よっ、おひさ。

てか、大丈夫？めっちゃボロボロだけど。

ふーん…あれが君の因縁の相手…

君よりイケメンじゃない？

顔だけならあっちのがタイプかも。

あはは、冗談冗談。

あたしが好きなのは君だけだから。

で？あたしを呼び出したってことはかなり追い込まれてる？

あー、マジ？

てことはめっちゃ強いじゃん、あの人。

え、だって手持ちの武器全員、攻略されたんでしょ？

エクスカリバーとか、グングニルとか、ミョルニルとか…

んー…君に纏わりつく連中だから、正直ザマァみろって気持ちもなくはないけど…

てか、普通に思ってるけど。

でも武器としての実力は認めてるし、そうそう負ける相手なんていないとは思ってた。

君もボロボロになってるし…マジで何者？あの人。

ライバル、かぁ…

強敵と書いて友と読む、ってやつ？

えー？あたしにも手伝えって？

んー…じゃあ、あの人殺せたらあたしと結婚して。

今この場で約束できないんなら、あたし帰るから。

どうすんの？あたしと結婚する？しない？

無言は肯定って捉えるけどいい？

あっそ。じゃあ帰るわ。お先〜。

もー、なにー？まだなんか用？

はぁ？だーかーらー、結婚するって約束してくれたら、力貸すっつってんじゃん。

それ以外の条件なんて認めないし。

ほら、さっさと決めて。

あたしが気ぃ長くないの、知ってんでしょ？

オッケ。言質取ったからね。んじゃ、行こっか。



つっよ…こりゃ、他の武器連中も攻略されるわけだ…

あー、一撃でぶち殺すつもりだったんだけどなぁ！

まさか、初手の一撃で仕留め損なうなんて！最悪！

わかってるよ！こんなとこで諦めるほどやわじゃないし！

何より君との結婚がかかってんだから！絶対殺す！

殺せなかったら、ゲイボルグの名も廃(すた)るし！

ほら、君もしっかりして！

使い手がそんなへっぴり腰じゃ、殺れるもんも殺れないでしょ！

…さっき、なんか会話してたっぽいけど、今さら変な友情感じて、手加減するとか無しだからね！

ん、分かってんならいいけど。

(両手で自分の頬を叩く)

よしっ！君との将来のために、気合入れ直すか！

あたしに殺せないものはない！

(深呼吸)

君は？もういける？

オッケ。しっかり腰入れて戦えよ、旦那様！



あー…疲れた。君もお疲れさん。

ん…殺せなかったね。残念。

あ、いや、殺すもんはちゃんと殺した。

そ、あの人の不死身の身体。

しっかり一撃お見舞いしてやったし、確実に不老不死ではなくなってるでしょ。

ん？これでよかったのかもなって、何が？

へー…なんだ、一応あの人のこと認めてんじゃん。

神々に魂を売った裏切り者だー！って、めっちゃ憎んでたのに。

あっそ…男の友情ってやつ？知らんけど。

ふーん…これからは地上を守ることに専念すんだ。なるほどね。

あー、待って待って。

なんかいい感じに締めくくろうとしてるけど、一番大事なこと忘れてない？

はぁ⁉︎ちゃんと殺したじゃん！

あの人の不死身のか・ら・だ！

それは一部分だからノーカン…？

ふふっ…あははっ！

(押し倒す)

ねぇ、約束したよね？

あの人殺せたら、あたしと結婚するって。

なに？君って約束も守れないような人なの？さいてー。

いや、最低だとは思うけど、嫌いにはならない。

こんな最低な人愛せるの、あたしくらいだし。

ま、いいやもう。

既成事実と子どもつくったら、もう実質結婚してるようなもんだし。

は？子どもできるし。武器舐めんな。

と・に・か・く！約束はきちんと守ってもらうから！

それに地上を守るのに専念すんなら、あたしと結婚した方がどう考えてもお得でしょ！

ゲイボルグの力、全開で使えんだから！

あぁもう、うっさい！抵抗すんな！

バカじゃん…傷だらけの身体で暴れたらそりゃ痛いよ。

傷の治療？そんなもん後でいい。

痛みより快感が上回るから問題ないでしょ。

君のこともきちんと仕留めるから…覚悟してよ？

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレな魔槍に愛され過ぎて道具をただの道具として見られない〜切札・ゲイボルグ編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎