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ヤンデレ王女(百合)
  • ファンタジー
  • 女王様
  • ヤンデレ
  • 百合
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3989文字(約 13分18秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
王女
視聴者役柄
騎士団長
場所
指定なし
あらすじ
 内容としましては「騎士団長として王女に報告に行っていたが、王女は何やら特別な感情を抱いていて・・・・・・」といった内容となっております。

 キャライメージは「理想の王女を演じようと頑張っていた女の子」です。
本編
 (トントン、と扉をノックする音)

 はい、どうぞ。(扉越しのくぐもった声をイメージしていただけると)

 (ガチャ、と扉の開く音)

 今日も報告、ご苦労様です。

 無事の帰還を、とても嬉しく思います。

 貴方と、貴方の率いる騎士の方たちのお陰で我が国は平和を享受することができます。

 いつもありがとうございます。

 ・・・・・・あ、あのっ!

 疲れたお体にこのようなお願いをするのは気が引けるのですが・・・・・・。

 もしお時間がありましたら、私に少し付き合ってくださいませんか?

 無理にとは言いません。その、場所を移して言いたいことがありまして・・・・・・。

 その、どうでしょう?

 ・・・・・・あ、ありがとうございますっ。

 ではっ、中庭の方に移動しましょうか!

 (スタスタ、と歩く音)

 すぅ・・・・・・はぁ。

 ふふ、お花の良い香りがしますね。

 先ほどお紅茶をお願いしましたので、もうじきこちらへ持ってきてくれると思います。
 
 さ、あちらに腰かけましょうか。

 (椅子に座る音)

 っと。

 うふふ。

 こうしてまた貴方と話す事ができて、とても嬉しいです。

 体の調子にお変わりはありませんか?

 騎士の方達を率いる身とはいえ、貴方は女性なのです。

 そ、その。私なんかが言える立場ではないのですが・・・・・・。

 どうか、ご無理はなさらないでくださいね?

 あら・・・・・・頬の所、切り傷がありますね。

 だ、大丈夫ですか?

 見せてくださいっ。

 (スリスリ、と肌の擦れ合う音)

 あぁ、良かった。浅いですね。

 これなら、傷跡も残らず・・・・・・。

 あっ・・・・・・そ、その!ごめんなさい!

 し、失礼でしたよね。

 いきなり触ってしまい、申し訳ありませんっ。

 (カラカラ、とキャスターの音)

 あっ、紅茶が来たみたいですねっ!

 早速召し上がりましょうか!

 ふぅ、ふぅ。

 んく・・・・・・ふぅ。

 ふふ、おいしい。

 ・・・・・・そういえば、貴方は長い事この国に仕えておりますよね。

 私がまだ、子供の頃にはもう貴方は剣を振っていて、鎧を身に付けていて。

 お城で勉強が退屈で逃げ出した時、そこは訓練場で。

 そこで貴方は剣を振っていて。

 あの時、貴方は私に気が付いて話しかけてくれて。

 色々と話してくれましたよね。

 好きな食べ物や、貴方の故郷についての話しや、それから・・・・・・。

 うふふっ。

 それで、夢中になってうっかり私が貴方の事をお姉さまって呼んでしまって。

 でもそれを貴方が笑って許してくれて。

 覚えていますか?

 ・・・・・・あの時は、お互いに自身の身分や身の周りの事を忘れて、とても楽しいひと時を過ごせました。
  
 そ、その。

 今から、あの頃には戻れませんか?

 今では何もかも変わってしまいましたが、それでも・・・・・・。

 今、この中庭に居る時だけで構いません。

 あの時の様に、お姉さまと、呼んでもよいですか?

 貴方も、ここに居る時だけは、私にはそのような態度は止めて、もっと気を楽にして欲しいのです。

 だめ・・・・・・でしょうか?

 ・・・・・・え、いいのですか?本当・・・・・・?

 あ、ありがとうございますっ!

 うふふっ、嬉しいですっ。

 では、改めてこれから・・・・・・よろしくお願いしますね?お姉さま。

 【別日、部屋前にて】

 (コンコン、とノック)

 はい。

 (ガチャ、と扉を開く音)

 あっ・・・・・・!おかえりなさいっ!

 無事に帰って来られたこと、とても嬉しく思います!

 ではその・・・・・・えっと・・・・・・。

 な、中庭・・・・・・行きましょうか。

 (コツコツ、と足音) 

 ん・・・・・・昨日雨が降ったせいか、少し冷たいですね。

 大丈夫ですか?お姉さま。

 寒かったらいつでも言ってくださいね?

 何か羽織るものをご用意しますから。

 (椅子に座る音)

 んっと。

 改めて・・・・・・無事に戻ってきてくれてとても嬉しいです。

 こうしてお姉さまと一緒にいれるだけで、とても幸せです。

 ・・・・・・でも、やはり。ふと、万が一のことを考えてしまうんです。

 この姿が最後だったらどうしよう。この会話が最後になったらどうしよう。

 それで、夜が眠れないときもあって・・・・・・。

 騎士の方の中には優秀な方が揃っていると耳にします。

 他の方にお姉さまの座をお譲りするということはできないのですか?

 そうしたら、お姉さまは・・・・・・。

 ・・・・・・ごめんなさい。

 ただのわがまま・・・・・・ですよね?

 今のは忘れてください。
 
 あ・・・・・・お姉さま、あそこをみてくださいっ。

 綺麗な蝶々ですね。

 2羽・・・・・・もしかして、つがいなのでしょうか?

 うふふ。

 ・・・・・・その、実は・・・・・・ですね?

 私、婚姻を上げる事になったのです。

 隣国の王子と婚姻するのです。

 そうすることで、我が国はその国と同盟を結び、この国をより繁栄させることができるのです。

 その婚姻の日が・・・・・・実は、お姉さまが騎士団を連れて遠征に行く日と重なってしまっていまして。

 怖いんです、私。

 その王子とは一度も会ったことはないのです。

 端正な顔立ちで、聡明で、優しい性格と耳にはしておりますが・・・・・・それでも、とても怖いです。

 結ばれるなら、長く連れ添った・・・・・・お姉さまみたいな方じゃないと嫌です。

 あ・・・・・・その、気分を害してしまいましたらごめんなさい。

 ・・・・・・ですが、私はこの国を守らなくてはいけない。

 そんな私情なんて、国民の不安と平和と比べれば取るに足らない我儘です。

 でも、それでも・・・・・・。
 
 婚姻の日には、お姉さまにも立ち会って欲しかった。

 ・・・・・・ごめんなさい。もう、どうにもならない事なのに。

 一つ、お願いしてもよろしいでしょうか?

 このペンダントを着けてくれませんか?

 実はこのペンダント、中は私の肖像画となっておりまして。

 これを、お姉さまに持っていて欲しいのです。

 遠く離れてしまっても、婚姻をしても、心はお姉さまと一緒に在りたいのです。

 どうか、お願いです。

 ・・・・・・あぁ、ありがとうございます。

 これで、思い残すことはありません。

 あら・・・・・・もう日が傾いておりますね。

 うふふっ。今日も付き合っていただき、ありがとうございます。

 では、遠征の方。気を付けて行ってきてくださいね?

 【別日、部屋前にて】

 (コンコン、とノック)

 はい、どうぞ。

 (ガチャ、と開く音)

 あっ!お姉さまっ!

 うふふっ、待っていました!

 ずっと、心配だったのです。

 無事のお帰り、お待ちしておりました!

 今日もお付き合いいただいてもよろしいでしょうか?

 今日はお姉さまに紹介したい場所があるのですっ!

 さ、こっちですっ!

 (スタスタ、と歩く音)

 今回の遠征もお疲れ様です。

 あぁ・・・・・・今日もその手で、私たちを守ってくださったのですね。

 (カツカツ、と階段を下る音)

 この先の地下に、お姉さまに見せたいものがあるのです。

 うふふ。

 (ガチャリ、と扉を開く音)

 どうですか?このウェディングドレス。

 とても綺麗でしょう?

 国一番の職人が作ってくださった一品なのです。

 どうですか?このヴェール。雪の様に真っ白でしょう?

 その、婚姻の時はお姉さま、見れなかったでしょう?

 なので、どうしても見て欲しくて。

 今、着てきますね!

 (タッタッ、と駆け足)

 (カツカツ、と近づいてくる足音)

 どうですか?

 その、綺麗ですか?

 ・・・・・・うふふ、ありがとうございます。

 実はこのドレス、特注で秘密裏に使った物なのです。

 婚姻の時のドレスも別でありましたが、これは全くの別の物です。

 お姉さまだけに見て欲しくて、用意したのです。

 うふふふ。

 ・・・・・・私、気が付いてしまったんです。

 自分の気持ちに。

 こんな我儘で、勝手で、独占的な気持ちなんていけないと思いました。

 私はこの国の王女なのです。そのような事、思う事すら許しがたいとずっと思っていました。

 何度も、何度も、自分の生まれを呪いました。

 ですが、旅の商人から頂いたこの指輪を身に着けてから・・・・・・その気持ちが抑えられない物だという事に気が付いたのです。

 うふふ・・・・・・。

 さぁ、では・・・・・・こちらに・・・・・・。

 (グググ、と引っ張る音)

 うふふ、すごい力でしょう?

 この指輪を身に着けてから、どこからともなく力が溢れてくるのです。

 お姉さまでも、この力には勝てないでしょう?

 このまま、あちらの牢屋の方に、お姉さまを閉じ込めます。

 そうすれば、お姉さまが命を落とす心配はない。何より、ずっと一緒にいれますもの。

 お姉さまに不足は感じさせません。私が全て、お世話します。

 うふふふ。

 (グググ、と引っ張る音)

 ・・・・・・もし、心の底から私の事がお嫌いでしたら。

 その剣で、私の首を撥ねてください。

 お姉さまの手に掛かって天へと召されるのならば、本望です。

 私は今、許されない事をしていると思いますから。

 (グググ、と引っ張る音)

 (ガシャン、と金属音)

 あぁ・・・・・・やっと、やっと・・・・・・。

 私、やっと・・・・・・。

 何度も思いました。

 なぜ私は王女という身分なのかと。

 私が王女などでなく、ただの村娘だったらと。

 来世でまた会えることを期待して諦めようとも。

 でも、そんな必要無かったんですね。

 あぁ・・・・・・そのお美しい顔も、細い指も、全て、私の・・・・・・私だけの・・・・・・。

 もう、誰にも奪わせません。

 あの王子やこの国を裏切ってでも、お姉さまと一生を添い遂げます。

 今、すごく幸せです。好きな人と結ばれるというのは、こんなにも幸せな事なのですね。

 うふふふふ・・・・・・。

 不束者ですが、よろしくお願いしますね?

 お姉さま。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレ王女(百合)
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
 顔アイコンはTTIさん「@tti_design」の絵を拝借しております。

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