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筋金入りなオタクの幼馴染はわたしのファン
written by 松平蒼太郎
  • からかい
  • 学校/学園
  • 甘々
  • 友情
  • 配信
  • 学生
  • 同級生
  • 幼なじみ
  • ドルオタ
  • 青春
公開日2023年03月11日 15:55 更新日2023年03月11日 15:55
文字数
2480文字(約 8分16秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
幼馴染
視聴者役柄
幼馴染
場所
学校→家
あらすじ
貴女にはネットVのアイドルのファンをやっている幼馴染がいる。彼は熱狂的にそのアイドルを推しており、貴女にも毎日彼女の良さを熱弁していた。しかし、貴女は彼の熱弁を適当に流しつつ、彼のオタクぶりをバカにしていた。内心で嬉しさと恥ずかしさを感じながらーー
本編
[登校]


ん?…あー、お前か。おはよ。


(あくび)


いや、ちょっとな…いつものアレがアレで…


あ?なんだテメェ…アサミたんをバカにすんのか?


バッカ、お前!アサミたんはなぁ、俺らオタクの救世主なんだよ!


今や押しも押されぬVのネットアイドルなんだよ!アサミたんは!


いまだにオタクへの偏見が蔓延って憚らないこの世の中に、オタクを全肯定してくれた天使なんだから、バカにすんな!


あ〜、なんか興奮して目ェ覚めたから、学校まで走って行くわ。


マジだよ。昨日のアサミたん熱が再発してテンション上がってきたし。


そんじゃ、行ってくるわ。また学校でな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[休み時間]


ん?なんだよ?俺、アサミたんの過去動画漁るのに忙しいんだけど?


え?なにお前?俺の腐れ縁特権で散々アサミたんの良さを語ってやったのに、まだ分かってなかったわけ?


いいか?アサミたんはなぁ、「オタクであることは全然恥ずかしくないよ。だってオタクって好きなモノに対して一途な人のことを言うんでしょ?だったら、何も恥ずかしいことないじゃん!アサミが全部肯定してあげるね!」ってライブのたびにいつも言ってくれんだよ!


この言葉が、今まで肩身の狭い思いをしてきた俺みたいなインキャオタクにとって、どれだけ救いになったか…


初めてアサミたんを見たあの日から、俺はアサミたんのファンになったんだ。


あ、言っとくけど、いくら高値で買い取るっつっても、アサミたんのグッズはやらねえぞ?


当たり前だろ。俺の毎月の小遣いは全部アサミたんにつぎ込んでるからな。


昼飯代?んなの残ってるわけないだろ。


いいんだよ、一食ぐらい抜いても。死ぬわけじゃねえんだしさ。


…?お前、どうした?さっきからなんか様子おかしいぞ?


風邪引いたんなら、さっさと保健室行って早退しろよ。無理しても碌なことにならねえし。


あ、そう?よくわかんねー奴。


まぁ、大丈夫ならいいんだけどさ…


あっ!次、移動教室じゃん!


やっべ、余裕こいてたら遅れるわ!


お前も大丈夫なら、早く来いよ!あの先生、遅刻にうるせーから!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[下校]


やっと放課後か〜…長い一日だったな、マジで。


そりゃそうだろ。学校の授業なんか早く終えて、アサミたんの動画とライブを見なきゃいけねえんだから。


今日のライブまでは時間あるな…よし、それまでに宿題終わらせて、画面の前で正座待機してよ。


…?お前やっぱ様子変だぞ?なんかあった?


いや、普通に挙動不審なんだって。俺がアサミたんの話してる時、ずっとそんな感じじゃん。


あ……お前、まさか………


アサミたんの隠れファンか!そうだろ、絶対!


どーりで、妙に恥ずかしそうに顔逸らしたりするわけだ!てことは、俺ら仲間じゃん!


いや、まさかこんな身近に仲間がいたなんて!ちょービックリだし、めっちゃ嬉しい!


なんだよ、お前!腐れ縁の俺に隠しだてすることねえだろ!


お前にもアサミたんの素晴らしさが分かるってことだな!よかった!


じゃあじゃあ!今日は早速、俺ん家でアサミたんのライブ見よーぜ!なっ⁉︎


はぁ?なんだよ?そんなの無理って…


ここまできて、そりゃあねーだろ。


お前も同じ穴のムジナなんだし。なっ?


え?お前ん家で?別にいいけど…


あー、そう?じゃあ、夕飯はゴチになろっかな。おばさんの飯、めっちゃ美味いし。


うん、このまま直行でお前ん家行くわ。


覚悟?最初っからできてるよ、そんなもん。


アサミたんを推し続ける覚悟だろ?任せとけって。


あ〜、ライブが待ち遠しいんじゃ〜♪


(鼻歌)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[ライブ開始前]


よし!宿題終わり!


じゃあさっそくネット繋いで、アサミたんのチャンネルを…


え、何?お前の部屋で?


珍しいな。お前、今まで俺を頑なに部屋に入れようとしなかったじゃん。


ふーん?まぁ、何でもいいけど。


とりあえずお邪魔するなー。


(入室)


え……すげ。お前、なんかたくさん機材あるじゃん。何これ?


配信用?マジ?お前も配信者だったの?そうだったんだ…


いや、でも今はアサミたんのライブを見るのが先だから、お前のはあとで…


……はい?今、なんて?


え、えぇっ⁉︎ ちょ、マジ⁉︎


お前がアサミたん⁉︎ 嘘だろ⁉︎


え、今からライブ始めんの⁉︎


ちょ、ちょっと待てって!まだ心の準備が…!


(ライブ開始)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[ライブ終了後]


……はっ!あ、あぁ、もう終わったの?ライブ配信…


そ、そうなんだ…なんかさっきまでのことがあんま思い出せねぇ…


いや、流石に衝撃的すぎて…頭がついていけねえっつーか…


だって…普段は生意気な幼馴染が、ネット上ではあのアサミたんなんだぞ?


え?生意気だろ?俺のこと、バカとか非モテ男とか救いようがないオタク君とか、言いまくってたじゃん。


いや、傷付いてはないけど…てかお前の話、八割がた聞いてなかったし。


え?感想?えーと、そうだな…


いや、お前…何泣きそうになってんの?


まさか俺が中の人がお前って知って、幻滅すると思った?


バカ、オタク舐めんなよ?


今もめっちゃ好きだぞ。アサミたんのこと。


こうやって楽しそうに配信してんだなって分かって、むしろ嬉しかった。


なに謝ってんだよ。お前、何も悪いことしてねぇだろ?


むしろよく俺にバラしたなって思うわ。


どういう心境の変化かは知らねーけど…そんなお前に冷めたりしねえよ。


どっちも。腐れ縁のリアルなお前も、ネットアイドルのアサミたんも、両方。


まぁ、その、何?これからも活動頑張ってくれ。マジで応援してるから。


あー、泣くな泣くな。いちいち大袈裟なんだよ、お前は。ほれ、ティッシュ使え。


…落ち着いた?ちゃんと鼻かんだ?


あはは…すっげぇ。顔、マジでクシャクシャ。


これがアサミたんのリアルかぁ…めっちゃ可愛いじゃん。控えめに言って惚れそう。


とりあえず俺、帰るわ。あんまり遅くなると、親にドヤされる。


え……責任?何の?


いや、お前泣かせたのって、俺なの?


んー…まぁ、そういうことなら仕方ないな。


うん。今から親に泊まりの連絡入れる。


久々にお泊まり会、するか!


よく考えたら、推しと添い寝できるとか夢のシチュだしな。俺にとって得しかないじゃん。


つーことで、今夜はよろしくな?アサミたん?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
筋金入りなオタクの幼馴染はわたしのファン
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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