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- 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00
更新日2021年06月05日 18:00
文字数
4688文字(約 15分38秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ドラゴン
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
あらすじは「財宝を守るドラゴンの噂を聞いて、その洞窟に足を踏み入れると・・・・・・」といった感じです。
キャライメージは「傲慢で人を見下しているけどそれなりの過去があるドラゴンさん」です。
キャライメージは「傲慢で人を見下しているけどそれなりの過去があるドラゴンさん」です。
本編
【ある日の夕方、洞窟にて】
(洞窟の音)
(近づく裸足の足音。プールサイドの足音)
ほぉ・・・・・・久しいな。ここに人間が来るのは。
大方予想は付くがな。
ふふ。余の財宝が目当てであろう?
・・・・・・なんだ?余の体をそんなに見て。
あぁ・・・・・・伝説に出る巨大なドラゴンでも、期待していたのか?
こうして、人間の姿を取っていた方が何かと便利でな。
本来の姿だと腹はスグには膨れぬ上、この洞窟だと少々窮屈ゆえな。
なにより、余よりもか弱く、容易くひねりつぶせる人間なぞ、この姿でも十分ゆえな。
ふふ。
このツメは、人間の肌を紙のように容易く引き裂けるし。
この羽で羽ばたけば、人間であればどんなに踏ん張ろうと吹き飛ばされるであろうな。
この尻尾も・・・・・・そんなに細い手足であれば、容易く骨をへし折る事もできるであろう。
ふふふ。
貴様も、余の財宝を欲して来たのだろう?
金や銀、古き時代に用いられた金貨や宝石。
そして、かつて人の英雄が使っていた剣や鎧。
あぁ、あの時、余を倒すと息巻いていた人間は・・・・・・ふふ、あっけなかったな。
精霊の加護・・・・・・妖精の加護だったか?そんな力があるらしいが・・・・・・。
どちらにせよ、余には無用の長物であるが。
ふふ。
欲しいのか?
余は、その財宝の噂を聞いて、不遜にも余の住処に忍びこんできた人間を、切り裂いてきた。
・・・・・・では、良いぞ?
どこからでも、掛かってくるがいい。
あぁ、だが。
すぐにダメにするのはつまらぬ。
この尻尾と羽は、使わずに相手をしてやろう。
ふふ。
さぁ、そのなまくらを早く抜いて、来るがよい。
(剣を抜く音)
(剣を振る音)
ほぉ・・・・・・はやいな。
ふふ。尻尾と羽を使っていないとはいえ、ここまで余の胸を躍らせるとは。
では、余も・・・・・・行かせてもらおう。
(重いキックの音)
ふふ。そうか、これを躱すか。
今までの人間であれば、これに当たって血を吐いていたであろうが・・・・・・。
ふふ。そうか。
久しぶりに少し本気を出すとしよう。
【戦闘後】
ほぉ・・・・・・ここまで、五体満足でいられる人間がいるとはな。
ふふふ。
この胸の高鳴り、簡単に終わらせるのはつまらぬな。
よし。ここで止めてやる。
そなたを壊すのは容易い・・・・・・が、それではつまらぬ。
永い時を生きてきたが、そなたのような人間は初めてだ。
たかが人間が、ここまで余と渡り合うとはな。
・・・・・・む、水滴か?いやこれは・・・・・・余は汗をかいてるのか?
・・・・・・大分、熱中してしまったらしい。
ふふ。
いいだろう、余の財宝を与えてやろう。
そうさな・・・・・・よし、これだ。
この鎧をやろう。
たしか・・・・・・伝説の金属の、オリ・・・・・・なんたらの鎧らしい。
そなたがこれを身に着ければ、余の一撃を受けたとしても、まだ余と打ち合えるであろう?
ふふ。
さぁ、身に着けてみよ。
・・・・・・ほぉ、似合うな。
ん?今、余は何と言った。
似合う、と言ったのか?
その鎧を身に着けたそなたに、それが似合っていると、そう言ったのか?
・・・・・・くだらん。(呟くようにいっていtだけますと)
たかが人間ごときに。
だが、これで少しは、余の攻撃に耐えられるようになったのだろうな。
ふふ。次が楽しみだ。
また、そなたが生きているうちにここへ来るならば。
いつでも相手をしてやるぞ?
ふふ、気長に待っているぞ?
【別日、洞窟にて】
(洞窟の音)
(近づく裸足の足音。プールサイドの足音)
む・・・・・・誰かと思えば、そなたか。
ふふ。そうか。
では、早速始めるとしよう。
今日は・・・・・・そうさな、この尻尾も使うとしよう。
鞭のように自在に操ることができるゆえ、前よりも周りを見ねば・・・・・・死ぬぞ?
(鞘から剣を抜く音)
ふふ。その目、前よりも輝いておるではないか。
あぁ、楽しみだ。
では、掛かってくるがよい。
(剣を振る音)
ふふ、鋭いな。その斬撃。
余が油断すれば、危うかったな。
では、余もいくとしよう。
フッ!
(重いキックの音)
ほお、流石に同じ攻撃は通じぬか。
では、これはどうだ?
(重いパンチ)
ふふ。どうだ?尻尾での一撃は。
あぁ、しまった。つい高ぶって床を抉ってしまったな。
今後気をつけねばな。
あぁ、でも。この胸の高鳴り。
ふふ。そなたとこうして打ち合っていると、全てが忘れられるな。
ふふふっ。どうした?さっきの尻尾の一撃で、腰を抜かしたか?
では、こちらから・・・・・・ハッ!
(重いパンチの音)
(バタン、と倒れる音)
【戦闘後】
・・・・・・む、目が覚めたか。(だんだんと意識が覚醒して声が大きくなっていくイメージをしていただけますと)
ふふ。どうした?そんな顔をして。
あぁ、体は動かさないほうが良いぞ。
そのまま、余の膝に、頭を預けていろ。
そなたの骨は、さっきの余の一撃で折れたらしい。
が、余の財宝に薬があってな?
どんな傷もたちまちに治るというものだ。
だが、効果が出るまでまだ時間がかかる。
だから、しばらくはこのままだ。分かったか?
ふふ。
やはり、人間の体というのは小さいな。
この体とはいえ、余の膝に収まるほどの頭の大きさとはな。
む、随分と細い腕だな。こんなのであんな剣を振っていたとはな。
ふふ、そうか。この腕が。
余を、あんなに高ぶらせた・・・・・・。
ふふ。
・・・・・・まだ、体の傷は癒えぬであろう?
ただの余の独り言だが・・・・・・耳に届いたのなら、勝手に聴いても構わぬ。
遠く昔。余が生まれた時は・・・・・・人間共と暮らしていた時もあった。
まだ小さかった余も、人間の子供とよく遊んだものだ。
時折、背中に乗られるのは不快であったが。
父と母は、よく人間を背に乗せて魔物退治に出かけていたゆえ、いつかは慣れねばと、思ったが。
だが、いつだったか。
ある日、名声を求める人間共が余達の住む村を襲った。
父は余と母を逃がそうと、その人間と戦った。
それから、逃げて、逃げて・・・・・・。
だが、余と母の体はあまりにも大きすぎる。
だから、人間の社会に溶け込むべく、こうして人の形を取れるように・・・・・・。
母は、完璧に人間の姿となったが・・・・・・。
ふふ。余は、これが限界であった。
だから、あの日の夜・・・・・・ああ、今でもはっきりと覚えている。
母の元を去った。
きっと、母は人間の村でこれからも生きているだろう、いつか会えるだろうと思った。
・・・・・・私がこの洞窟を見つけて住処としてから、幾年かの月日が流れた。
すると、とある人間がここに入って来てな。
・・・・・・あいつと、父を手に掛けたやつと同じ鎧と剣だった。
そなたが身に着けている鎧。それがそうだ。
ふふ。だから実は、すぐにでも手放したかったが、余の力を以てしてもどうにもできなくてな。
・・・・・・実は感謝している。
そして、兜には・・・・・・母の鱗が使われていた。
・・・・・・気が付いたら、そいつの体は地面に転がっていて、あたり一面に血が広がっていた。
あぁ、余はもうとっくの昔に、一人になっていたんだ、と。
・・・・・・そなたは、かつてのように、人とドラゴンが共に生きていけると思うか?
こんな洞窟ではなく、日の当たる場所で、何の心配もなく生きることができると思うか?
・・・・・・いや、なんでもない。
む・・・・・・もう体を動かせるのではないか?
試しに立ってみよ。
・・・・・・おお。もう大丈夫そうではないか。
ふ。今日のところは引き分けにしておいてやろう。
では、また・・・・・・だな。
(歩く足音。2歩ほど)
あ、そ、その・・・・・・。
ほ、本当に、行ってしまうのか?
・・・・・・いや。何でもない。
引き留めて済まなかった。
その・・・・・・まだ、財宝は残っている。
だから、その・・・・・・。
いや、何でもない。
では、な。
(遠ざかる足音)
そうだ。人間の命は、とても短い。
だから・・・・・・余などとは・・・・・・。
・・・・・・いや。確か・・・・・・。
【別日、洞窟にて】
(洞窟の音)
(近づく裸足の足音。プールサイドの足音)
お・・・・・・そ、そなたは!
ふふ、待っていたぞ。
では、早速、始めるか?
今日は、余も全力で行かせてもらうぞ?
もし、余の体に傷をつけることができれば・・・・・・ここにある全ての財宝をやろう。
だがもし、そなたが膝を地面につけたら・・・・・・ふふ。
さぁ、始めるか。
フッ!
(重いキックの音)
ふふ。先手なぞやらぬぞ?全力だからな。
そなたも、全力でかかってくるのだな。
(鞘から剣を抜く音)
(剣を振る音)
く、今のは危なかったな。
が・・・・・・。
(重いパンチの音)
ほお、躱すか。
ふふ。相変わらず、そなたとの打ち合いは胸が躍る。
あぁ・・・・・・ずっとこうしていたい。(うっとりとした声音で言っていただけますと)
では、余も奥の手だ。
ゆくぞ?踏ん張れれば余に隙ができるかもしれぬな。
(パンチの風切り音、2回。)
(ズサーッと押し戻される音。)
流石だな。耐えるとはな。だが・・・・・・。
(強風の音)
ふふ。この距離だ。そうして吹き飛ばされるであろうな。
(衝突音)
あぁ・・・・・・膝を付いてしまったな。
(近づく足音。プールサイドの足音)
ふふふ。そなたの負けだ。
あの勢いで壁に叩きつけられたのだ。
息も満足にできぬだろう?
さぁ、この薬を飲め。
(ゴクリ、と飲む音)
・・・・・・ふふ。
どうだ?体が楽になったであろう?
ん・・・・・・上手く順応しているようだな。
そなたほど強い人間であれば、当然ではあるか。
・・・・・・どうした?そんな顔をして。
あぁ、さっきの薬の正体か?
ふふふ。
あれは、ドラゴンが飲めば強力な毒であるらしいのだが・・・・・・。
人が飲めば、ドラゴンのような皮膚とツメ、そして寿命が手に入る代物でな?
・・・・・・あいつ。あの人間の戦利品だったものだ。
いざという時には己に使うつもりだったんだろうが・・・・・・。
・・・・・・あのような人間に、死んだとはいえ頼ったというのは屈辱であるが。
ふふふ。
気づいたのだ。
人々が、完全にドラゴンの存在を忘れるまで待てばよいと。
だが、そなたは人間だ。いや、だった、か。直ぐに寿命で死んでしまう。
・・・・・・余は、もう一人は嫌だった。
この冷たい洞窟で、喋らず、輝くだけの金や銀と共にいるだけというのは、もう耐えれなかった。
それこそ、この毒を飲んで消えてしまおうと何度も思った・・・・・・。
だが、そなたがここに来て、何度も剣を交えるうちに。
人と暮らしていたころを思い出してしまった。
すごく、楽しかった。
そして、そなたと時に話し、そして剣を交え・・・・・・この先ももし、続くなら、そなたとずっと一緒にいたいと、思ってしまった。
だから、だから・・・・・・。
余は、間違ってない。間違ってなんて・・・・・・ない。
・・・・・・そう、だよね?(何歳か精神年齢を下げた声音でしていただけますと)
洞窟の暗がりで顔はよく見えぬが・・・・・・そなたも賛成してくれているのであろう?
ふふ。
そなたが傍にいてくれるのならば、この先、100年でも1000年でも、永遠に耐えられる。
だから、ずっと。
余の傍にいてくれるか?
(洞窟の音)
(近づく裸足の足音。プールサイドの足音)
ほぉ・・・・・・久しいな。ここに人間が来るのは。
大方予想は付くがな。
ふふ。余の財宝が目当てであろう?
・・・・・・なんだ?余の体をそんなに見て。
あぁ・・・・・・伝説に出る巨大なドラゴンでも、期待していたのか?
こうして、人間の姿を取っていた方が何かと便利でな。
本来の姿だと腹はスグには膨れぬ上、この洞窟だと少々窮屈ゆえな。
なにより、余よりもか弱く、容易くひねりつぶせる人間なぞ、この姿でも十分ゆえな。
ふふ。
このツメは、人間の肌を紙のように容易く引き裂けるし。
この羽で羽ばたけば、人間であればどんなに踏ん張ろうと吹き飛ばされるであろうな。
この尻尾も・・・・・・そんなに細い手足であれば、容易く骨をへし折る事もできるであろう。
ふふふ。
貴様も、余の財宝を欲して来たのだろう?
金や銀、古き時代に用いられた金貨や宝石。
そして、かつて人の英雄が使っていた剣や鎧。
あぁ、あの時、余を倒すと息巻いていた人間は・・・・・・ふふ、あっけなかったな。
精霊の加護・・・・・・妖精の加護だったか?そんな力があるらしいが・・・・・・。
どちらにせよ、余には無用の長物であるが。
ふふ。
欲しいのか?
余は、その財宝の噂を聞いて、不遜にも余の住処に忍びこんできた人間を、切り裂いてきた。
・・・・・・では、良いぞ?
どこからでも、掛かってくるがいい。
あぁ、だが。
すぐにダメにするのはつまらぬ。
この尻尾と羽は、使わずに相手をしてやろう。
ふふ。
さぁ、そのなまくらを早く抜いて、来るがよい。
(剣を抜く音)
(剣を振る音)
ほぉ・・・・・・はやいな。
ふふ。尻尾と羽を使っていないとはいえ、ここまで余の胸を躍らせるとは。
では、余も・・・・・・行かせてもらおう。
(重いキックの音)
ふふ。そうか、これを躱すか。
今までの人間であれば、これに当たって血を吐いていたであろうが・・・・・・。
ふふ。そうか。
久しぶりに少し本気を出すとしよう。
【戦闘後】
ほぉ・・・・・・ここまで、五体満足でいられる人間がいるとはな。
ふふふ。
この胸の高鳴り、簡単に終わらせるのはつまらぬな。
よし。ここで止めてやる。
そなたを壊すのは容易い・・・・・・が、それではつまらぬ。
永い時を生きてきたが、そなたのような人間は初めてだ。
たかが人間が、ここまで余と渡り合うとはな。
・・・・・・む、水滴か?いやこれは・・・・・・余は汗をかいてるのか?
・・・・・・大分、熱中してしまったらしい。
ふふ。
いいだろう、余の財宝を与えてやろう。
そうさな・・・・・・よし、これだ。
この鎧をやろう。
たしか・・・・・・伝説の金属の、オリ・・・・・・なんたらの鎧らしい。
そなたがこれを身に着ければ、余の一撃を受けたとしても、まだ余と打ち合えるであろう?
ふふ。
さぁ、身に着けてみよ。
・・・・・・ほぉ、似合うな。
ん?今、余は何と言った。
似合う、と言ったのか?
その鎧を身に着けたそなたに、それが似合っていると、そう言ったのか?
・・・・・・くだらん。(呟くようにいっていtだけますと)
たかが人間ごときに。
だが、これで少しは、余の攻撃に耐えられるようになったのだろうな。
ふふ。次が楽しみだ。
また、そなたが生きているうちにここへ来るならば。
いつでも相手をしてやるぞ?
ふふ、気長に待っているぞ?
【別日、洞窟にて】
(洞窟の音)
(近づく裸足の足音。プールサイドの足音)
む・・・・・・誰かと思えば、そなたか。
ふふ。そうか。
では、早速始めるとしよう。
今日は・・・・・・そうさな、この尻尾も使うとしよう。
鞭のように自在に操ることができるゆえ、前よりも周りを見ねば・・・・・・死ぬぞ?
(鞘から剣を抜く音)
ふふ。その目、前よりも輝いておるではないか。
あぁ、楽しみだ。
では、掛かってくるがよい。
(剣を振る音)
ふふ、鋭いな。その斬撃。
余が油断すれば、危うかったな。
では、余もいくとしよう。
フッ!
(重いキックの音)
ほお、流石に同じ攻撃は通じぬか。
では、これはどうだ?
(重いパンチ)
ふふ。どうだ?尻尾での一撃は。
あぁ、しまった。つい高ぶって床を抉ってしまったな。
今後気をつけねばな。
あぁ、でも。この胸の高鳴り。
ふふ。そなたとこうして打ち合っていると、全てが忘れられるな。
ふふふっ。どうした?さっきの尻尾の一撃で、腰を抜かしたか?
では、こちらから・・・・・・ハッ!
(重いパンチの音)
(バタン、と倒れる音)
【戦闘後】
・・・・・・む、目が覚めたか。(だんだんと意識が覚醒して声が大きくなっていくイメージをしていただけますと)
ふふ。どうした?そんな顔をして。
あぁ、体は動かさないほうが良いぞ。
そのまま、余の膝に、頭を預けていろ。
そなたの骨は、さっきの余の一撃で折れたらしい。
が、余の財宝に薬があってな?
どんな傷もたちまちに治るというものだ。
だが、効果が出るまでまだ時間がかかる。
だから、しばらくはこのままだ。分かったか?
ふふ。
やはり、人間の体というのは小さいな。
この体とはいえ、余の膝に収まるほどの頭の大きさとはな。
む、随分と細い腕だな。こんなのであんな剣を振っていたとはな。
ふふ、そうか。この腕が。
余を、あんなに高ぶらせた・・・・・・。
ふふ。
・・・・・・まだ、体の傷は癒えぬであろう?
ただの余の独り言だが・・・・・・耳に届いたのなら、勝手に聴いても構わぬ。
遠く昔。余が生まれた時は・・・・・・人間共と暮らしていた時もあった。
まだ小さかった余も、人間の子供とよく遊んだものだ。
時折、背中に乗られるのは不快であったが。
父と母は、よく人間を背に乗せて魔物退治に出かけていたゆえ、いつかは慣れねばと、思ったが。
だが、いつだったか。
ある日、名声を求める人間共が余達の住む村を襲った。
父は余と母を逃がそうと、その人間と戦った。
それから、逃げて、逃げて・・・・・・。
だが、余と母の体はあまりにも大きすぎる。
だから、人間の社会に溶け込むべく、こうして人の形を取れるように・・・・・・。
母は、完璧に人間の姿となったが・・・・・・。
ふふ。余は、これが限界であった。
だから、あの日の夜・・・・・・ああ、今でもはっきりと覚えている。
母の元を去った。
きっと、母は人間の村でこれからも生きているだろう、いつか会えるだろうと思った。
・・・・・・私がこの洞窟を見つけて住処としてから、幾年かの月日が流れた。
すると、とある人間がここに入って来てな。
・・・・・・あいつと、父を手に掛けたやつと同じ鎧と剣だった。
そなたが身に着けている鎧。それがそうだ。
ふふ。だから実は、すぐにでも手放したかったが、余の力を以てしてもどうにもできなくてな。
・・・・・・実は感謝している。
そして、兜には・・・・・・母の鱗が使われていた。
・・・・・・気が付いたら、そいつの体は地面に転がっていて、あたり一面に血が広がっていた。
あぁ、余はもうとっくの昔に、一人になっていたんだ、と。
・・・・・・そなたは、かつてのように、人とドラゴンが共に生きていけると思うか?
こんな洞窟ではなく、日の当たる場所で、何の心配もなく生きることができると思うか?
・・・・・・いや、なんでもない。
む・・・・・・もう体を動かせるのではないか?
試しに立ってみよ。
・・・・・・おお。もう大丈夫そうではないか。
ふ。今日のところは引き分けにしておいてやろう。
では、また・・・・・・だな。
(歩く足音。2歩ほど)
あ、そ、その・・・・・・。
ほ、本当に、行ってしまうのか?
・・・・・・いや。何でもない。
引き留めて済まなかった。
その・・・・・・まだ、財宝は残っている。
だから、その・・・・・・。
いや、何でもない。
では、な。
(遠ざかる足音)
そうだ。人間の命は、とても短い。
だから・・・・・・余などとは・・・・・・。
・・・・・・いや。確か・・・・・・。
【別日、洞窟にて】
(洞窟の音)
(近づく裸足の足音。プールサイドの足音)
お・・・・・・そ、そなたは!
ふふ、待っていたぞ。
では、早速、始めるか?
今日は、余も全力で行かせてもらうぞ?
もし、余の体に傷をつけることができれば・・・・・・ここにある全ての財宝をやろう。
だがもし、そなたが膝を地面につけたら・・・・・・ふふ。
さぁ、始めるか。
フッ!
(重いキックの音)
ふふ。先手なぞやらぬぞ?全力だからな。
そなたも、全力でかかってくるのだな。
(鞘から剣を抜く音)
(剣を振る音)
く、今のは危なかったな。
が・・・・・・。
(重いパンチの音)
ほお、躱すか。
ふふ。相変わらず、そなたとの打ち合いは胸が躍る。
あぁ・・・・・・ずっとこうしていたい。(うっとりとした声音で言っていただけますと)
では、余も奥の手だ。
ゆくぞ?踏ん張れれば余に隙ができるかもしれぬな。
(パンチの風切り音、2回。)
(ズサーッと押し戻される音。)
流石だな。耐えるとはな。だが・・・・・・。
(強風の音)
ふふ。この距離だ。そうして吹き飛ばされるであろうな。
(衝突音)
あぁ・・・・・・膝を付いてしまったな。
(近づく足音。プールサイドの足音)
ふふふ。そなたの負けだ。
あの勢いで壁に叩きつけられたのだ。
息も満足にできぬだろう?
さぁ、この薬を飲め。
(ゴクリ、と飲む音)
・・・・・・ふふ。
どうだ?体が楽になったであろう?
ん・・・・・・上手く順応しているようだな。
そなたほど強い人間であれば、当然ではあるか。
・・・・・・どうした?そんな顔をして。
あぁ、さっきの薬の正体か?
ふふふ。
あれは、ドラゴンが飲めば強力な毒であるらしいのだが・・・・・・。
人が飲めば、ドラゴンのような皮膚とツメ、そして寿命が手に入る代物でな?
・・・・・・あいつ。あの人間の戦利品だったものだ。
いざという時には己に使うつもりだったんだろうが・・・・・・。
・・・・・・あのような人間に、死んだとはいえ頼ったというのは屈辱であるが。
ふふふ。
気づいたのだ。
人々が、完全にドラゴンの存在を忘れるまで待てばよいと。
だが、そなたは人間だ。いや、だった、か。直ぐに寿命で死んでしまう。
・・・・・・余は、もう一人は嫌だった。
この冷たい洞窟で、喋らず、輝くだけの金や銀と共にいるだけというのは、もう耐えれなかった。
それこそ、この毒を飲んで消えてしまおうと何度も思った・・・・・・。
だが、そなたがここに来て、何度も剣を交えるうちに。
人と暮らしていたころを思い出してしまった。
すごく、楽しかった。
そして、そなたと時に話し、そして剣を交え・・・・・・この先ももし、続くなら、そなたとずっと一緒にいたいと、思ってしまった。
だから、だから・・・・・・。
余は、間違ってない。間違ってなんて・・・・・・ない。
・・・・・・そう、だよね?(何歳か精神年齢を下げた声音でしていただけますと)
洞窟の暗がりで顔はよく見えぬが・・・・・・そなたも賛成してくれているのであろう?
ふふ。
そなたが傍にいてくれるのならば、この先、100年でも1000年でも、永遠に耐えられる。
だから、ずっと。
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クレジット
ライター情報
いつも閲覧ありがとうございます(^^)/
趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。
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