- サキュバス / 淫魔
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- 敬語
- 甘々
公開日2021年08月25日 20:29
更新日2021年09月04日 23:21
文字数
4212文字(約 14分3秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
昨日来たサキュバス
視聴者役柄
昨日サキュバスの来訪を受けた男
場所
アパートの一室。男の部屋。
あらすじ
サキュバスに吸収された翌日、あなたの元に、昨日来たサキュバスさんがやってくる。
昨日やりすぎたのではないかと心配したらしい。
サキュバスさんは動けなくなっているあなたに消化にいいものを作ったりする。
昨日やりすぎたのではないかと心配したらしい。
サキュバスさんは動けなくなっているあなたに消化にいいものを作ったりする。
本編
(チャイムの音)
こんにちはー……。あのー、いますかー?
(チャイムの音×2)
気配があるので中にはいると思うんですけどー。おきてますかー?
……、うーん。居留守なのでしょうか。居留守ならいいんですが……。
やっぱり心配なので、お邪魔しますね。
えーと、≪オープンセサミ≫。
(指を鳴らす音)
(ドアを開ける音)
……失礼ながら……お邪魔しまーす。……って、なんだ。寝てるだけでしたか。ほっとしまし……、って何で昨日と同じ格好……。
(少し深刻そうな声色になって)
はっ、だ、大丈夫ですか? 意識はありますか? こ、呼吸はできていますか? あ、良かった。
一応意識はあるん……ですよね。立てますか? 無理そう……ですか。
もしかして昨日からそんな状態なんですか? それは……あー、もしかしなくても、私の……せいですよね。
……っ、とりあえず、お水飲みましょう。多分脱水にもなっていそうですから。
えーと、確か蛇口をひねると水が出るんでしたね。……え? あ、そうなんですか。
都会の方の蛇口はあんまり……なるほど。じゃあ普段はどこからお水を?
……ああ、冷蔵庫の、みねらるうぉーたーですか。了解しました。
(水を注ぐ音)
どうぞ、お水ですよ?
あ、お身体起こすのを手伝いましょう。
はい、起こしますよ。……よいしょっと。はい、お水です。
……えーっと、お水ですよ?
……もしかして、手も動かせないほど衰弱して?
……そうでしたか……。それじゃあ、お口の方にグラスを持っていきましょう。
どうですか? うまく飲めます?
ちょっと難しい?
……うん、一応飲めましたかね。
じゃあ、よいしょ。もう一回寝かせますね。
あー、そもそも床に寝てるのはダメですね。ベッドの方がいいかな。
じゃあベッドにのっけますね。ちょっと身体持ちますよ? はい、よいしょ(軽い感じで)
はい。ちょっと休んでてね。
えーっと、その調子だと朝から何も食べられてないよね。
うーん。このままだと本当に衰弱して死んじゃいそうだし……仕方ない。
ちょっと消化に良さそうなもの、作りますね。えーっと、冷蔵庫のもの、お借りしますね。
うーん、とは言えあまり思い切り食材を使うのも申し訳ないですね……。
とりあえずこの使いさしのお大根を使いましょうか。
あとは……、あ、この開いてるカニカマとか入れましょうかね。……あとは、この使いさしのかつお節と……。
はい、じゃあしばらく待っていてくださいね。
(間)
はい、できましたー。
『かに風味のお大根雑炊』ですよ~。出来立てなので気を付けてくださいね。はーい。
あー、まだ動けませんか? 起き上がれる? はい、じゃあ起こすよ。
よいしょ(軽い感じで)はい、じゃ、ふーふーしてあげますね。
ふー、ふー、ふー。(雑炊を冷ます)……はい、あーんですよ。
……熱い? 大丈夫? よかった。
……お味の方は……どう……ですか? かつお節でお出汁 をとってみたんですが、お口に合ったでしょうか?
……おいしい? よかったです。え、ちょっとどうしたんですか? お世辞じゃなくて本当にそんな泣くほどおいしかったんですか?
そっか。昨日の夜から何も食べていなかったですもんね……。ごめんなさい。
はいじゃあ二口目、
ふー、ふー、ふー。(冷まして)
あーん。少し元気が出てきましたかね?
顔色も少し良くなってきましたね。あ、自分で持てますか? よかった。
まだ熱いですから、ゆっくり食べてくださいね。
……え? いえいえ、魔法みたいなことはしていませんよ。
ご飯を食べたということそれ自体が元気のもとになっているからだと思います。
ええ、本当です。
わたしはサキュバスの中でもまだランクが低いので、
そういう回復魔法とか、回復できる魔法薬を作る、みたいな能力は持っていないんです。
そんなに美味しく食べてもらって、とっても嬉しいです。
……、え、えっと。
昨日は、本当にごめんなさい。
あの、昨夜のことなんですが、えっと……その……、やりすぎてしまいました。
あなたの大切なものを奪ったばかりか、命まで危険にさらしてしまいました……。
え? 昨日とキャラがちが……う……?
い、いえ、そ、そんなことは……、ない……ことはないです。実際キャラが違います……。はい、すみません。
えっと、説明というか……言い訳というか、させてもらってもよろしいですか?
はい……。あの、昨夜も言った通りなんですが、私はサキュバスです。サキュバスというのは分かります……よね?
昨夜のことを思い出していただければ。
そうです。いわゆるファンタジー世界の住人で、大人なこと……をする魔族……みたいなものでして。
今更疑うんですか? 昨夜のことがあったのに?
ただの変態の人かもしれない……って、それはそれで怖いと思いますが……。
そんな人と普通にお話しするあなた、もしかして実は物凄く肝が据わっているタイプの方ですか?
……まあ疑うのならば証拠をお見せしますよ。
(指を鳴らす)
ほら、この頭の曲がった角とかー、あー! シャツ着たまま翼出しちゃいました。
痛たたた。
あ、やばいめくれちゃう。えーっと、うまく出せてないですが、背中のこの大混乱状態を見てもらえれば翼があるの分かりますよね?
あとは、このスカートの裾から出てる悪魔っぽい矢じり型の尻尾とかですかね?
……あ! ちょっと触らないでください。
いや、敏感とかではないんですが、普通に尻尾触られてるなーって感触がするだけで。
そうじゃなくて、今のあなたって、精力が極端に落ちている状態なので、サキュバスの身体に直接触るのってとっても毒なんです。
危ないからだめです。
えーっと、とりあえず一回元に戻しますね。
(指をならす)
……っと、これで大丈夫ですかね。
えーっと、それで、ですね? 私がサキュバスなことは再確認していただけたかな、と思うんですがー。
大人向けの漫画とか小説で読んだことがあるかと思いますが、イニシエーションというか、通過儀礼 というか……
つまり、一人前って認められるための試験で、ですね……。そういうのがありまして。それが、経験のない男性と、一夜を過ごしてこいと、つまりそういうわけで……。
そうです。一応、わたし、実戦は昨日が初めてで……。
それで、ついやりすぎてしまったというか、最高にハイになってしまったというか……。あの、加減がうまくいかずに……。
いえ! 確かに、確かに、
『命ごとぜーんぶ吸い尽くしてアゲル♡』とか、
『そのまま魂まで昇天しちゃえ♡』とか言っていましたけど!
別にそんな、命をとるつもりまでは無くてですね。あの……ロールプレイの一環として……していたわけで……。
いえ……それも正確ではありませんね。
演技というか、ロールプレイとして、こう、いかにもサキュバスなお姉さまを演じようとしたのは確かですが、
あなたとの繋がりの中で、これ以上ないほどに、精神的な高揚があって……つい我を忘れて、酷いことをしてしまいました。
その高揚感は、床で気絶しているあなたを見ても止まりませんでしたし、
倒れたあなたをそのままにして、魔界に帰った後も、その高揚感というか、心地よい感覚が続いていて、
正直、その日の燃えるような体験を噛みしめて、そのまま眠りについたんです。
もしかして、あなたにやりすぎてしまったのではないかと思ったのは、目が覚めて、冷静になってからでした。
だって、あなた、途中から白目を剥いて、人の言葉も話していなかったじゃないですか……。
冷静になって考えれば、大丈夫じゃないことは誰の目にも明らかです。
本当に、昨夜、私は正気ではありませんでした。
……わたし、サキュバス失格です。
どのくらいしてあげれば人間がどのくらい喜ぶかってことは、座学で学んでいたはずなのですが、
ぜんぜん生かすことができませんでした……。
許してくれ、とは言いません。ですが……
え? 初めて同士……?
えーっと、そうですね、一応、昨夜のことは、そういうことになります……かね?
……いや、どうして今そんなことを言うんですか!
恥ずかしいじゃないですか。
いや、確かにそうなんですけど……、お互いに初めての……相手なんですけど……。
いや、ちゃんと気持ちよかったとか、そういうのいいですから!
別にネガティブになっててそういう感想が聴きたいんじゃないんですってば!
……もう、調子くるっちゃうなあ……。
……危うく死にかけたのに、あなたは怒ってないんですか?
……はい。
そう……なんですか。
あの……、今更ながらにお聞きしますが、お付き合いしているひととか、……好きな、人とか……いたりするんでしょうか?
……いえ、なんか、昨日はそういうところ、深く考える余裕もなく、有無を言わさぬ感じで、そのー……一晩を一緒に過ごしてしまって……。
正直、そのことだけでも申し訳なく……。
まあ、サキュバスとしては当たり前のこと……ではあるんですが。
いない……ですか。それは良かったです……。
あ、いや、ひとりなのを煽っているわけではなくてですね。せめてその寝取りみたいな形にならなくてよかったなと……。
ええと、とにかく初めての相手を殺 めるような結果にならなくて、良かったです。
なんでしょうか、この感情。
あの、うまく言えないんですが……私の、最初の相手になってくれて、ありがとうございます。
いえ、あなたが私にお礼を言うのは違いますよ。
私はただ着け火してから意気揚々と火消しにやってきたようなものですので……。
わたしに感謝するようだと、この先悪い人に騙されてしまいますよ?
……あ、食べ終わりましたか? あと一杯ほどお代わりありますけれど、いりますか?
はい、じゃあ残りはタッパに入れておきますね。一応伝えておきますけど早めに食べてくださいね。
タッパは……はい、流しの上の棚ですね。はい。了解です。
(雑炊を保存しながら)
あの……、今日の予定とかあったんじゃないんですか? 大丈夫ですか?
自主休講……? そういうものがあるんですね。
あの、必要以上に精力を取って、瀕死にさせてしまったこともあるので、あの、あなたさえよければ、なんですけど……。
回復するまで、しばらく来てご様子を見に伺っても良いですか?
はい。わかりました。では、もう少し元気になるまで……少し通わせていただきますね。
あ、……えーっと、一応言っておきますけれど、昨日みたいなことはしないですからね!
実感ないかもしれませんが、今、あなたは精力、つまり、生命エネルギーみたいなものがほとんどなくなっていますから、
その状態でサキュバスと、えーっと、そういう深い意味で『交流』してしまうと、本当にしんでしまいますからね。
それでは、わたしはこの辺りで帰りますから、ゆっくり休んでくださいね。
……え? 泊まって……いきませんよ! お話きいていましたか!?
いえ、あの……あなたが大丈夫でも、わたしの方が我慢できなくなってしまうかもしれませんので……。
名残惜しいですが……それでは……。
はい、おやすみなさい。
またあした。
こんにちはー……。あのー、いますかー?
(チャイムの音×2)
気配があるので中にはいると思うんですけどー。おきてますかー?
……、うーん。居留守なのでしょうか。居留守ならいいんですが……。
やっぱり心配なので、お邪魔しますね。
えーと、≪オープンセサミ≫。
(指を鳴らす音)
(ドアを開ける音)
……失礼ながら……お邪魔しまーす。……って、なんだ。寝てるだけでしたか。ほっとしまし……、って何で昨日と同じ格好……。
(少し深刻そうな声色になって)
はっ、だ、大丈夫ですか? 意識はありますか? こ、呼吸はできていますか? あ、良かった。
一応意識はあるん……ですよね。立てますか? 無理そう……ですか。
もしかして昨日からそんな状態なんですか? それは……あー、もしかしなくても、私の……せいですよね。
……っ、とりあえず、お水飲みましょう。多分脱水にもなっていそうですから。
えーと、確か蛇口をひねると水が出るんでしたね。……え? あ、そうなんですか。
都会の方の蛇口はあんまり……なるほど。じゃあ普段はどこからお水を?
……ああ、冷蔵庫の、みねらるうぉーたーですか。了解しました。
(水を注ぐ音)
どうぞ、お水ですよ?
あ、お身体起こすのを手伝いましょう。
はい、起こしますよ。……よいしょっと。はい、お水です。
……えーっと、お水ですよ?
……もしかして、手も動かせないほど衰弱して?
……そうでしたか……。それじゃあ、お口の方にグラスを持っていきましょう。
どうですか? うまく飲めます?
ちょっと難しい?
……うん、一応飲めましたかね。
じゃあ、よいしょ。もう一回寝かせますね。
あー、そもそも床に寝てるのはダメですね。ベッドの方がいいかな。
じゃあベッドにのっけますね。ちょっと身体持ちますよ? はい、よいしょ(軽い感じで)
はい。ちょっと休んでてね。
えーっと、その調子だと朝から何も食べられてないよね。
うーん。このままだと本当に衰弱して死んじゃいそうだし……仕方ない。
ちょっと消化に良さそうなもの、作りますね。えーっと、冷蔵庫のもの、お借りしますね。
うーん、とは言えあまり思い切り食材を使うのも申し訳ないですね……。
とりあえずこの使いさしのお大根を使いましょうか。
あとは……、あ、この開いてるカニカマとか入れましょうかね。……あとは、この使いさしのかつお節と……。
はい、じゃあしばらく待っていてくださいね。
(間)
はい、できましたー。
『かに風味のお大根雑炊』ですよ~。出来立てなので気を付けてくださいね。はーい。
あー、まだ動けませんか? 起き上がれる? はい、じゃあ起こすよ。
よいしょ(軽い感じで)はい、じゃ、ふーふーしてあげますね。
ふー、ふー、ふー。(雑炊を冷ます)……はい、あーんですよ。
……熱い? 大丈夫? よかった。
……お味の方は……どう……ですか? かつお節でお
……おいしい? よかったです。え、ちょっとどうしたんですか? お世辞じゃなくて本当にそんな泣くほどおいしかったんですか?
そっか。昨日の夜から何も食べていなかったですもんね……。ごめんなさい。
はいじゃあ二口目、
ふー、ふー、ふー。(冷まして)
あーん。少し元気が出てきましたかね?
顔色も少し良くなってきましたね。あ、自分で持てますか? よかった。
まだ熱いですから、ゆっくり食べてくださいね。
……え? いえいえ、魔法みたいなことはしていませんよ。
ご飯を食べたということそれ自体が元気のもとになっているからだと思います。
ええ、本当です。
わたしはサキュバスの中でもまだランクが低いので、
そういう回復魔法とか、回復できる魔法薬を作る、みたいな能力は持っていないんです。
そんなに美味しく食べてもらって、とっても嬉しいです。
……、え、えっと。
昨日は、本当にごめんなさい。
あの、昨夜のことなんですが、えっと……その……、やりすぎてしまいました。
あなたの大切なものを奪ったばかりか、命まで危険にさらしてしまいました……。
え? 昨日とキャラがちが……う……?
い、いえ、そ、そんなことは……、ない……ことはないです。実際キャラが違います……。はい、すみません。
えっと、説明というか……言い訳というか、させてもらってもよろしいですか?
はい……。あの、昨夜も言った通りなんですが、私はサキュバスです。サキュバスというのは分かります……よね?
昨夜のことを思い出していただければ。
そうです。いわゆるファンタジー世界の住人で、大人なこと……をする魔族……みたいなものでして。
今更疑うんですか? 昨夜のことがあったのに?
ただの変態の人かもしれない……って、それはそれで怖いと思いますが……。
そんな人と普通にお話しするあなた、もしかして実は物凄く肝が据わっているタイプの方ですか?
……まあ疑うのならば証拠をお見せしますよ。
(指を鳴らす)
ほら、この頭の曲がった角とかー、あー! シャツ着たまま翼出しちゃいました。
痛たたた。
あ、やばいめくれちゃう。えーっと、うまく出せてないですが、背中のこの大混乱状態を見てもらえれば翼があるの分かりますよね?
あとは、このスカートの裾から出てる悪魔っぽい矢じり型の尻尾とかですかね?
……あ! ちょっと触らないでください。
いや、敏感とかではないんですが、普通に尻尾触られてるなーって感触がするだけで。
そうじゃなくて、今のあなたって、精力が極端に落ちている状態なので、サキュバスの身体に直接触るのってとっても毒なんです。
危ないからだめです。
えーっと、とりあえず一回元に戻しますね。
(指をならす)
……っと、これで大丈夫ですかね。
えーっと、それで、ですね? 私がサキュバスなことは再確認していただけたかな、と思うんですがー。
大人向けの漫画とか小説で読んだことがあるかと思いますが、イニシエーションというか、
つまり、一人前って認められるための試験で、ですね……。そういうのがありまして。それが、経験のない男性と、一夜を過ごしてこいと、つまりそういうわけで……。
そうです。一応、わたし、実戦は昨日が初めてで……。
それで、ついやりすぎてしまったというか、最高にハイになってしまったというか……。あの、加減がうまくいかずに……。
いえ! 確かに、確かに、
『命ごとぜーんぶ吸い尽くしてアゲル♡』とか、
『そのまま魂まで昇天しちゃえ♡』とか言っていましたけど!
別にそんな、命をとるつもりまでは無くてですね。あの……ロールプレイの一環として……していたわけで……。
いえ……それも正確ではありませんね。
演技というか、ロールプレイとして、こう、いかにもサキュバスなお姉さまを演じようとしたのは確かですが、
あなたとの繋がりの中で、これ以上ないほどに、精神的な高揚があって……つい我を忘れて、酷いことをしてしまいました。
その高揚感は、床で気絶しているあなたを見ても止まりませんでしたし、
倒れたあなたをそのままにして、魔界に帰った後も、その高揚感というか、心地よい感覚が続いていて、
正直、その日の燃えるような体験を噛みしめて、そのまま眠りについたんです。
もしかして、あなたにやりすぎてしまったのではないかと思ったのは、目が覚めて、冷静になってからでした。
だって、あなた、途中から白目を剥いて、人の言葉も話していなかったじゃないですか……。
冷静になって考えれば、大丈夫じゃないことは誰の目にも明らかです。
本当に、昨夜、私は正気ではありませんでした。
……わたし、サキュバス失格です。
どのくらいしてあげれば人間がどのくらい喜ぶかってことは、座学で学んでいたはずなのですが、
ぜんぜん生かすことができませんでした……。
許してくれ、とは言いません。ですが……
え? 初めて同士……?
えーっと、そうですね、一応、昨夜のことは、そういうことになります……かね?
……いや、どうして今そんなことを言うんですか!
恥ずかしいじゃないですか。
いや、確かにそうなんですけど……、お互いに初めての……相手なんですけど……。
いや、ちゃんと気持ちよかったとか、そういうのいいですから!
別にネガティブになっててそういう感想が聴きたいんじゃないんですってば!
……もう、調子くるっちゃうなあ……。
……危うく死にかけたのに、あなたは怒ってないんですか?
……はい。
そう……なんですか。
あの……、今更ながらにお聞きしますが、お付き合いしているひととか、……好きな、人とか……いたりするんでしょうか?
……いえ、なんか、昨日はそういうところ、深く考える余裕もなく、有無を言わさぬ感じで、そのー……一晩を一緒に過ごしてしまって……。
正直、そのことだけでも申し訳なく……。
まあ、サキュバスとしては当たり前のこと……ではあるんですが。
いない……ですか。それは良かったです……。
あ、いや、ひとりなのを煽っているわけではなくてですね。せめてその寝取りみたいな形にならなくてよかったなと……。
ええと、とにかく初めての相手を
なんでしょうか、この感情。
あの、うまく言えないんですが……私の、最初の相手になってくれて、ありがとうございます。
いえ、あなたが私にお礼を言うのは違いますよ。
私はただ着け火してから意気揚々と火消しにやってきたようなものですので……。
わたしに感謝するようだと、この先悪い人に騙されてしまいますよ?
……あ、食べ終わりましたか? あと一杯ほどお代わりありますけれど、いりますか?
はい、じゃあ残りはタッパに入れておきますね。一応伝えておきますけど早めに食べてくださいね。
タッパは……はい、流しの上の棚ですね。はい。了解です。
(雑炊を保存しながら)
あの……、今日の予定とかあったんじゃないんですか? 大丈夫ですか?
自主休講……? そういうものがあるんですね。
あの、必要以上に精力を取って、瀕死にさせてしまったこともあるので、あの、あなたさえよければ、なんですけど……。
回復するまで、しばらく来てご様子を見に伺っても良いですか?
はい。わかりました。では、もう少し元気になるまで……少し通わせていただきますね。
あ、……えーっと、一応言っておきますけれど、昨日みたいなことはしないですからね!
実感ないかもしれませんが、今、あなたは精力、つまり、生命エネルギーみたいなものがほとんどなくなっていますから、
その状態でサキュバスと、えーっと、そういう深い意味で『交流』してしまうと、本当にしんでしまいますからね。
それでは、わたしはこの辺りで帰りますから、ゆっくり休んでくださいね。
……え? 泊まって……いきませんよ! お話きいていましたか!?
いえ、あの……あなたが大丈夫でも、わたしの方が我慢できなくなってしまうかもしれませんので……。
名残惜しいですが……それでは……。
はい、おやすみなさい。
またあした。
クレジット
ライター情報
剣城・アイスドーラ・凍子です。
駆け出しの台本師
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いろんな設定のシチュエーションを書いていきます。
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