ねぇねぇ！

お疲れのところ悪いんだけど、ちょっといい？

無視しないで、起ーきーてーよー！

あ、やっと起きた。おはよ。

誰って、君のクラスメイトだよ！

そーいうボケはいいから！

ちょっと聞きたいことあんだけど、いい？

うん。君って何者？種族は？

ただの人間って…嘘じゃん。

ただの、ではないでしょ？

なんか特別な能力とかあるんでしょ？

じゃないと、この学園には入れないって。

え……ホントにただの人間？

ってことは裏口入学？マジ？

うーん、怪しい…

じゃ、あたしが当ててあげる。

君は……ズバリ、超能力者！

見たところ、ホントに人間っぽいし。

ほらほら、出し惜しみせずにさ！

さっさとそのすごい能力見せてもろて！

え……あ、ちょっと待ってよー！



いたいた。もー、なんで逃げるの⁉︎

面倒臭そうだったからって…酷っ！

あー、もういいや。

力づくで正体、あぶり出してあげる。

ふふっ…ほら、早く何かしないと氷漬けになっちゃうよ？

そ。あたし、雪女。よろしくね。

で、どうするの？

そのままだと本当に氷漬けになっちゃうけど？

あらら…ホントに凍っちゃった…

おーい？もしもーし？

…ダメだ、全然反応しない。

あーあ、期待はずれだった。

クラスに全然馴染まないで、ずっと一人でいるからなんかすごい能力隠し持ってると思ったのに。

ま、いいや。次の授業終わったら解凍してあげよ。



ね、ねぇ…なんで君、普通に授業受けてんの？

氷が解けたからって…

だからそれをどうやって解いたかって聞いてんの！

絶対教えないって、何それ！

ちょっと待ってよ！ねぇってば！



おはよ。さ、学校行こ。

なんでここにって…

昨日君のあとつけて、家特定したから。

君の秘密暴くまで、君に付き纏うって決めたから。

は？ふざけてないし。

君が素直に教えてくれれば、あたしだってこんなことしない。

君、別にあたしのタイプってわけでもないし。

だって気になるじゃん！君の能力！

あ、そうだ！

もう一回氷漬けにして、溶ける様子を見ればいいんだ！

あ、ちょ！逃げんな！こらー！



ねー…いつになったら教えてくれんの？

早く教えないと、君の弁当の中身凍らすけど？

ちょ！早食いすんなし！

あっ、男子トイレに…！卑怯者ー！

君の秘密、絶対暴いてやるから！

それまで君に付き纏うの、絶対、ぜーったいやめないから！

覚悟しとけよなー！バーカ、バーカ！

・台本（ゆるボイ！）
クラスでひとりぼっちしてたら、陽キャ雪女にストーキングされる羽目になった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎