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血気盛んな女勇者は心優しい司書に恋してる
written by 松平蒼太郎
  • 切ない
  • 片思い
  • ファンタジー
  • シリアス
  • 勇者
  • ヒーロー
  • 翼人
  • 戦闘
公開日2021年12月04日 07:45 更新日2021年12月04日 07:45
文字数
2553文字(約 8分31秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
勇者/翼人
視聴者役柄
司書
場所
図書館/悪魔の住む洞窟
本編
し、司書さん!こん、こんにちは!

あ………す、すみません。声デカくて…

あ、はい。その、本…返しにきました。

あっ…そ、そっか。いつのまにか敬語に…

な、なんでだろうね〜…あはは…

あ、そうだ。今日は何かおすすめの本とかある?

ふーん…わかった。じゃあそれ、探してみるね。



見つけたよ。これだよね?

そっか。じゃあこれ、借ります。

…ん?あぁ、この間借りてた本の感想ね。

面白かったよ。

序盤から展開読めなかったし、何よりヒロインが最後身投げして死ぬか⁉︎って思ったところを、主人公がすんでのところで抱きとめてさ…!

そうそう!そんで主人公も怪我はしたけど、二人とも死なずにハッピーエンド!ヤバない⁉︎

あ、うん、ごめん…また声が…

え?…へー、この本もそうなんだ。

うん、帰ってゆっくり読む。今から楽しみ♪

じゃあ、司書さん、またね。

ん?……あはは、それは大丈夫。

魔物退治は勇者としてのあたしの仕事だからさ。

危険は伴うけどやりがいはあるし、腕っぷしが自慢のあたしにとっては天職だし。

心配してくれてありがと。それじゃあね。



よし、任務完了。

集会所に報告に行って…と。

さーて、早く帰って借りた本読まないと。

んで、本返しに行って…司書さんとまたお話ししたいなぁ…なんて…

司書さん、彼女とかいんのかな…

いたらショックだなぁ…てか、寝込む自信ある…

ん?……え、街が燃えてる…⁉︎なんで…⁉︎

まさか魔物の襲撃⁉︎急がないと…!



ここ…司書さんがいる図書館じゃん…

…っ!司書さん!どこ⁉︎いたら返事して!

いない…もしかしてもう…

ん?……あ、司書さん!よかった、無事だったんだ…!

(刺される)

え……し、司書さん…?なんで……

お、お前…司書さんじゃ、な、いな……誰……



あー、全治一ヶ月か…長い…

思ったより深く刺されたし…最悪…

アイツ、あの悪魔……絶対許さない…!

司書さんの身体奪って、司書さんの大切な本全部燃やしやがって…!

身体は……いてて。

けど数日休んだからもう動ける。大丈夫…!

今からぶっ潰しに行ってやる…!



前々からこの辺、怪しいと思ってたんだよね。

禍々しい魔力が感じられるし。

あとなんか変な匂いする…

…早速お出ましか。

こんだけの量の下級悪魔が出るってことは黒、だね。

アンタら全員ぶっ潰してやる…!覚悟しろ…!



はぁはぁ…

思ったより手こずった…

おい!そろそろ出てきてもいいんじゃない⁉︎

ここにいるのは分かってんだから!

…っ!司書さん……いや、悪魔!

さっさと司書さんの身体を返せ!

この身体はもうあたしのものだって……ふざけんな!

無理やりでも叩き出してやる!



はぁはぁ……いっつつ…

う、うっさい…!まだ戦えるし…!

がっ!くぅぅ…!

はぁはぁ……なんで、なんでよ…

こんな時に何もできないなんて…

あたし、なんのために勇者になったんだ…

え……司書さんが進んでお前を受け入れたって…

嘘だ!そんなことあるわけない!

え……それ、本当?

司書さんがつい最近、恋人を病気で亡くしたって…

そんであの図書館の蔵書だった、アンタが封印されてる本を開いて……最終的にアンタを受け入れた…

…そっか。そういうことか。

わざわざ教えてくれてありがと。

…違う。むしろ決心がついた。

そう、アンタをぶっ潰す決意が!

やっぱりお前は最低最悪の悪魔だ!

傷ついてる司書さんにとりいって、心も体も弄ぶなんて、絶対許さない!!!

これ以上、お前の好きにはさせない!

お前だけはあたしが倒す!司書さんはあたしが守る!

この剣に誓って………開翼!!!

どっからそんな力が湧いてくるんだって…

あたしは勇者だ!

お前みたいな悪を倒すためなら、何度だって立ち上がってやる!ハァァァァっ!



司書さん…司書さん!

気がついた⁉︎大丈夫⁉︎

え……お、覚えてるの?

悪魔に取り憑かれてた間のこと…

そっか……ゴメン、助けるの遅くなって…

いいよ、謝らないで……

恋人さん、失ったんでしょ?だったら仕方ないよ…

え?あ、この翼?

さぁ?よく分かんない。

なんか戦いの最中に覚醒したっていうか…

翼人?物語の御伽噺に出てくるっていう?

へー…不思議な力で人々を救う物語なんだ。

あ、あはは…そうかな?なんか柄じゃないけど…

ねぇ、司書さん…あたしね、好きな人がいるんだ。

そう。その人は真面目で優しくて、こんなあたしにも丁寧に接してくれる。

えへへ、そうなんだ。

けど今は告白すべきかどうか迷ってる。

その人の心はきっと恋人さんに向いてるから。

うん、いる……らしいよ。

きっと告白しても拒絶されると思うから…

だったら、告白しないで今の関係のままでいたいなって思うんだ。

勇者のくせに臆病だよね…自分のことながら笑える。

それは恥ずべきことじゃないって…どういうこと?

そうなんだ。司書さんにもそんな恋愛経験が…

失敗しても今の自分があるから後悔はしてない、か…

わかった。ありがとう、勇気づけてくれて。

けど、もう少しだけその人には待ってて欲しいかな…

告白する決心はつけたいって思うから。

うん……さ、帰ろっか!

いつまでもこんなジメジメしたとこに居たくないし!

え?図書館を燃やした張本人だから帰る場所はもう無いって…

そ、そっか…このまま帰ったら監獄行き…

大人しく刑に服するって…待ってよ!

司書さんは何も悪くないじゃん!

あれは全部、悪魔が悪いんだよ!

悪魔にとりいられる心の隙間を作ったのは自分自身だからって…けど!

やだ…やだやだ!

司書さんは完全に被害者なのに…!

こんなのってないよ…!酷すぎる…!

え……けどもしかしたら死刑になる可能性も…!

絶対帰ってくるから待ってて欲しいって……

司書さん……わかった。

じゃあ、あたしが司書さんの帰る場所になる。

ずっと、ずーっと待ってる。

司書さんが帰ってくるまで、ずっと。

す、好きな人のことはいいの!気にしないで!

(咳払い)

とりあえず…行こ、司書さん。

せっかく背中に翼が生えたんだし、飛んで帰ろ。

うん、つかまって……じゃ、飛ぶよ!レッツゴー!


うわぁ…すごい。

空からの景色ってこんななんだ…綺麗。

へ?ええっ⁉︎

あ、綺麗ってのはあたしじゃなくて、この銀色の翼の方だよね⁉︎もー、おどかさないでよ!

へっ?ど、どっちも綺麗?

そう、なんだ……えへっ、えへへっ♪

うん、司書さんに褒められてすっごく嬉しい!ありがとう!

司書さん…ダイスキ。

ううん、何でもない!それじゃ、降りるよー!



(ノック)

ん〜…誰、こんな朝早くに……は〜い…

……え?あれ、ここまだ夢の中?

あいたっ…ゆ、夢じゃない…ってことは…

司書さん…!出所できたんだ!おめでとう!

もー、言ってくれれば迎えに行ったのに!

驚かせたくてついって…司書さんの意地悪。

うん…待ってたよ。今まで、ずっと。

長かったけど…やっとこの言葉が言えるね。

司書さん……お帰りなさい!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
血気盛んな女勇者は心優しい司書に恋してる
http://yuruboi.com/script/3576

・台本制作者
松平蒼太郎
http://yuruboi.com/writer/0jxy68ewfe
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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