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ヤンデレ錬金術師
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
5865文字(約 19分33秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
錬金術師
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 内容としては「錬金術を勉強したくて、有名な錬金術師の元へ尋ねて・・・・・・」となっております。

 キャライメージとしては「一人で背負いすぎた、ネガティブ錬金術師」です。
本編
 【とある家の前にて】

 (ドアをノックする音)

 (ドアが開く音)

 はい。

 あら?今日はまだご予約がありましたっけ?

 薬をお買い求めに?

 んー・・・・・・回復薬も魔法薬も、もう切らしていますし。

 それにここは、事前にお客様から要望を聞いて、それにぴったりの薬や道具をお出ししておりまして。

 ご予約をしていないご様子ですし・・・・・・。

 日を改めて・・・・・・。

 ん?よく見たらその恰好。もしかして貴方、錬金術に興味があるのですか?

 と、いう事は・・・・・・なるほど。私の噂を聞いてここに来たのですね?

 あぁ・・・・・・わかりました。こう言う事ですね?

 つまり、私に弟子入りしたいという訳ですか。

 あいにくですが・・・・・・弟子など取ったことが無く、必要も感じておらず・・・・・・。

 (数秒間を開けてください)

 ですが、実は丁度、人手が欲しいと思っていたところだったのです。

 雑用からなんでもしてくれる、という事でしたら。

 いいですよ?私の弟子にしてあげます。

 では・・・・・・それでもいいと思いましたら、明日の朝、またここに来てください。

 【翌日の朝。】

 (ドアをノックする音)

 (扉を開く音)

 まぁ、来たのですか。

 それでは、貴方を私の弟子にしてあげます。

 早速中に入ってくれますか?

 (扉を閉じる音)

 まず、このカゴを持て。

 (紙を広げる音)

 じゃあ次、これを見ろ。

 これだ。赤い丸で囲んであるとこ。

 違う、そっちじゃない。

 この、先が分かれた緑色の植物だ。

 これを・・・・・・そうだな。10個あれば足りるか。

 で、次。

 (ページを素早くめくる音)

 これとこれと、あと・・・・・・。

 (ページをめくる音)

 これ。全部切らしてるんだ。それぞれ5個な。さっさと取ってこい。

 町から少し歩いた所に森があるから。そこで全部とれるはずだ。

 あぁ、この植物は葉っぱに皮膚をかぶれさせる液体を出すから、茎を掴め。

 ・・・・・・なんだ、その顔。

 お前は客じゃないし、別に丁寧に話す必要もないだろ?

 別に私としては、お前が居なくても自分でやったり使い魔に指示すればいいんだぞ?

 私の弟子、やめるか?

 あぁ、そうそう。しなびやすい物もあるから、昼飯前には絶対戻ってこい。

 ほら、さっさと行ってこい!

 【同日、家の前にて】

 (ドアをノックする音)

 はぁい、品物ならもう・・・・・・。

 なんだ、お前か。

 ほら、中に入れ。

 (ドアを閉じる音)

 さっさとそのカゴを渡せ。

 (数秒間間を開けていただけますと)

 ふむ・・・・・・よし。ちゃんと揃ってるな。

 泥がついていたり、小さいのもあるが・・・・・・初めてにしては良い方だろう。

 なんだ。お前、見かけによらずちゃんとできるんだな。

 数が揃って無かったり、昼過ぎに戻ったら、テキトーな理由を付けて弟子をやめさせるつもりだったが・・・・・・。

 ふふ。そうか。

 いいだろう。改めてお前を、弟子にしてやる。

 (数秒間間を開けてください)

 ところで・・・・・・腹は減ってるか?

 ほら、金貨だ。

 一応、指示通りの物は取ってきたからな。

 これで何かを買って、腹を満たしてこい。

 明日もまたコキ使ってやるから、ちゃんと来るんだぞ?弟子。

 【別日、家の前にて】

 (ドアをノックする音)

 (ドアを開く音)

 おはよう弟子。待ってたぞ。

 ほら、早速中に入れ。

 (ドアを閉じる音)

 いい加減、森に植物や虫を取りに行くのは飽きただろ?

 今日は回復薬の材料に余裕があるから、それの作り方を教えてやる。

 ほら。私の気が変わらないうちに、こっちに来い。

 (歩く足音)

 よし。まず絶対に覚えておいて欲しい事が一つある。

 手に何もついてないか確認するんだ。

 薬の中には、わずかな水が混じると効果が変わったり、中には爆発するものもある。

 だから、手が湿っていたり泥がついてはいないか。しっかり見るんだ。

 今の様子なら、大丈夫だけどな。

 で、最初はここに火をつけるんだ。

 腕、掴むぞ。

 ・・・・・・大きいな、手。

 あ、いや。なんでもない。

 え、っと。なんだったか。

 あぁ、火の付け方だったな。
 ここは、まず最初にここを下に倒して・・・・・・(徐々にフェードアウトしていくイメージをしていただけますと)

 【同日、昼頃】

 よし。こんなもんだろう。

 上手くできたな。

 まだ私の薬には及ばないだろうが、ちゃんとした効果があるはずだ。

 その薬は作ったお前のものだ。売るなり使うなり好きにしろ。

 なんだ、その・・・・・・。

 教えるって、初めてなものでな。

 ふふ。案外、楽しいな。

 弟子のお前が、私の言う事を聞いてくれるからか?

 この調子なら、私とお前でここを切り盛りする、というのもいいかもな。

 いや、流石に早いか。

 ・・・・・・お、おい弟子!あまり調子に乗るんじゃないっ!(いくらか照れたイメージをしていただけますと)

 ったく。

 (数秒間を開けてください)

 ところで、弟子。腹は減ってないか?

 もう昼頃だろう。たまには私と一緒にどうだ?

 料理は苦手だから・・・・・・外で買った物だがな。

 どうだ?

 (数秒間を開けてください)

 よし。そうか。

 じゃあ、早速買ってくるから待ってろ。

 あ・・・・・・そこの薬には触るなよ。危ないからな。

 【30分後程、家の中にて】

 (ドアを開ける音)

 帰ったぞ。

 どうだ?旨そうだろ?

 パンの間に肉とレタスを挟んだだけなんだが、この手軽さが癖になってな。

 あ、勿論味も旨いぞ。

 さ、食べようか。

 いただきます。

 (紙の包みを広げる音)

 んぐ、んぐ。(咀嚼音)

 む。美味いな。

 忙しいとよく食事をとるのを忘れるんだが・・・・・・それに、誰かと一緒になんて久しぶりでな。

 たまにはこういうのもいいな。

 ところで弟子。なんでお前は錬金術に興味があるんだ?

 はっきり言って、地味だろ?錬金術って。

 炎を出せたり氷を出せるようになるわけでない。魔物を倒したりなんかもできない。

 長年、錬金術を研究しているが、そういうのとは一番遠いぞ。

 材料を採ってきて、作業台とにらみ合って、一日中家から出れずに。

 そのくせ、中には使い方を間違えれば大怪我を負うときもある。

 私も、過去に何度も爆発を起こして、その度に死にかけたからな。

 ま、どんな理由でもいい。

 お前は見込みがある。師匠として、誇らしいぞ。

 ふふ。お前となら、解き明かせるかもしれないな。

 なあ弟子。賢者の石って知っているか?

 一言でいえば、人間を不老不死にできるほどのすごい代物だ。

 昔は実在したみたいなんだが、今はその作り方が全くの謎でな。

 私たち錬金術師が一度は作ってみたいと思うんだが、そのせいで、手探りでするしかない。

 人を不老不死にする程なんだ。何か大きい力が必要だと思うんだが・・・・・・。

 (数秒間を開けてください)

 そういえば、お前にばかり尋ねるのは不公平だな。

 私が錬金術師になった理由を教えてやる。

 まぁ、よくある話で面白くないと思うけどな。

 私が物心のついた頃だったか。父が兵士として家を空けている時。

 母が、病気になってな。

 その時は錬金術師が少なかったから、薬がすごく高かった。

 私の家は貧乏ではなかったが、そんな金は無かった。

 だから、母は・・・・・・。

 それから私は、錬金術師になろうと心に決めた。

 薬をたくさん作って、一人でも多くの人を救いたい。

 だが、錬金術師は未だに少ないんだ。

 だから、不老不死になって。これから先ずっと薬を作り続けて、一人でも多く、救いたいんだ。

 そして、わざわざ予約なんてせずとも、誰にでも薬を売れるようになりたい。

 悔しいが、一日じゃ作れる数に限りがあってな。偶然訪れた人を追い返すのは・・・・・・気が病むんだ。

 だから、私は・・・・・・。

 ふふ。なんでだろうな。

 お前の前じゃつい喋ってしまうな。

 そうだった。人と話すのって、こんなに楽しかったな。

 錬金術を勉強している間、他の奴からずっとバカにされて。

 薬なんて地味だ。何をしているのか分からない。魔物を倒す方がよっぽど有意義だ・・・・・・色々言われた。

 それで、いつからか周りの人間を信じられなくなって。

 あの日、お前がここに来た時も・・・・・・どうせ私をバカにしにきたんだろう、と思った。

 だが、まぁ、その・・・・・・。(恥ずかしそうに言っていただけますと)

 お前の真剣な気持ちは、伝わった。

 私としてもお前と一緒にいるのは苦しくないからな。

 ふふ。

 (ドアをノックする音)

 む?あ、そうだった。

 昼過ぎに客がくるんだったな。

 じゃあ、今日はここまでだ。

 で、明日なんだが・・・・・・。

 そうだ。明日は一緒に森に行こうか。

 丁度今の時期は珍しい植物がが生えていてな。

 だが、取り方にコツがあってな。間違えるとすぐダメになってしまうんだ。

 時間がかかるだろうから、昼飯を用意しておいてやる。みっちり教えてやるからな?

 ふふ。楽しみに待っていろ。 

 【翌日、家の前にて】

 (ドアをノックする音)

 (ドアを開く音)

 おっ、来たか弟子!おはよう。

 あぁ・・・・・・その。どうだ?私、変な恰好じゃないか?

 その。大丈夫か?

 (数秒間を開けてください)

 そっ、そうか!良かった。

 っと、忘れる所だった。

 ほら。いい匂いがするだろう?

 味は・・・・・・保証できなくて悪いが、作業しながらでも食べられる物を作ったんだ。

 一区切り付いたら一緒に食べようか。

 ふふ。

 じゃあ、いこうか。

 (歩く足音)

 あぁ。いい天気だな。

 町の道って、二人で歩くと結構狭いんだな。 

 (近づく歩く足音)

 はい?どちら様ですか?

 まぁ。この方の?へぇ・・・・・・。

 (遠ざかる足音)

 おい弟子。さっきの女・・・・・・誰だ?

 いや。誰でもいい。

 随分と仲が良いんだな?

 私の弟子だというのに、随分と余裕なんだな?

 そうか。錬金術など、片手間でできると。そう言う事か?

 (数秒間を開けてください)

 まぁいい。さっさと行くぞ。

 【数分後、森の中にて】

 (茂みを歩く音)

 おい、見つけたぞ。こっちに来い。

 (茂みを歩く音)

 これだ。少し光っているだろ?

 (数秒間を開けてください)

 あ、あぁ。取り方だったな。すまない、ぼーっとしていた。

 この光ってるところには触れないようにして、捻じるようにして引っこ抜くんだ。

 (数秒間を開けてください)

 ん?あ、あぁ。いいぞ、それで合っている。

 はぁ。(ため息)

 ん。いや、何でもない。気にするな。

 じゃあ、次は・・・・・・。

 その前に、質問していいか?

 お前は、私の事をどう思っているんだ?

 さっき町の中で、あの女に笑いかけていたのをみてな。

 その。お前は私と居る時、そういう顔はしたことないな、と思ってな。

 やはり、私とは師匠と弟子の関係だからか?

 私は・・・・・・お前の事が、弟子として好きであると共に。

 久しぶりに人の暖かさや優しさを思い出させてくれたお前を・・・・・・。

 いや。何でもない。

 あぁ。やはり、私は、お前の事が・・・・・・。(小声をイメージをしていただけますと)

 その心が手に入らないなら、いっそのこと・・・・・・。(小声をイメージをしていただけますと)

 (数秒間を開けてください)

 すまない。今日はこれで帰るとしようか。

 それと、もう私の家には来なくてもいい。

 お前ほどの実力なら、一流とは及ばずとも錬金術師を名乗っても名前負けしないはずだ。

 それに、これはお前の為でもある。

 いいか?もうあの扉をノックしないでくれ。

 これ以上、お前を見ているのが、辛いんだ。

 では、な。

 【翌日、扉の前にて】

 (ドアをノックする音)

 (ドアを開く音)

 弟子・・・・・・そうか。来たのか。

 とりあえず、中に入ってくれ。

 (ドアを閉じる音)

 お前の事だ。私の事が心配だったのだろう?

 すまないな、あんな姿を見せて。

 なぁ弟子。師匠である私から、最後の願いを聞いてもらっていいか?

 この薬を飲んでくれないか?

 私の事がもし、好きなら・・・・・・飲み干してくれ。

 信じて、飲んでくれるか?

 (数秒間を開けてください)

 そうか。飲んでくれるか。

 じゃあ・・・・・・。

 (数秒間を開けてください)

 ふふ。そうか。

 私の事が、好きなんだな?

 いつか、話したよな?

 お前と一緒なら、賢者の石の謎も解き明かせると。

 実はな?分かったんだ。その作り方。

 あと一つの材料が分からなかったが、この間、ようやくわかったんだ。

 ふふ。

 古い伝承によると、賢者の石を手にしたものは、皆(みな)狂ってしまった、と。

 それで、ピンときた。

 それは、最も好きな人の魂だと。そして、その人を失った事で狂ってしまったんだと。

 ふふふ。

 今飲ませた薬は、肉体から魂を抜き取る代物でな?

 そうして出てきた魂を、残りの材料で編み込んだ・・・・・・このネックレスに閉じ込める。

 優しくて、暖かくて、太陽のように笑うお前が、大好きなんだ。

 妻になりたい、と思った。

 だが、お前の心はきっと、この先も手に入らないだろう。

 ならば、と。

 永遠に独り占めしたくなった。

 他の人間に理解されなくてもいい。どんなにいびつでもいい。

 お前と、一緒にいたい。

 (数秒間を開けてください)

 ふふ。体が重くなってきただろう?

 そのまま、意識を手放して楽になれ。

 大丈夫だ。目が覚めたら、少し体の形が変わっているだけだ。

 だから、そのまま目を閉じるんだ。

 ふふ。

 おやすみ、弟子。

 【数年後、彼女の家にて】

 (ドアをノックする音)

 はい、どなたですか?

 どこか体の調子でも悪いのですか?

 お安くお売りできますよ。どうしますか?

 (数秒間を開けてください)

 え?彼?

 あぁ・・・・・・昔、私の弟子だった方ですね。

 彼なら、ここにいますよ?

 ん?いえ?そのままの意味ですよ?

 (数秒間を開けてください)

 あぁ・・・・・・あの時の方ですか。

 彼なら随分前に、弟子をやめましたよ?

 その。私は薬くらいでしかお役に立てませんので・・・・・・。

 あ、お安くしますよ?

 (数秒間を開けてください)

 はい。では・・・・・・。

 薬が必要になったら、いつでも来てくださいね?

 (ドアを閉じる音)

 ふふふ。

 あの女、気が付かなかったな?

 所詮、その程度だったんだよ。あの女にとってお前は。

 でも、私だけは違うぞ?

 これからもずっとずぅっと。一緒だぞ?

 あなた。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレ錬金術師
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
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