、行きましょうか。
【同時刻、家の中へ。】
(扉を開く音)
さ、どうぞ。
(扉を閉じる音)
お湯を沸かしてくるわ。
あ、紅茶でいいかしら?
・・・・・・そう。分かったわ。
ちょっと待っててね。
(遠ざかる足音)
はぁい、お待たせ。
(食器の置かれる音、2回)
どお?いい匂いでしょ?
きつね色の生地に、そしてとっても柔らかそうで・・・・・・。
今日のは一番の自信作なの。
いただきます。
んむ、んむ。(咀嚼音)
ん。おいし。
遠慮なんて、しなくていいからね?
んく、んく。(飲料音)
ふふ。
あ、お砂糖もあるから、好きに使ってね。
・・・・・・あ、貴方って。
躊躇なく、人の出した食べ物や飲み物を口に運ぶのね。
あ、いやっ。その。
少し驚いただけよ。気にしないで。
んむ、んむ。(咀嚼音)
ん。ごちそうさま。
あら・・・・・・?
どうしたの?目をシパシパさせて。
眠いの?
すごく疲れた顔をしていたものね。
いいわよ、そこのベッドを使っても。
あ、肩貸すわね。
よ、っと。
大丈夫?歩けそう?
(足音)
よし。下ろすわね。
無理せずに寝ちゃいなさい?
ほら、お腹、ポンポンしてあげるから。
おやすみなさい・・・・・・。
・・・・・・規則的な呼吸(以降、無機質な声音をイメージしていただけると)
瞼の裏で動く眼球、ゆったりと上下する胸。
寝た、わね。
(剣を鞘から抜く音)
芽は、つみ取っておかないと。
依頼でするのと、何ら変わらない。ただ、これを喉元に押し付けるだけ。
はぁっ、はぁっ。(手がプルプルと震えているイメージをしていただけますと)
お金なら、ある。この街を出て、遠くに行けばいい。
・・・・・・なんで、体が動かないの?
【夕方、家の中にて。(以降、普通の声音に戻っていただけますと)】
(カラスの鳴き声)
あら?目が覚めた?
ふふ、もう夕方よ?
相当疲れていたみたいね?
貴方、全然起きなかったのよ?
・・・・・・私が、喉に短剣を押し当てても。(小声で言っていただけますと)
ねぇ。気になったのだけど。
なんで、今日、私の家に来てくれたの?
昨晩の事を忘れるように言ったのは私だけど、それでも。
・・・・・・知ってるでしょ?私の正体。
私は・・・・・・孤児だったの。
その時に、その・・・・・・拾われて。
育てられて、暗殺者として色々な事を教え込まれた。
毒、事故に見せかけたもの、それから・・・・・・色々な事。
子供の頃から教えられてきたから、特に苦しくはなかった。
私には才能があったみたいでね、熱心に教えてくれたわ。
私、こういう人間なの。
人を手に掛けることに、何かを感じることも無かった。
・・・・・・ごめんなさい。
今日、貴方をここに呼んだのは・・・・・・その口を永遠に閉ざすつもりだったの。
でも、できなかった。
気が付いたら私、短剣を鞘に納めて、貴方の寝顔を見ていたの。
今まで、暗殺者として何人も手に掛けてきたけど、貴方の寝顔を見てね?
・・・・・・すごく、安心したの。
ふふ。変でしょ?
貴方が衛兵に私の事を言えば、私はきっと・・・・・・。
なのに・・・・・・こうしてまた、貴方と話せて、すごく嬉しいと思ってるの。
貴方、私が差し出した紅茶とパンを何の疑いもなく食べてくれたでしょう?
私、人から出された食べ物や物は毒が入ってるかもしれないから全部疑え、って教えられてきたから・・・・・・。
それを、とても美味しそうに頬張ってくれて。
本当はね?あの紅茶に、眠くなる薬を入れていたの。
貴方をだますような事をしてしまって、ごめんなさい。
なのに・・・・・・貴方は、そんなに優しい顔で、私の話を聞いてくれて・・・・・・。
すごく、嬉しい。
ふふ。
・・・・・・私、暗殺者なんて、もう辞める。
それで、パン屋を始めて、真っ当に生きる。
その、それ・・・・・・でね?
そ、そのぅ。
あ、貴方って、もう結婚してたり、彼女とか・・・・・・いるの?
も、もし!もしも、そういう人が居なかったら。
私と・・・・・・一緒になってくれない?
・・・・・・いえ、ごめんなさい。
私なんかじゃ、貴方なんて眩しすぎて、駄目・・・・・・よね?
体に、血の匂いの染みついた女なんて・・・・・・不相応、よね?
・・・・・・えっ?
そ、その。いいの?
無理なんかしなくてもいいのよ?こんな女、怖いでしょう?
自分で言うのも可笑しな話だけれど、今まで、何人を手に掛けてきたか分からない女なのよ?
かわいそうだとか、そういうのは思わなくてもいいの。
私が、自分で選んだ道だもの。
でも・・・・・・そんな私でも・・・・・・いいの?
・・・・・・はぁ。(心の底から安心したような吐息をイメージしていただけますと)
そっか・・・・・・ふふ、ありがとう。
夢、じゃないのよね。
うふふ。
ありがとう。
私、貴方に出会えて・・・・・・幸せ者ね。
【別日の朝、街中にて】
(スズメの鳴き声)
あら・・・・・・?いないわねぇ。
せっかくのパンが冷めてしまうわ。
あまり遠くには行っていないと・・・・・・。
あっ!
・・・・・・あの女性は?
なんで、一緒に歩いているの?
あぁ・・・・・・そっか。そうよね。
やっぱり、私なんかが・・・・・・そんな事を望んじゃ、ダメだったんだ。
・・・・・・でも、貴方は、一緒になってくれるって言った。
じゃあ、いいわよね?
【別日の朝、街中にて】
(スズメの鳴き声)
あっ・・・・・・おはよう。
いい天気ねぇ。
まるで私たちを祝福してくれてるみたい。
ねぇ、今日の夕方、私の家に来れる?
今日ね、頼んでいたものが完成する日なの。
それを貴方に見せたいの。
美味しいパン、焼いて待ってるから。
それじゃあね。
【同日夕方、家の中にて】
(扉を開く音)
あ、いらっしゃい。待ってたわよ。
(扉を閉じる音)
ね、このドレスどう?
ずっと憧れだったの。ウエディングドレス。
私なんかには一生縁の無いものだと思ったけど、貴方のお陰で、ね?
それと・・・・・・いい匂いがするでしょう?
パンもできてるわ。
さぁ、食べましょう?
お腹が減ったら大変ですもの。沢山食べてね?
・・・・・・あぁ、本当に美味しそうに食べてくれるわね、貴方。
こうして近くで貴方の顔を見れて、本当に幸せ。
ふふ。
・・・・・・どお?お腹一杯になった?
そう、良かった。
じゃあ・・・・・・一緒にいきましょうか。
(短剣で突き刺す音)
ふふ、痛くないでしょう?
この短剣に魔法を掛けてもらったから。
でも、刺した場所は急所なの。
安心して。私もすぐに後を追うから。
大丈夫、怖くないわ。
こうして・・・・・・。
(肌の擦れ合う音)
頭を抱きしめてあげるから。
・・・・・・すごく、嬉しかった。
貴方が、私と一緒にいてもいいって言ってくれて。
でも、ね?
この間、貴方とあの女性が街を歩いている所を見たの。
それで・・・・・・あぁ、私、あの人には一生勝てない、と思ったの。
きれいで、かわいくて、なによりも・・・・・・血の匂いのしない人。
でも、私。
貴方と離れたくなかった。
だから・・・・・・こうするしか、思い浮かばなかった。
叶うなら、平穏に暮らしたかった。
パン屋を営んで、子供と一緒に遊ぶ貴方が見たかった。
それで、貴方に看取られて幸せの中、一生を終えたかった。
・・・・・・貴方は、私と一緒にいるって言ってくれた。
だから、だから、私。
向こうだったら私。心の底から、貴方に笑える気がするの。
私は、間違ってないわよね?
だって、一緒にいてくれるって、貴方が言ってくれたから、私は・・・・・・。
それで、向こうに行っても、私の事を見つけてくれるように。
こうして、白いドレスを着たの。
だから・・・・・・見つけてね?
私も、貴方の事を見つけるから。
ん・・・・・・もう、辛いでしょう?
眠るように、目を閉じて?
一生・・・・・・ううん、ずっと、一緒よ?
あなた。
(スズメの鳴き声)
あら?
うふふ。おはよう。
今日も元気そうね?
ん?襟、ちょっと変よ?
ちょっといい?
(布の擦れる音)
ん。かっこよくなったわよ。ふふっ。
あぁ、そうそう。
良かったらこれ、食べて?
どう?このパン。ふかふかで美味しそうでしょう?
今朝焼いたばかりなの。
味の感想とか・・・・・・聞かせてほしいな。
じゃあ私、ご近所さんにも配ってくるわね。
今日もお互い、頑張りましょう?
じゃあね。
【同日、夜。街道にて。(このシーンでは冷たく無機質な声音をイメージしていただけますと)】
(掛ける足音)
はぁっ、はあっ。(息を切らしているイメージをしていただけますと)
くっ、こんなヘマ・・・・・・数年ぶりね。油断した。
足音は・・・・・・ん、上手く巻けたようね。
すんすん(鼻を鳴らす)
血の匂いが・・・・・・早く落とさないと。
ううん。この服はもう処分しなきゃかしら。
・・・・・・っ!
あ、貴方、なんでこんなところに居るの。
こんな夜遅くに、なぜまだ外を出歩いているの?
・・・・・・依頼ではないけど、やむなし、ね。
(剣を抜く音)
喉元に、冷たい物が当たってるでしょう?
少しでも動いたら・・・・・・ね?
大丈夫、痛みは無いから。
(近づく掛ける足音)
・・・・・・くっ。
ここだと目立つ、か。
(鞘に納める音)
今日の事は、忘れて。
でないと・・・・・・分かったわね?
・・・・・・そう。素直で助かるわ。
(近づく掛ける足音)
む、もう傍まで来てる。
じゃあ、さっき言ったこと、守ってね?
(遠ざかる足音)
【翌日の朝、街中にて】
(スズメの鳴き声)
あら?
ふふ、おはよう。
ん?どうしたの、その顔。
すごく疲れた顔をしてるわよ。
あ、ほら。首のあたりに埃が・・・・・・。
ん、取れた。
本当にどうしたの?
あっ!そうだっ!
今日もパンを焼いたのだけどね?
すごく上手に焼けたの!
良かったら、今から私の家で、一緒に朝食なんて・・・・・・。
あら?
(掛ける足音)
衛兵さん、どうしたのですか?
はぁ・・・・・・あそこの家の方が?
それは・・・・・・恐ろしいですね。
いいえ、どんなにその人が悪いことをしていたとは言え、手に掛けたのならそれは犯罪です。
ちゃんと罪は償って貰わねば。
それに、そのような人がまだ街中にいると思うと・・・・・・怖い、ですし。
・・・・・・ごめんなさい。怪しい人影などは・・・・・・。
はい、必ず!
衛兵さん、いつもありがとうございます。
(遠ざかる掛ける足音)
それで、どこまで話したかしら・・・・・・。
そうそう、朝食の話ね。
それで、そのぅ・・・・・・どう、かしら?
一緒にご飯、食べない?
・・・・・・うふふ、ありがと。
それじゃあ、行きましょうか。
【同時刻、家の中へ。】
(扉を開く音)
さ、どうぞ。
(扉を閉じる音)
お湯を沸かしてくるわ。
あ、紅茶でいいかしら?
・・・・・・そう。分かったわ。
ちょっと待っててね。
(遠ざかる足音)
はぁい、お待たせ。
(食器の置かれる音、2回)
どお?いい匂いでしょ?
きつね色の生地に、そしてとっても柔らかそうで・・・・・・。
今日のは一番の自信作なの。
いただきます。
んむ、んむ。(咀嚼音)
ん。おいし。
遠慮なんて、しなくていいからね?
んく、んく。(飲料音)
ふふ。
あ、お砂糖もあるから、好きに使ってね。
・・・・・・あ、貴方って。
躊躇なく、人の出した食べ物や飲み物を口に運ぶのね。
あ、いやっ。その。
少し驚いただけよ。気にしないで。
んむ、んむ。(咀嚼音)
ん。ごちそうさま。
あら・・・・・・?
どうしたの?目をシパシパさせて。
眠いの?
すごく疲れた顔をしていたものね。
いいわよ、そこのベッドを使っても。
あ、肩貸すわね。
よ、っと。
大丈夫?歩けそう?
(足音)
よし。下ろすわね。
無理せずに寝ちゃいなさい?
ほら、お腹、ポンポンしてあげるから。
おやすみなさい・・・・・・。
・・・・・・規則的な呼吸(以降、無機質な声音をイメージしていただけると)
瞼の裏で動く眼球、ゆったりと上下する胸。
寝た、わね。
(剣を鞘から抜く音)
芽は、つみ取っておかないと。
依頼でするのと、何ら変わらない。ただ、これを喉元に押し付けるだけ。
はぁっ、はぁっ。(手がプルプルと震えているイメージをしていただけますと)
お金なら、ある。この街を出て、遠くに行けばいい。
・・・・・・なんで、体が動かないの?
【夕方、家の中にて。(以降、普通の声音に戻っていただけますと)】
(カラスの鳴き声)
あら?目が覚めた?
ふふ、もう夕方よ?
相当疲れていたみたいね?
貴方、全然起きなかったのよ?
・・・・・・私が、喉に短剣を押し当てても。(小声で言っていただけますと)
ねぇ。気になったのだけど。
なんで、今日、私の家に来てくれたの?
昨晩の事を忘れるように言ったのは私だけど、それでも。
・・・・・・知ってるでしょ?私の正体。
私は・・・・・・孤児だったの。
その時に、その・・・・・・拾われて。
育てられて、暗殺者として色々な事を教え込まれた。
毒、事故に見せかけたもの、それから・・・・・・色々な事。
子供の頃から教えられてきたから、特に苦しくはなかった。
私には才能があったみたいでね、熱心に教えてくれたわ。
私、こういう人間なの。
人を手に掛けることに、何かを感じることも無かった。
・・・・・・ごめんなさい。
今日、貴方をここに呼んだのは・・・・・・その口を永遠に閉ざすつもりだったの。
でも、できなかった。
気が付いたら私、短剣を鞘に納めて、貴方の寝顔を見ていたの。
今まで、暗殺者として何人も手に掛けてきたけど、貴方の寝顔を見てね?
・・・・・・すごく、安心したの。
ふふ。変でしょ?
貴方が衛兵に私の事を言えば、私はきっと・・・・・・。
なのに・・・・・・こうしてまた、貴方と話せて、すごく嬉しいと思ってるの。
貴方、私が差し出した紅茶とパンを何の疑いもなく食べてくれたでしょう?
私、人から出された食べ物や物は毒が入ってるかもしれないから全部疑え、って教えられてきたから・・・・・・。
それを、とても美味しそうに頬張ってくれて。
本当はね?あの紅茶に、眠くなる薬を入れていたの。
貴方をだますような事をしてしまって、ごめんなさい。
なのに・・・・・・貴方は、そんなに優しい顔で、私の話を聞いてくれて・・・・・・。
すごく、嬉しい。
ふふ。
・・・・・・私、暗殺者なんて、もう辞める。
それで、パン屋を始めて、真っ当に生きる。
その、それ・・・・・・でね?
そ、そのぅ。
あ、貴方って、もう結婚してたり、彼女とか・・・・・・いるの?
も、もし!もしも、そういう人が居なかったら。
私と・・・・・・一緒になってくれない?
・・・・・・いえ、ごめんなさい。
私なんかじゃ、貴方なんて眩しすぎて、駄目・・・・・・よね?
体に、血の匂いの染みついた女なんて・・・・・・不相応、よね?
・・・・・・えっ?
そ、その。いいの?
無理なんかしなくてもいいのよ?こんな女、怖いでしょう?
自分で言うのも可笑しな話だけれど、今まで、何人を手に掛けてきたか分からない女なのよ?
かわいそうだとか、そういうのは思わなくてもいいの。
私が、自分で選んだ道だもの。
でも・・・・・・そんな私でも・・・・・・いいの?
・・・・・・はぁ。(心の底から安心したような吐息をイメージしていただけますと)
そっか・・・・・・ふふ、ありがとう。
夢、じゃないのよね。
うふふ。
ありがとう。
私、貴方に出会えて・・・・・・幸せ者ね。
【別日の朝、街中にて】
(スズメの鳴き声)
あら・・・・・・?いないわねぇ。
せっかくのパンが冷めてしまうわ。
あまり遠くには行っていないと・・・・・・。
あっ!
・・・・・・あの女性は?
なんで、一緒に歩いているの?
あぁ・・・・・・そっか。そうよね。
やっぱり、私なんかが・・・・・・そんな事を望んじゃ、ダメだったんだ。
・・・・・・でも、貴方は、一緒になってくれるって言った。
じゃあ、いいわよね?
【別日の朝、街中にて】
(スズメの鳴き声)
あっ・・・・・・おはよう。
いい天気ねぇ。
まるで私たちを祝福してくれてるみたい。
ねぇ、今日の夕方、私の家に来れる?
今日ね、頼んでいたものが完成する日なの。
それを貴方に見せたいの。
美味しいパン、焼いて待ってるから。
それじゃあね。
【同日夕方、家の中にて】
(扉を開く音)
あ、いらっしゃい。待ってたわよ。
(扉を閉じる音)
ね、このドレスどう?
ずっと憧れだったの。ウエディングドレス。
私なんかには一生縁の無いものだと思ったけど、貴方のお陰で、ね?
それと・・・・・・いい匂いがするでしょう?
パンもできてるわ。
さぁ、食べましょう?
お腹が減ったら大変ですもの。沢山食べてね?
・・・・・・あぁ、本当に美味しそうに食べてくれるわね、貴方。
こうして近くで貴方の顔を見れて、本当に幸せ。
ふふ。
・・・・・・どお?お腹一杯になった?
そう、良かった。
じゃあ・・・・・・一緒にいきましょうか。
(短剣で突き刺す音)
ふふ、痛くないでしょう?
この短剣に魔法を掛けてもらったから。
でも、刺した場所は急所なの。
安心して。私もすぐに後を追うから。
大丈夫、怖くないわ。
こうして・・・・・・。
(肌の擦れ合う音)
頭を抱きしめてあげるから。
・・・・・・すごく、嬉しかった。
貴方が、私と一緒にいてもいいって言ってくれて。
でも、ね?
この間、貴方とあの女性が街を歩いている所を見たの。
それで・・・・・・あぁ、私、あの人には一生勝てない、と思ったの。
きれいで、かわいくて、なによりも・・・・・・血の匂いのしない人。
でも、私。
貴方と離れたくなかった。
だから・・・・・・こうするしか、思い浮かばなかった。
叶うなら、平穏に暮らしたかった。
パン屋を営んで、子供と一緒に遊ぶ貴方が見たかった。
それで、貴方に看取られて幸せの中、一生を終えたかった。
・・・・・・貴方は、私と一緒にいるって言ってくれた。
だから、だから、私。
向こうだったら私。心の底から、貴方に笑える気がするの。
私は、間違ってないわよね?
だって、一緒にいてくれるって、貴方が言ってくれたから、私は・・・・・・。
それで、向こうに行っても、私の事を見つけてくれるように。
こうして、白いドレスを着たの。
だから・・・・・・見つけてね?
私も、貴方の事を見つけるから。
ん・・・・・・もう、辛いでしょう?
眠るように、目を閉じて?
一生・・・・・・ううん、ずっと、一緒よ?
あなた。
クレジット
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いつも閲覧ありがとうございます(^^)/
趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。
私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/
各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
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夢は1個800円の卵を毎日2個食べられる暮らしです。
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