内容としては「人間を小馬鹿にしているハーピーに突然、頭を小突かれて･･････」となっております。

　キャライメージとしては「不器用で孤独なメスガキハーピーちゃん」です。

　【昼、舗装された街道にて】

　（芝生を歩く音）

　（羽ばたきの音）

　えいっ！

　（後頭部を小突く音。大きい音なのでお好みで）

　あははっ、ばーか！

　やっぱり人間ってバカだねぇー！

　まさか上から頭をコツンってされるなんて思わなかったんだ？

　人間って私たちと違って、翼が無いもんねぇ？

　だから、そんな事にも気が付かなかったんだねー？

　ぷぷ。かわいそー。

　ん？あれー？人間のおにーさん。どうしたの、そんな顔してー？

　あ、もしかして痛かったー？

　わー。よわよわだねぇ？さっき私、１０分の１くらいの力だったんだよー？

　それなのに、そんなに痛かったのー？

　ぷぷっ。ざーこ。私が本気出しちゃったら、おにーさんどーなっちゃうのかなー？

　んー？スンスン（鼻を鳴らす）

　むー･･････おにーさん、何も食べ物持っていないじゃん。

　なぁんだ。襲って損したー。

　あ、でもでも。気が向いたらまた頭、コツンってしてあげるねー？

　ぷぷ。あの時のおにーさんのびっくりした顔、面白かったなー。

　わー、何その顔ー？こわーい！

　まー、空を飛べないおにーさんじゃ、私にはさわれもしないけどねー。

　悔しいなら空を飛んでみてよー。あははっ！

　じゃ、またねーっ！

　【別日、同じ街道みて】

　（芝生を歩く音）

　あ、あれー？どーしたの、おにーさん。あ、もしかして私に会いたくなっちゃったのー？（少し焦りを感じている声音をイメージしていただけますと）

　今私、怪我し･･････飛ぶのを休憩して、こうして座ってるだけだよー？

　でも、丁度今休憩が終わって飛ぶところなんだー。

　だから、今日もおにーさんは私にさわれないんだよー？

　ぷぷ、かわいそー。

　じゃあね、おにーさん！

　（羽ばたく音）

　うっ･･････。

　（倒れる音）

　痛たたっ。

　足が･･････これじゃあ･･････。

　（芝生を歩く音）

　あ･･････あれー？おにーさん、そんな顔をしてどうしたのー？

　私、何されちゃうだろー？こわーいっ！

　（芝生を歩く音）

　ひっ･･････。

　ね、ねぇお兄さん。布を手に持ったりしてどうしたの？

　わ、分かった。今までの事は謝るから！

　頭をたたいたり、おにーさんに生意気なことを言った事も謝るからっ！

　だから、こっちに来ないでっ！

　（布の擦れる音）

　え･･････？足に布が･･････。

　もしかしておにーさん。手当してくれたの？

　なんで、してくれたの？

　私、今までヒドい事してきたでしょ？

　私、おにーさん達人間の事を馬鹿にしてたんだよ？それなのに、なんで手当してくれたの？

　･･････とりあえず、ありがと。

　この傷ね？他の人間にやられたの。

　おにーさんと同じように頭をたたいて、その隙に食べ物をとろうとしたんだけどね？

　おにーさんよりも弱そうだな、って思ってたら、その人･･････すぐに剣を鞘から抜いて私に斬りかかって来て、足を攻撃されちゃって。

　それで、沢山血が出てボーっとしてきたところに、おにーさんがやってきたの。

　･･････私、ハーピィの中でも体が小さくてね？他の子はすごく狩りが上手で、高い所まで飛べるから果物なんかも沢山獲れて。

　でも、私はどっちも苦手でね？こうして道を通りかかる人間を襲って、食べ物を取っていたんだぁ。

　おにーさん。他の人間と比べて、すごく強そうだったから。沢山食べ物持ってると思ってね？

　（お腹の鳴る音）
　　　
　う･･････。お腹空いたぁ。

　ね、ねぇ。おにーさん？手当てしてもらった後なんだけど･･････。

　何か、食べ物って持ってる？

　すんすん。（鼻を鳴らす）

　あっ、小麦のいい匂いがするっ！パンかなぁ。

　ねぇねぇ、お願い！ちょっとだけ頂戴！

　･･････だめ？

　（数秒間を開けてください）

　あっ･･････ありがとっ！えへへっ。

　んぐ、んぐ。（咀嚼音）

　美味しいよぉ･･････。

　ねぇ、おにーさん･･････そのぅ。

　もしかしておにーさん。私に最初、頭をコツンってされた時って。

　私に攻撃できるのに、あえてしなかったの？

　ど、どうなの？

　･･････ううん。やっぱりなんでもないっ！えへへっ。

　そうだっ！おにーさんがただノロマだったってだけだよねー？

　ぷぷ。かわいそー。

　そんなおにーさんと話してくれるハーピィなんて私くらいだねー。

　良かったねー、私がいてっ！

　（数秒間を開けてください）

　その、さ。

　ところで･･････おにーさんってさ。

　そのぅ。人間と魔物が恋人同士になるのってどう思う？

　あっ、えっとね？私の友達に、人魚の子がいてね？その子が人間の男の子が好きみたいでね？相談されたの！

　でも、私も魔物でしょ？だから、おにーさんの意見も聞きたくて！

　私はね？人間でも魔物でも、その人の事が好きなら、どっちかなんて関係ない、と思う。

　それで･･････どう思う？

　変かな？それともいいと思う？

　･･････そっか。そっかそっか！

　うん。人魚の子もきっと、おにーさんの答えを聞いたらとっても勇気が出ると思う！

　ありがと、おにーさん。

　（数秒間を開けてください）

　それじゃあ･･････私、もう行くね？

　足の傷も痛くなくなったし、巣に戻れそう。

　ありがとね。

　（羽ばたく音）

　じゃあね、おにーさん！

　また、次会うときは、ね？
　
　【別日、街道にて】

　（芝生を歩く音）

　えいっ！

　ぷぷ。相変わらずおにーさんってば動きがおそーいっ！

　よわよわだねー？

　あ、見てみてー？足、もうすっかり痛くなくなったんだー！

　今だとこーんなに動かしても平気だよっ！えへへっ。

　（数秒間を開けてください）

　その、ね？おにーさん。今日はね？

　（深呼吸）

　今日はね、おにーさんに渡したい物があるの。

　はい、これ！

　これはね、５０年に１度咲くお花でね？

　私たちハーピィは生まれた時にこの花の種を植えて、育てる決まりがあるの。

　それがついこの間、咲いたの！

　どお？すっごく綺麗でしょ？

　えへへ。

　（数秒間を開けてください）

　その･･････それで、ね？

　受け取ってくれる？

　おにーさんに受け取って貰いたいの。

　あ･･････め、迷惑だった？

　それに、気持ち悪いよね･･････魔物からの贈り物って。

　（数秒間を開けてください）

　え･･････う、受け取ってくれるの？

　本当？本当に本当？

　えへへ、やったぁ。

　じゃあ、早速いこっ！おにーさんの肩掴むね！

　（羽ばたく音）

　どお？びっくりした？

　あ、暴れちゃダメだよ？練習はしたけど、もしかしたらって事もあるもん。

　私ね、生まれた時からずっと体が小さい事が嫌でね？狩りも下手だし、高く飛べないし。

　それで、周りにバカにされないように、生意気な事言っちゃって。

　このまま、一人で死んじゃうのかなぁ、って実は思ってたの。

　でも、おにーさんと出会えてね？

　気が付いたら、次はいつ、おにーさんと会おうかって考えてたの。

　えへへ。

　（羽ばたく音）

　ん。着いたっ！

　ここが、今日から私たちが暮らす巣だよ！

　見てみて！沢山狩りを頑張って、おっきな鹿も仕留めたんだよー！

　あとね？巣から溢れちゃいそうなくらい、果物も持ってきたの！

　おにーさんに断れちゃったら無駄になるって分かっていたんだけど、こんなに取ってきちゃった。あはは。

　（数秒間を開けてください）

　ん？おにーさん。

　きょとんとしてどうしたの？

　おにーさんと私は今日からずっと、ここで二人で暮らすんだよ？

　あ、子供が出来たら３人だけど。えへへっ。

　･･････ねぇ、手にさっきの花を持ってどうしたの？

　私、おにーさんの事が好きで、一緒に居たくて、それを渡したんだよ？

　わ、私。パパとママから教えてもらった通りにお花を育てて、大好きな人ができたら渡しなさいって教えられて。その通りにして。

　おにーさんいつもの、つい甘えたくなっちゃう顔で受け取ってくれたから、私、すごく嬉しくて･･････。

　で、でも。どうして、おにーさん、戸惑った顔をしてるの･･････？

　嫌だ･･････嫌だよぅ･･････。

　また、パパやママ、皆みたいに、おにーさんも居なくなっちゃうの？もう嫌だよぉ･･････。

　お願い･･････お兄さん。

　ここで一緒に暮らそう？

　私と、ずっと一緒に居てよぉ･･････。　

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレハーピー【メスガキ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清　カズスケ