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[のじゃロリ・ショタ]小さな妖狐様の涙
written by 初実とうか
  • ファンタジー
  • 友情
  • 切ない
  • ショタ
  • 金曜の天灯
  • のじゃロリ
  • 別れ
  • 妖狐
  • 人外 / モンスター
公開日2024年02月02日 16:39 更新日2024年02月02日 16:39
文字数
849文字(約 2分50秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
桜の蕾を見ると思い出す…。
別れの季節にお送りしたい、小さな妖狐様と人間の子どもとの交流の物語です。
本編
( ) ト書き  

効果音・BGMによる演出はご自由にしてください。


おや、
桜の木に蕾が…。

もうそんな季節か。
時の流れは早いのう。

ん?
あぁ。ちょっと思い出しておったのじゃ。

昔、
今のおぬしみたいに
この神社に迷い込んだ子がおってのう。

わしの姿を見ても怖がりもせず、
妙に懐きおって。

わしのしっぽを雑に撫でたり、
くるまって昼寝をしたり…
よく相手をさせられたものじゃ。

だが、
大きくなるにつれて次第に来なくなってのう…。

無理もない。
わしら妖狐の一族は人ならざるもの。
普通は成長するにつれて
わしとの記憶が薄れていくものじゃから。

ところがどういうわけか、
去年の今頃、
そいつがまたやって来たのじゃ。

10年ぶり…くらいかのう。

こんなにちっちゃかった奴が
ずいぶんたくましくなっとって…。

わしは人間と比べて歳を取るのが遥かに遅いから、
この通りずっと小さいまま。

ふっ、
並んで座ったら親子みたいじゃったよ。

なんでも、
遠くの町に引っ越すから
別れの挨拶に来たとかなんとか言って…
最後までわしのしっぽを雑に撫でていきおった。
もっと優しく触れといつも言っておったのに…。

「寂しくないのか?」って?

くすっ。
まぁ寂しくないといえば嘘になるな。

でも人間はあっという間に大人になって年老いていく。わしを置いて…。
別れは数え切れないくらい経験してきたから…
もう慣れっこじゃ。

でも不思議な子じゃった。
あの年になってもわしのことを覚えておったとは…。
さすがに大人になっても覚えているのは
まずいからのう。
最後にあの子が神社を去る時に
記憶を消しておいたのじゃが。

まったく…
わざわざ挨拶なぞ来おって。

(涙ぐむように)
わしのことなんか…とうに忘れてしまっていればよかったのに…。

(泣き笑いのように)
くすっ。寝てしもうたか。

(寝ている人間の子の髪を撫でながら)
すまなかった。
おぬしにはまだ難しかったな。

まぁ。
時の流れは止められない。
どんな者ともいつかは別れは訪れるものじゃからな。
だからこそ、
今大切な者がそばにおってくれる幸せにしっかり感謝しないとな。

今はこうして…お主が隣にいてくれる。
ありがとうな。


〜おわり〜
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
[のじゃロリ・ショタ]小さな妖狐様の涙
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
初実とうか
ライター情報
初実(はつみ)とうかです。
閲覧・音声化等いつもありがとうございます。
主に女性向けシチュエーションボイスのフリー台本(甘々・ヤンデレ・ショタ等…)を書いています。(順次投稿予定)
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