ごめーん、おにーさーん。

ちょっと遠くまで乗せてくんない？

いやー、一人旅っつーか、なんつーか…

まぁちょっと家出しちまった、みたいな感じ？

だーいじょぶだって！

お兄さんに迷惑はかけないからさ！お願い！

ありがとー！お兄さん大好き！愛してる！

年下は対象外？えー、つまんないのー。

ま、いーや。とりあえずオナシャス！



そそ。目的地はそこの海ね。

んー、まぁちょっとね…

それよりさ！ラジオじゃなくて、なんか面白い音楽かけてよ！

ちぇー。お兄さんのケーチ。

もー、ふて寝しちゃうから。おやすみー。



んぁ？もう着いたの？

あー、そうそう、ここここ。

なついなぁ…最後に来たのいつだろ…

まぁなんつーかさ、お母さんと来たことあるんだわ、この海。

お母さん、この海の景色が特別好きだって言っててさー。

まぁなんでかちょっと分かんないんだけど。

あはは、そうかもねー。

お父さんと旅行で来たことある思い出の海とかだったら、ロマンチックよねー。

ま、それももう叶わないんだけどね。

あはは！お兄さんは気にしなくていーよ！

わりーね、ここまで連れ回しちゃって。

あたし、そろそろ帰らなきゃ。

え？ううん、ここで会ってるよ、帰る場所。

多分あの海の向こうに…お母さんとお父さんが待ってるから。

そ、察しがいいね、お兄さん。

自力じゃここまでたどり着けなくてさー。

お兄さんがあたしのこと、見つけてくれてよかった。

いひひ。最後まで心配してくれて、ありがとーね。

うん…それじゃ、ホントに帰るから。

バイバイ、お兄さん♪

・台本（ゆるボイ！）
道端で拾った少女を海に連れて行った
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎