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ヤンデレシスター
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
  • シスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3554文字(約 11分51秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
シスター
視聴者役柄
勇者
場所
指定なし
あらすじ
 あらすじは「ある日、一緒に旅をしていたシスターが指を切って・・・・・・」といった感じです。

 キャライメージは「勇者という存在に疑問を持ち始めたシスター」です。
本編
 ふぅ・・・・・・今ので最後ですね。

 これで、暫くは悪さをする魔物も出ないことでしょう。

 では、町へと帰りましょうか。

 (草むらを歩く足音)

 今日もお疲れ様です、勇者様。

 それと、そのぅ・・・・・・。

 また、助けられてしまいましたね。
  
 私が至らぬばかりに・・・・・・ごめんなさい。

 勇者様とこうして旅を続けて長いですがやはり、その。

 戦いというのはどうしても・・・・・・。

 あら?勇者様、足に傷が・・・・・・。

 お体、失礼しますね。

 む・・・・・・。(治癒の魔法を手からだしているイメージをしていただけますと)

 ん。これで大丈夫でしょう。

 ・・・・・・もしかして、今の傷ってさっき私を庇われたときに?

 いくら治癒の魔法が使えるとはいえ、これでは勇者様の足を引っ張るばかりですね。

 はぁ。(ため息)

 その、勇者様。

 一つお尋ねしたいことがあるのですが・・・・・・。

 その。ここだけの話にしてくださると助かります。

 ・・・・・・神に仕える身としては罰当たりな質問なのですが。

 どうして、勇者様一人がここまで頑張らないといけないのでしょうか。

 この世界を救うためとはいえ、なぜ、貴方がそれをたったひとりで背負わないといけないのでしょうか。

 ・・・・・・その服の下、いくつもの生傷が刻まれておりますよね。

 魔物のひっかき傷や、火傷の跡なども。

 それを見ると、私・・・・・・。

 あ・・・・・・街の明かりが見えてきましたね。

 その、明日も・・・・・・戦いになられるのですよね?

 私は、神に仕える身。

 ならば、世界を救う勇者様をお支えするのがお役目。

 ご迷惑を掛けてしまいますが・・・・・・明日も、頑張りましょう、勇者様。 
 
 【翌日、宿屋の一室にて】

 (スズメの鳴き声)

 あ・・・・・・勇者様、おはようございます。

 朝食、できていますよ。

 暖かいスープと、ふかふかのパンです。

 ふふ、いただきましょう?

 いただきます。 

 う・・・・・・痛たたっ。

 スプーンも持てないなんて。

 あ、えっと・・・・・・先ほど、考え事をしながら料理をしていましたら指を少々深く切ってしまいまして。

 その・・・・・・勇者様。

 言いづらいのですが、その。

 今日は魔物退治はお休みにしていただくことって可能ですか?

 実は、治癒の魔法は繊細な術でして、このように手に痛みを感じる状態ですと満足に扱えないかと思うのです。

 それに、治癒の魔法は自身には掛けることができず、自然治癒に委ねるほか無く・・・・・・。

 だから、その・・・・・・。

 その間、勇者様にはお体を労ってほしく、そのぅ・・・・・・。

 だめ、でしょうか?

 ・・・・・・本当ですか?あぁ、良かった。

 あ・・・・・・ごめんなさい、長々と。

 スープ、冷めてしまいますね。

 いただきましょうか。

 んむ、んむ。(咀嚼音)

 その、勇者様は雑貨に興味はおありですか?

 先日、この町を見て回っていたところ、とても可愛らしい小物を見つけましてですね?

 もしよろしければこの後、一緒にいきませんか?

  あ、もちろん、体に障るようなことはしません。

 ・・・・・・ふふ。ありがとうございます。

 【同日夕方、街中にて】

 (カラスの鳴き声)

 (歩く足音)

 あぁ・・・・・・こんなにゆっくりと過ごしたのは久しぶりですね。

 うふふっ。お昼ご飯をお店でゆっくりと食べるなんて、今まで無かったのではないでしょうか。

 思えば、今日まで魔物との闘いの日々でしたね。

 戦うたびに、勇者様のお体には傷が増えていって、返り血が付いて・・・・・・。

 私の治癒で傷は塞がっても、傷跡までは綺麗にできなくて。

 ・・・・・・ごめんなさい、暗い話をしてしまって。

 でも、今日はとても楽しかったです。

 それに、勇者様もとても楽しそうで・・・・・・。

 魔物と戦っているときの勇者様は、いつも辛そうでしたから。

 私が手を切ったばかりに魔物退治は足踏みをする事となってしまいましたが、今日一日、とても楽しかったです。

 ・・・・・・ふふ、そっか。(暗い笑みを浮かべているイメージをしていただけますと)

 では私、先に宿の部屋に戻っておりますね。
 
 おやすみなさい、勇者様。

 (掛ける足音)

 (扉を閉じる音)

 たしか、護身用の短剣がここに・・・・・・。

 あぁ、あった。

 (剣を抜く音)

 はぁっ、はぁ。

 でも、あの人はもっと、辛くて痛いはず。

 この程度・・・・・・。

 (ナイフを突き刺す音)

 【翌日の朝、宿屋にて】

 (スズメの鳴き声)

 おはようございます、勇者様。

 朝食、できていますよ。

 いただきましょう?

 うっ・・・・・・。(鋭い痛みが走ったイメージです)

 (鍵を落とすような音)

 あっ、スプーンが・・・・・・。

 ご、ごめんなさい。

 その、傷が悪化したらしく、昨日よりも痛みが強くなってしまい・・・・・・。

 ご心配をお掛けしてごめんなさい。

 新しいスプーン、持ってきますね?

 (遠ざかる足音)

 (近づく足音)

 では、改めまして・・・・・・。

 いただきます。

 ふぅ、ふぅ。(熱い物を覚ます吐息)

 んむ。(咀嚼音)

 ん・・・・・・。

 そういえば・・・・・・今朝、町の方に聞いたのですが。

 この町全てを見下ろせる丘があるみたいなのです。

 夕方に行くと、夕日とそれに照らされる街並みがとても綺麗だとか!

 一緒にいきませんか?

 ・・・・・・うふふ。嬉しいです。

 昨日に引き続き、私の我儘を聞いてくれてありがとうございます。

 あぁ、そうそう。

 今日のスープなのですが、町の方からおすすめされたお肉を入れているのですよ?

 お野菜も、新鮮なのをお安くしていただきまして。

 勇者様、とても美味しそうに食べて下さってたものだから、あの方にお礼を言わねばですね。

 うふふっ。

 【同日夕方、丘にて】

 (カラスの鳴き声)

 (掛ける足音)

 こっちです、勇者様!

 (歩く足音)

 わぁ・・・・・・。

 すごく、綺麗。

 見入ってしまいますね。

 旅の道中は、戦いで景色をこうしてゆっくりと眺めることも無かったですものね。

 あ、見てください、あそこに飛んでいる小鳥。

 うふふ、つがいでしょうか。とても嬉しそう。

 ・・・・・・その、勇者様?

 こういった、穏やかな日々って、どう思いますか?

 私は・・・・・・好きです。

 毎日、変わらない日々かもしれないけど、でもほんの少しの刺激があって。

 たまに、少しだけ遠出をして、今まで見たことのない景色を見て。

 それに・・・・・・なにより、大切な人が、傷つかなくて済む。

 勇者様は、その、えっと・・・・・・。 

 い、いえっ。なんでもありませんっ。

 あら・・・・・・もう、日が沈みますね。

 私はもう少しだけこの景色を眺めてから、宿に戻りますね。

 では、おやすみなさい、勇者様。

 (歩く足音)

 ・・・・・・崖になってる、ここ。

 私が大怪我を負ったら、あの人がもう苦しい思いをしなくて済むかしら。

 ・・・・・・なんて言うのだろう、あの人。

 世界を救うべく、一人でも旅を続けるのかな。

 それとも・・・・・・。

 でも、そうなったら、私も・・・・・・諦められる。

 ・・・・・・貴方は、私の我儘を許してくれますか?

 【翌日の朝、宿屋にて】
 
 (スズメの鳴き声)

 (掛ける足音)

 (ドアを開ける音)
 
 あ・・・・・・勇者様。

 ごめんなさい、こんな体となってしまって。

 景色に見とれていたら、その・・・・・・崖になってまして。

 手は動くのですが・・・・・・足の感覚が全くないのです。

 ふふ。こんな体じゃもう、旅なんて無理ですね。

 ・・・・・・勇者様。

 私、あの日、貴方にお会いした時から。

 ずっと、お慕いしておりました。

 でも、戦いに明け暮れる貴方は、辛そうで、苦しそうで。

 ですが、世界を救うという宿命を背負った勇者様には、それをやめることが許されなくて。

 私、怖かったのです。

 いつか、貴方が遠くに行ってしまいそうで。

 この思いを告げたら、貴方を失うのが一層怖くなりそうで。

 だから・・・・・・。

 ここで、もう止めませんか? 
 
 世界を救う事を。

 この町で毎日、朝食を食べ、夕日を見ませんか?

 ・・・・・・それともやはり、勇者様は・・・・・・旅を続けるのでしょうか?

 この先ずっと、一人で戦い続けるのですか?

 ・・・・・・い、いいのですか?本当ですか?

 あぁ、良かった。本当に。

 本当に・・・・・・良かった・・・・・・。

 その、こちらへ来てもらってもいいですか?

 (肌の擦れ合う音)

 あぁ・・・・・・暖かい。

 こうして抱きしめるのも、手を繋ぐのも・・・・・・もう、我慢しなくてもいいのですね。

 それでは、改めて・・・・・・。

 これから、よろしくお願いしますね?

 あなた。 
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレシスター
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
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