0
ヤンデレな献身的な妹【ファンタジー】
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3773文字(約 12分35秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
視聴者役柄
場所
指定なし
あらすじ
 あらすじは「兄に献身的な妹が、ある出来事をきっかけに変わってしまい・・・・・・」といった感じです。

 キャライメージは「兄が世界の中心な妹」です。
本編
 【ある日、暗い室内にて】

 あ・・・・・・に、兄さん?兄さんっ!

 あぁ、良かったぁ。やっと目を覚ましたんだね。

 本当に、良かった。

 あ、体は大丈夫?

 兄さん、私を魔物から庇って怪我を負ったでしょ?

 その、背中におっきい傷ができててね?

 ごめんね?私の魔法じゃ綺麗に治せなくて。傷跡までは無理で・・・・・・。

 あ、いいよいいよっ!無理に体、起こさないで?
 
 兄さん、ずっと気を失っていたんだもん。まだ上手く体が動かないかもだし。

 えへへ。良かったぁ・・・・・・。

 あっ、お腹空いたよね?

 すぐにご飯、作ってくるね?

 その・・・・・・ごめんね?今、塩漬けにしたお魚くらいしかないの。

 明日、町に行って食べ物を買ってくるから、今日はそれでもいい、かな?

 ・・・・・・へへ。やっぱり、兄さんは兄さんだね。

 ありがとう。

 でも、せっかく兄さんの目が覚めたんだもん!出来る限り、美味しいごはんにするからね?

 じゃあ私、ご飯。作ってくるね?

 えへへ。久しぶりだから、上手く作れるかなぁ。

 【翌日。部屋にて。】

 (スズメの鳴き声)

 おはよう、兄さん。

 ご飯、できてるよ。

 私はこれから、町に行って食べ物を買ってくるね?

 あ、私は大丈夫。もう食べたから。

 えへへ。今日はいつもよりもすごく早く目が覚めちゃってね?

 兄さんが好きだった食べ物を思い出して、どれを買ってくるかを考えて、それから・・・・・・えへへ。

 私、今日のこの日が、すっごく楽しみだったんだなぁ、って。

 じゃあ、行ってくるね?

 あ・・・・・・あの、ね?頭を撫でて貰ってもいい?

 (肌の擦れ合う音)

 へへ。ありがとう。

 じゃあ、行ってくるね?

 【数時間後、同場所。】

 (扉の開く音)

 ただいま。

 お腹空いたよね?すぐお昼にしよ?

 (野菜を切る音)

 ん。こんな感じかな?

 次は、お肉と、オリーブオイルと・・・・・・あれ?

 あっ、忘れちゃったんだ。

 ごめん兄さん、玄関に私のカバンがあるから、その中からオリーブオイル・・・・・・黄色の瓶を取ってきて貰ってもいい?

 (歩く足音)

 あ、鞄の中に紙の束があると思うんだけど、それは見ないでね?

 (歩く足音)

 (鞘を持つ音)

 (紙を広げる音)

 【以降、日記を覗き見るというシチュエーションです。】

 春の月。晴れ。

 今日はお隣さんの畑の種植えを手伝った。夕方まで手伝って一通りの仕事が終わると、昨日狩りに行って獲ったってお肉を分けて貰った!
 その日の夕ご飯はちょっと豪華に、お肉たっぷりのスープにした!
 兄さんったら、すごく嬉しかったのかがっついちゃって、口を火傷しちゃったんだっけ。
 えへへ。嬉しいなぁ。

 (ページをめくる音)

 夏の月。暑い晴れ。

 今日は兄さんと村の人何人かで、王国の城下町に出かけた。目的の農具と狩りの罠が早くに手に入ったから、すこしゆっくりしてから村に帰った。
 それで、いつも城下町に来たときに寄っている、大きな図書館に行った。いつみても沢山の本があって、全部を読もうとしたら一体私、何歳になるのかな、なんて考えちゃった。
 兄さん、いつも付き合ってくれてありがとう。すごく嬉しかったよ。
 でも、図書館を管理している人から、一回だけ叱られちゃった。
 なんでも、普通の人が見ちゃいけない本もここにはあるらしかった。
 その人の話によると、死んだ人を蘇らせる方法とか、人に呪いをかける方法が書かれた本もあるらしい。
 魔法には興味があるけど・・・・・・呪いや蘇らせるって。そんな呪文もあるんだ。

 (ページをめくる音)

 秋の月。少し寒い晴れ。

 今日は待ちに待った収穫の日だ!皆で育てた作物を収穫して、その日だけは村の皆で思い切り、満足するまでご飯を食べた。
 酔っぱらった人が私にお酒を進めてきたけど、兄さんが止めてくれた。
 いつか、私も大人になったら、兄さんとお酒を飲みたいな。
 その日がすごく、待ち遠しいなぁ。 

 (ページをめくる音)

 冬の月。

 今日は兄さんと・・・・・・そうだ、久しぶりに雪が降ったから、森にキノコ狩りついでに雪を見に行ったんだっけ。
 小さいころに見た、大きな滝と雪との綺麗な景色がわすれられなくて、私が我儘を言ったんだっけ。
 そしたら、大きな魔物が表れて。兄さんが、私を庇って・・・・・・。傷は直ぐふさいだけど、血が沢山流れて。兄さんは目を覚ましてくれなくて。
 ちょっと、疲れて寝ちゃってるだけだよね?明日には目を覚ますよね?
 
 (ページをめくる音)

 冬の月。多分曇り。

 いつもなら朝ごはんの匂いで目を覚ますはずなのに、兄さんは夕方になっても目を覚まさない。
 冬眠・・・・・・ってやつかな?熊もウサギも、冬には長い眠りにつくみたいだし。きっとそうだ。
 夜、太陽の光が消えたころに、村長が家にやってきた。
 兄さんをとむらってあげよう、って。
 何を言っているのか、理解できなかった。
 兄さんは、ただ眠っているだけなのに。こんなに冷たいのも、冬の寒さのせいなのに。
 明日の朝、この村を出て、兄さんと二人きりで暮らそう。
 兄さんの事を理解してくれない人達と一緒に居るなんて、耐えきれなかった。
 兄さん、ごめんね。

 (ページを早くめくる音)

 春の月。

 春になっても、兄さんの体は冷たいままだった。
 兄さん、兄さん・・・・・・。なんで、あの時私なんて庇ったの?
 兄さんがいない世界で、私、どう生きていけばいいの?
 寂しいよ。
 あの時に、私も、一緒に・・・・・・。
 そうだ、そういえば。あの図書館。思い出した。
 明日の朝、すぐにいこう。

 (ページをめくる音)

 春の月。

 どうしよう、どうしよう。
 私、こっそり本を持ち出そうとしたら、あの人に見つかったから・・・・・・つい、咄嗟に魔法を使っちゃったから・・・・・・っ!
 気持ち悪い。お腹が、むかむかする。
 私、許されないことをしちゃった。
 きっと私、地獄に落ちるんだ・・・・・・。
 でも、私。兄さんとまた話したくて、もう一度、頭を撫でて欲しくて・・・・・・。
 ううん。どんな言い訳でも・・・・・・私・・・・・・。
 
 本の中身を見てみると、人の死体をアンデッドにして蘇らせる方法や、魂を無理やりこの世に縛り付ける方法について書かれていた。
 読み進めていくと、ようやくあった。死んでしまった人を、蘇らせる方法が。
 1000人の魂が必要って書いてあった。それと、早く生き返らせないと、その人の記憶が徐々に失われていくという事。
 あれを、あと、そんなに・・・・・・?

 (ページをめくる音)
 
 春の月。12人。

 町の人が困ってるって言う、山賊を手に掛けた。最後の顔が、目を閉じると浮かんできてしまう。
 でも、皆に感謝された。お金も手に入ったので、それは兄さんが目を覚ました時の為に貯めておくことにした。
 
 (ページをめくる音)

 夏の月。40人。

 この間倒した山賊の復讐だといって、この間よりもかなりの数に襲われた。
 ちゃんと数えていたから40人で間違いない。
 服から血の匂いが取れない。手から血の匂いがする。

 (ページを早くめくる音)
 
 秋の月。113人。

 山賊達が住処にしているという村の話を聞いたので、そこに向かった。
 私を見て皆襲ってきたけど、その中には女の人もいたし、私と同じくらいの歳の子もいた。
 でも、山賊なんだ。だから・・・・・・。
 その後、村を見てみると、親子の日記を見つけた。楽しそうな日記だった。
 そっか、山賊でも、私たちと同じ人間なんだ。
 嫌・・・・・・嫌だよ。もうこんなこと、したくないよ。
 でも、ここで止めたら、兄さんは・・・・・・。

 (ページをめくる音)

 冬の月。52人。

 (ページをめくる音)

 121人。

 (ページをめくる音)

 89人。

(ページを早くめくる音)

 多分、春の月。すごくいい天気。

 兄さんが目を覚ましてくれた!
 すごく、嬉しい。私の事をもしかしたら忘れちゃってるかもだけど、でも、目を覚ましてくれたんだもん!
 思い出なんて、これから作って行けばいいもの!
 どこにいこうかなぁ・・・・・・えへへ。
 
(ページをめくる音)

 春の月。すごくいいてん・・・・・・

 【日誌から実際の声に戻る。】

 兄さん?鞄の場所、分からなかった?(後ろから聞こえるイメージをしていただけますと)

 あ・・・・・・そっか。それ、見たんだ。

 ・・・・・・私ね?

 すごく、寂しかった。

 でも、私。許されないことをしたから。

 人を、あんなに・・・・・・。

 兄さんに、最後まで隠すかどうか、ずっと考えていたの。

 でも、でもね?

 もう死んじゃった人に、もう一回。ううん、前みたいに手を繋いだり、頭を撫でてもらいたいって思うのって、ダメな事なのかなぁ・・・・・・。

 私、私・・・・・・。

 兄さんと一緒にいれるなら、地獄に落ちてもいいの。

 兄さんの笑顔がまた見れるなら、どんなことでもできたの。

 でも、兄さんは・・・・・・どう思ってるのか、本当は怖かった。

 こうして生き返って、私の事をどう思ってるのかな、って。

 ・・・・・・ねぇ、兄さん。(以降、涙声で言っていただけますと)

 私、すごく、いけないことをしたの。でも、でもね?

 兄さんにだけは・・・・・・許してもらいたいの。

 ねぇ、兄さん。

 私の事、許してくれる?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレな献身的な妹【ファンタジー】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
 顔アイコンはTTIさん「@tti_design」の絵を拝借しております。

 夢は1個800円の卵を毎日2個食べられる暮らしです。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
一ノ清 カズスケ の投稿台本(最大10件)