すみません、ちょっといいですか？

はい。ここじゃなんですので、場所を変えましょう。



実は貴方に相談がありまして…

はい。結構真剣な悩みなんですけど…

聞いてくれますか？

ありがとうございます。

じゃあ、そのですね…

クラスの…いいえ、学校中の美少女をクンカクンカするにはどうしたらいいと思います？

あっ！ちょっと！

人が真面目に話してるのに席を立たないでください！

どうせそんなことだろうと思った…？

じゃあわたしがいかに真剣だってことくらい分かるはずです。

は？誰が変態ですって？

わたしは変態ではありません。

美少女を愛でる紳士…いいえ、淑女です。

それより人が真面目に話してるんですから、貴方も真面目に聞いてください。

わたし、前までは美少女と同じ空間にいるだけで満足だったんです。

だって同じ空間にいるってことは、美少女の香りや吐息を間近で感じられるってことじゃないですか。

まぁそこに男子が混じると、少し萎えるんですが。

なんですか、その呆れた顔は…

話を続けますね。

けど最近、周りをよく観察しているうちに、どの女の子もみんな可愛く見えて…

一見、ブスに見える子も可愛くなる素質はあるんです。

わたし、自分で言うのもなんですが、結構人の容姿整えるの上手なんですよね。

ブスだ！って男子にバカにされてる子も、ちょっと地味めな教室の隅に座ってる子も、みんな可愛くなれるはずなんです！

そうですよ？

わたしが生徒会長に立候補したのもそのため。

名付けて「全校女子生徒美少女化計画」です！

あっ！まだです！まだ話は終わっていません！

で、今はわたしの血の滲むような努力によって、この学校は可愛い女の子であふれています。

はい。おかげさまで男子からも女子からも支持率は100%。

まぁそれはどうでもいいんですけど。

この学校に美少女成分が増えるにつれて、なんだか抑えが効かなくなってきて…

はい。ぶっちゃけ、めっちゃクンカクンカしたいです。

けどわたしは生徒会長。

流石に公私混同するような真似はできないじゃないですか。

は？そもそも「全校女子生徒美少女化計画」自体が私欲にまみれてるって…

うるさいです。

今はそういう意見を求めているわけではありません。

それでどうすればいいと思います？

わたし、このままだと手当たり次第に女の子を襲ってしまうかもしれません…！

それは地獄絵図だなって…そうでしょう？

だから我が生徒会のブレーンである副生徒会長兼幼馴染の貴方に意見を求めてるんじゃないですか。

ダメです。

そんな悠長なことをしていたら、あっという間に卒業してしまいます。

わたしたち、もう3年なんですよ？

健康診断…それはありですが、生徒であるわたしも受けなきゃいけないんですよね…

まぁその時は周りは女子ばかりですし、その空間の空気をめいっぱい吸えば問題ありません。

むぅ…思ったより役に立ちませんね。

貴方ならもう少し良案を出してくれると思ったんですが…

え？……あっ、そうですね。

少し話したらもう下校時刻ですね。早く帰りましょう。

…なんですか？

下校時刻ギリギリになったのをわたしのせいにするんですか？

これだから貴方という人は…

はいはい、わかってます。

すぐに出ますから、先に外で待っててください。



うーん…やはり間近でクンカクンカするのは難しいんでしょうか…

一人一人にお願いして、あとは芋づる式に…とかならないですかね？

度し難い変態に付ける薬はないって…

何言ってるんですか、人間はみんな元々変態です。

ただ社会で穏便に角を立たせることなく生きていくには、その変態性を隠さなきゃいけないだけです。

え？貴方の前で隠す必要はないと思って。

はい。貴方は誰かに言いふらして楽しんだり、余計な下心を持ったりしませんし。

それに…呆れこそしますけど、気持ち悪がったりバカにしたりせず、なんだかんだきちんと話は聞いてくれますから。

はい。信頼してると捉えていただいて構いません。

あと貴方も本当はわたしの同士であると信じていますから。

む…貴方だって本当は美少女の脇をクンカクンカしたいくせに。

そうだ！貴方の眠れる変態性を呼び覚ますべく、今度体育の授業で女装させて女子の群れに放り込んであげます！

ふふふっ、本当は満更でもないくせに♪

わたしにかかれば貴方のようなむさい男でも、可愛い女の子に変身できること間違いなしです！

あっ！ちょっと！何急に早足で帰ろうとしてるんですか！

待ってください！まだ話は終わってませんよ！もう！

・台本（ゆるボイ！）
俺の幼馴染でもある我が校の生徒会長は、清楚の皮を被った超弩級の変態だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎