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ワーカーホリックな彼女と敬語で強引な彼氏
written by 神塚わひろ
  • 寝落ち
  • ラブラブ
  • 甘々
  • 同僚
  • OL
  • 看病
  • 敬語
  • 寝かしつけ
  • 癒し
  • サラリーマン
公開日2021年07月10日 19:00 更新日2021年07月02日 12:32
文字数
3415文字(約 11分23秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
敬語使いの彼氏
視聴者役柄
ワーカーホリックな彼女
場所
彼女のアパート
あらすじ
仕事を無理して倒れてしまった彼女。
目覚めるとそばには彼がいて……

#ワーカーホリック
#癒し
#慰め
#囁き
本編
〇彼女のアパート・玄関

彼「こんばんは、遅くなりました。
 スーパーでもやしがセールだったもので、主婦たちの争奪戦に巻き込まれてしまいまして……」

   彼、玄関で倒れている彼女を見つける。
彼「……っ!? どうしたんです!?」
   彼、驚いて荷物を放り出し彼女に駆け寄る。

SE 買い物荷物を落とす音

SE 駆け寄る音

彼「ちょっ……しっかりしてください!」
   彼、彼女に触れる直前で手を止める。
   動揺しつつもなんとか冷静を保ち、
彼「こういう時、むやみに動かすのは危険だ……
 救急車を……!」
   彼、スマホを取り出しダイヤルしようとする。

   彼女、ふと目覚める。

SE 衣擦れ音

   彼、彼女に気付き
彼「あ……目が覚めた……よかった……」
   彼女、目の前に彼がいることに驚く。

彼「びっくりしたって……
 驚いたのはこっちですよ!」
   と、声を荒らげる。

   彼、怒りで早口になる。
彼「夕食を作りにあなたのアパートを訪ねたら倒れていたあなたをいきなり目撃したんですから!
 救急車呼ぶ寸前だったんですよ!
 一体なにがあったんですか!?」

   彼女、眠くて顔を洗いにいこうとしたら目の前が真っ暗になっただけと説明する。
   彼、彼女がまた無理したことを察し、
彼「それ、睡眠不足で倒れたんじゃないですか?
 寝てますか?
 昨日は何時間寝ましたか?」
   と、機械的に尋ねる。
   彼女、言い淀みながら、指を三本たてる。
彼「……三時間ですか、そうですか……」

   彼、少々怒り口調で、
彼「テレワークになってから、ワーカーホリックにさらに磨きがかかりましたね?」
   彼女、照れる。

彼「誉めてません」
   と、ピシャリと言い放つ。

彼「毎回毎回、来る度に驚かせて……
 この間は空腹で動けなくなってましたよね?
 その前は脱水症、その前は……って……
 言っていたらキリがないですよ!」

   彼女、毎度すいませんと、反省する。
彼「反省だけなら猿でもできます。
 あなたの肩の上に乗っているのは風船ですか?
 体調管理が疎かになっていますよ」

   彼、心配そうに優しく彼女を抱きしめる。

SE 衣擦れ音

彼「あまり、心配させないでください……」
   彼女、ごめんなさいと繰り返す。

   しばらく・間

   彼、放り出した買い物の荷物を持つ。

SE 荷物を持ち上げる音

   彼、気を取り直して、
彼「さあ、すぐ夕食の準備をしますから。
 あなたはそこの散らかっている書類を片付けておいてくださいね」

   彼、キッチンへ向かう。

SE キッチンへ歩き去る音

   しばらく・間

◯キッチン

SE 包丁を使う音、鍋が煮える音

   彼、夕食の用意をしながら独り言。
彼「まったく……あの人は世話のやける。
 ……そばにいた方が、僕としては余計な心配をしなくて済むんですが……
 きっと、仕事が手につかないと怒ってしまうでしょうね……」
   彼、夕食以外にも作りおきのおかずをタッパーに詰める。

彼「……さて、夕食作も出来ましたし、作りおきの方は冷蔵庫に入れておけば……」

SE 冷蔵庫を開ける音

   彼、冷蔵庫にぎっしりと詰め込まれた栄養ドリンクの箱を見てしまう。

彼「……」
   彼、冷蔵庫の中身を見てため息をつく。

SE 冷蔵庫を閉める音

   彼、乱暴に足音を発てて彼女のもとに行く。

SE 近づいてくる乱暴な足音

◯リビング

彼「ちょっといいですか!?」

   彼女、書類を抱えて「片付け、もうすぐ終わるから」と、彼を見上げる。

彼「……あ、片付けがもうすぐ終わりそうですか?
 それは何よりです。
 ……って、そうじゃなくて!
 なんですかこの栄養ドリンクの量は!
 冷蔵庫にぎっしり入ってましたよ!」
   彼、両手に山になる程のドリンクの箱を抱えている。

   彼女、バツが悪そうに「栄養失調予防」と言う。

彼「栄養ドリンクは常用してはいけません!
 糖分とカフェインの摂りすぎで、逆に体へ悪い影響が出てしまいます!」
   彼女、「知らなかった」と驚く。

   彼、有無を言わさないトーンで、
彼「……これは必要と判断したとき、僕がお渡しします。いいですね?」
   彼女、黙って頷く。
   彼、キッチンへと戻る。

   しばらく・間

◯キッチン

彼「……はあ……心配です。
 たった数日いないだけでこんな事態になるとは……
 これは本気で考えないと……」

SE 鍋の蓋を閉める音

SE 食器を運ぶ音

彼「お待たせしました、ご飯できましたよ。
 テーブルの上は……ちゃんと片付いてますね」

SE 食事をテーブルに置く

彼「栄養バランスと、あなたの好みを考えてみました。
 どうぞ召し上がれ」
   彼女、合掌して温かな料理を嬉しそうにほおばる。
彼「あ、慌てないで……
 ゆっくり食べないと……」
   彼女、喉に詰まらせる。
   彼、予想通りの展開に呆れた顔で、
彼「……喉に詰まりましたね……
 はい、冷たいお茶です」

   彼女、受け取ったお茶を飲みほす。

   彼、しばらく俯いて考え事をしていたが、決意したように彼女を見る。
彼「……あの、ちょっといいですか?
 大事な話を……」
   彼女、ごはんを食べながらパソコンを使い始めている。

SE キーボードをゆっくり打つ音

彼「こら、ご飯中はパソコンを閉じる!」

   彼女、「仕事のメール確認だけ」と懇願する。

彼「仕事のメールなら、ご飯食べ終わってからにしてください!
 今は! しょ・く・じ・ちゅう、です!
 仕事とプライベートの区別くらいつけてください!」

   彼、彼女の隣に座る。
   彼女、「なぜ隣に?」という顔をする。

彼「なぜ隣に座るのかって?
 もちろん、あなたにご飯を食べていただくためです。
 ほら……」
   彼、彼女の口元にご飯を持ってくる。

彼「あーん、してください」

   彼女、自分で食べれると遠慮する。
   彼、訝しげに、
彼「自分で食べれる……?
 パソコンに集中してご飯がこぼれているのに、ですか?」
   と、おかずやらご飯がこぼれている彼女の周囲を睨む。

彼「……口移し、しましょうか?
 以前、薬がうまく飲めないと言っていた時のように……」
   彼女、顔を真っ赤にする。
   彼、彼女の反応を面白がる。
彼「おや? 何を思い出しているやら……
 さあ……あーん、してください」
   彼女、大人しく食べさせてもらう。

SE 食器の音

   彼、彼女に食べさせながら、
彼「あなたは家でも仕事ができて楽しいのでしょうが、あなた自身をもう少しいたわってください」
   彼、彼女の頭を撫でる。

SE 頭を撫でる音

彼「……覚えておいてください。
 あなたを心配する人間がここに……
 目の前にいるんですから」

   彼女、撫でられて、彼の肩にもたれかかる。
彼「今は……ゆっくりして……
 体を休めて……」
   彼、ゆっくり、優しく頭を撫でる。

SE 頭を撫でる音

   彼女、そのまま眠ってしまう。

   彼、しばらく頭を撫で続けるが、彼女が動かなくなり、顔を覗きこむ。
彼「……?
 え? あれ?
 もしかして……寝ちゃいました?」
   彼、ほとんど食べ終えたご飯を一瞥し、
彼「お腹いっぱいになったんですね。
 ゆっくり寝てください。
 では、眠り姫をベッドへお連れしましょうか」

   彼、彼女を抱き上げ、寝室へ向かう。

SE 衣擦れ音

   しばらく・間

◯寝室・深夜

SE 布団の寝返り音

SE うっすらと聞こえるトントン音

   彼女、ふと目が覚める。
   隣を見ると、彼が添い寝をしてくれていた。

   彼、目を閉じて彼女に優しくトントンしている。

SE ゆっくりトントン音

   彼、寝起きの彼女をみて、小声で優しく、
彼「……おや……目が覚めました?」
   と、優しくゆっくり彼女を撫でる。

SE ゆっくり頭を撫でる音

   彼、優しげに
彼「まだ夜中ですよ……
 ……朝になったら起こしてあげますから……
 それまでは大人しく寝ていてくださいね……」

   彼女、「あ、でもまだ仕事が残ってる」と布団から出ようとする。
   彼、彼女の頭を手で軽く押して布団に戻す。

SE 衣擦れ音

   彼、優しいながらも呆れた様子で、
彼「本当……ワーカーホリックですね……
『あ、仕事が残ってる』じゃありませんよ……
 ちゃんと布団に入ってください」

SE 衣擦れ音

彼「……それから、明日はお仕事お休みです。
……これは決定事項ですよ」
   彼女、「そんなことできないよ」と反論する。

彼「そんなこと、できまーす。
 休まないと、今度は救急車呼んで病院連れていきますよー?
 ……それでも無理に仕事をするって言うなら……」
   彼、彼女に覆い被さる。

SE 衣擦れ音

   彼、少し意地悪そうに、耳元で、
彼「足腰が立てないようにしますよ?」

SE リップ音


-END-
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ワーカーホリックな彼女と敬語で強引な彼氏
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
神塚わひろ
ライター情報
pixiv、ファンティアにて女性向けフリー台本書いています。
台本ご利用の際は言っていただけるとすごく喜びます。
反応は遅めです、申し訳ない。
甘々、R、たまにバイオレンス。
有償販売利用の条件
音声の商用利用→可
二次配布・台本自体の販売→不可
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