- 恋人同士
- 切ない
- 愛
- 死別
公開日2022年02月14日 19:00
更新日2022年02月14日 19:00
文字数
2187文字(約 7分18秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
最愛の彼を亡くした彼女
視聴者役柄
故人
場所
元二人の家の飾られた遺影の前
あらすじ
1年前のある朝、あなたは起きることなく彼女の隣で旅立った。
そんな運命の理不尽に揺れ、心が危うくなったりもしたが、ようやく一人の日々を受け入れつつある彼女は今朝も君の遺影に語る。
そんな運命の理不尽に揺れ、心が危うくなったりもしたが、ようやく一人の日々を受け入れつつある彼女は今朝も君の遺影に語る。
本編
……おはよう。
今日の朝も済んでいい青空だよ。
君のいる場所は私からはわからないけれど、こんないい天気だから、君のいる場所からはきっと見えるんだよね。
この声も、聞こえてるのかな。
聞こえていたら、嬉しいな。
……私にはそれもわからないから、そう考えるしかないんだけどね。
好きだよ。
そう言われると君はいつも、わかりやすいくらい照れてたよね。
それで、口をもごもごさせて、小さい声で好きだよって返してくれるの。
あの時の君のすべてが本当に好きなんだ。
可愛いし、不器用なところもあるけれど、それでも真っ直ぐ私のことを愛してくれてるっていうのを感じられることがどれだけ嬉しいか。
軽々しく好きだなんて言えない照れ屋さんだったからね。
君が言葉にする重み、私、ちゃんとわかってたよ。
だから私も、君に贈る好きの言葉はしっかりと気持ちを込めてあげてるの。
君は、わかってくれてるかな。
なんとなくでいいんだ。
ちょっぴりでいいんだ。
君が私の気持ちに、いつもみたいに照れててくれるなら嬉しいよ。
私はそんな君のこと、すごく好きだから。
ねえ、今日で丁度1年になるんだよ。
1年前のあの朝のこと、私はしっかりと覚えてるからね。
もしかすると、君は突然のことでよくわかってないんじゃないかって思うけど。
なんでなんだろうね。
なんで……君がこんなことになって……
その前の夜まで、全く考えたこともなかったから、今君の写真がこんな場所に置かれてるだなんて、未だに変に思うよ。
なんでなんだろうね。
なんで、ダブルベッドの隣はいつまでも空いているんだろうね。
なんで、ご飯を食べるテーブルの向こうには誰もいないんだろうね。
なんで……毎日がこんなにも静かなんだろうね。
ごめんね、君にこんなこと言ったところで、何の意味もないってことぐらい私はわかってるんだ。
わかってるけど、わかってるけど……
まだ、本当は生きてるんじゃないのって思うこともあるの。
例えば、私に嫌気が差して違う女のところに行っちゃったんじゃないかって。
そうでもないと、ここにいない理由、想像もつかないよ。
そんなことしない君なのに、本当に、私は酷い人だよね。
あの後、君のスマホを見てメールとか、会話履歴も確認したけど、疑わしいこともなかった。
だから、君がそんな悪いことしないことぐらい、私はよくわかってるはずなの。
だけど、その方が遥かによかった。
私の隣からいなくなるなら、その方がよかった。
そう言えるのは、こんな未来に一人残されちゃったからだけど。
何よりも思うんだ。
人って、こんなにもどうしようもない存在なんだって。
どんなに愛だ未来だと気持ちを通わせられる幸せの中にいたって、明日は確かなものじゃないんだねって。
私は大丈夫だよ……今のところ。
前の日までの健康な君がたった一夜で動かなくなってしまったことを目の当たりにした以上、何も信じられないけど。
でも、君がいたはずの日々を、君がどこかで見守ってるはずだって思いながら今日も生きてる。
君に見られてると思うと、恥ずかしい人生は歩めないでしょ?
うん、そう思えるように変われてよかった。
君に会いに行こうって思ってたこと、君も見てただろうから、わかるはず。
だけどね、私がいなくなったら、私たちの日常があったこの家はどうなっちゃうんだろうって思った。
私たちの愛を証明できるものすべて、私が守らないと消えちゃうんだろうなって。
それだけじゃなくて、君は、どうしようもなくなって会いに来るような私じゃ、責任……みたいなものをずっしり感じて、私の前で笑ってくれるどころか、目も合わせてくれないんじゃないかなって思ったの。
君の気持ちを正確にわかる私じゃないけれど、そんな君の姿ははっきり浮かんだんだ。
もしかして、あの時踏みとどまるまでは、そんな気持ちを抱えながら私を見てたんじゃないかって。
また会う時は私、そのことを喜びたかったから、今は違うんだろうなって思えた。
全部、私の都合のいい考え方に過ぎないって言われたらそうなんだけど、君に選ばされたんだって思ってる。
だから、それでよかったって思ってる。
危なかったよね。
もし君に手招きされてるんだって思ってたら、迷わず行ってたよ。
今は、運命が来た時こそ、君が迎えに来てくれたときだって信じてるから、大丈夫。
そうだな……今すぐになんていうのは、君が望まないと思うから、いつか、幸せの真っ最中で攫ってくれたなら。
でも、君無しで幸せになれるだなんて、君は見たくないかな?
そうだよね、これから何年もってなったら、君じゃない相手を考える時も来るのかな……
少なくとも、今の私には考えられないよ。
ちょっとどころじゃないぐらい、誰かさんに理想の人のハードル上げられちゃったからさ。
ふふっ。
最期まで独りだったら君のせいにするね。
ダメだって言うんだったら、私といい人を君が結んでよ。
君がそれを願うなら、私はそれに従うだけだから。
よろしくね。
代わりに約束する。
君が望んでないかもしれないけど、私は絶対に君のことを一番に愛し続けるね。
本当なら今日だって、きっと何十年後だって、一緒にいるはずだったから。
私の人生は、君のための人生。
胸、張れるようにしないとね。
君の場所に行くのは急がない。
歩くスピードで、君すらも待ち焦がれるぐらいのんびり向かってあげる。
これは君が私を置いて行った罰、かな。
だから、君も私のこと、ずっと大事に思っててね。
しばらくかかると思うけど、待っててね。
今日の朝も済んでいい青空だよ。
君のいる場所は私からはわからないけれど、こんないい天気だから、君のいる場所からはきっと見えるんだよね。
この声も、聞こえてるのかな。
聞こえていたら、嬉しいな。
……私にはそれもわからないから、そう考えるしかないんだけどね。
好きだよ。
そう言われると君はいつも、わかりやすいくらい照れてたよね。
それで、口をもごもごさせて、小さい声で好きだよって返してくれるの。
あの時の君のすべてが本当に好きなんだ。
可愛いし、不器用なところもあるけれど、それでも真っ直ぐ私のことを愛してくれてるっていうのを感じられることがどれだけ嬉しいか。
軽々しく好きだなんて言えない照れ屋さんだったからね。
君が言葉にする重み、私、ちゃんとわかってたよ。
だから私も、君に贈る好きの言葉はしっかりと気持ちを込めてあげてるの。
君は、わかってくれてるかな。
なんとなくでいいんだ。
ちょっぴりでいいんだ。
君が私の気持ちに、いつもみたいに照れててくれるなら嬉しいよ。
私はそんな君のこと、すごく好きだから。
ねえ、今日で丁度1年になるんだよ。
1年前のあの朝のこと、私はしっかりと覚えてるからね。
もしかすると、君は突然のことでよくわかってないんじゃないかって思うけど。
なんでなんだろうね。
なんで……君がこんなことになって……
その前の夜まで、全く考えたこともなかったから、今君の写真がこんな場所に置かれてるだなんて、未だに変に思うよ。
なんでなんだろうね。
なんで、ダブルベッドの隣はいつまでも空いているんだろうね。
なんで、ご飯を食べるテーブルの向こうには誰もいないんだろうね。
なんで……毎日がこんなにも静かなんだろうね。
ごめんね、君にこんなこと言ったところで、何の意味もないってことぐらい私はわかってるんだ。
わかってるけど、わかってるけど……
まだ、本当は生きてるんじゃないのって思うこともあるの。
例えば、私に嫌気が差して違う女のところに行っちゃったんじゃないかって。
そうでもないと、ここにいない理由、想像もつかないよ。
そんなことしない君なのに、本当に、私は酷い人だよね。
あの後、君のスマホを見てメールとか、会話履歴も確認したけど、疑わしいこともなかった。
だから、君がそんな悪いことしないことぐらい、私はよくわかってるはずなの。
だけど、その方が遥かによかった。
私の隣からいなくなるなら、その方がよかった。
そう言えるのは、こんな未来に一人残されちゃったからだけど。
何よりも思うんだ。
人って、こんなにもどうしようもない存在なんだって。
どんなに愛だ未来だと気持ちを通わせられる幸せの中にいたって、明日は確かなものじゃないんだねって。
私は大丈夫だよ……今のところ。
前の日までの健康な君がたった一夜で動かなくなってしまったことを目の当たりにした以上、何も信じられないけど。
でも、君がいたはずの日々を、君がどこかで見守ってるはずだって思いながら今日も生きてる。
君に見られてると思うと、恥ずかしい人生は歩めないでしょ?
うん、そう思えるように変われてよかった。
君に会いに行こうって思ってたこと、君も見てただろうから、わかるはず。
だけどね、私がいなくなったら、私たちの日常があったこの家はどうなっちゃうんだろうって思った。
私たちの愛を証明できるものすべて、私が守らないと消えちゃうんだろうなって。
それだけじゃなくて、君は、どうしようもなくなって会いに来るような私じゃ、責任……みたいなものをずっしり感じて、私の前で笑ってくれるどころか、目も合わせてくれないんじゃないかなって思ったの。
君の気持ちを正確にわかる私じゃないけれど、そんな君の姿ははっきり浮かんだんだ。
もしかして、あの時踏みとどまるまでは、そんな気持ちを抱えながら私を見てたんじゃないかって。
また会う時は私、そのことを喜びたかったから、今は違うんだろうなって思えた。
全部、私の都合のいい考え方に過ぎないって言われたらそうなんだけど、君に選ばされたんだって思ってる。
だから、それでよかったって思ってる。
危なかったよね。
もし君に手招きされてるんだって思ってたら、迷わず行ってたよ。
今は、運命が来た時こそ、君が迎えに来てくれたときだって信じてるから、大丈夫。
そうだな……今すぐになんていうのは、君が望まないと思うから、いつか、幸せの真っ最中で攫ってくれたなら。
でも、君無しで幸せになれるだなんて、君は見たくないかな?
そうだよね、これから何年もってなったら、君じゃない相手を考える時も来るのかな……
少なくとも、今の私には考えられないよ。
ちょっとどころじゃないぐらい、誰かさんに理想の人のハードル上げられちゃったからさ。
ふふっ。
最期まで独りだったら君のせいにするね。
ダメだって言うんだったら、私といい人を君が結んでよ。
君がそれを願うなら、私はそれに従うだけだから。
よろしくね。
代わりに約束する。
君が望んでないかもしれないけど、私は絶対に君のことを一番に愛し続けるね。
本当なら今日だって、きっと何十年後だって、一緒にいるはずだったから。
私の人生は、君のための人生。
胸、張れるようにしないとね。
君の場所に行くのは急がない。
歩くスピードで、君すらも待ち焦がれるぐらいのんびり向かってあげる。
これは君が私を置いて行った罰、かな。
だから、君も私のこと、ずっと大事に思っててね。
しばらくかかると思うけど、待っててね。
クレジット
ライター情報
ヤンデレとか書きます。
Twitterアカウントは@yorugi_suu以外一切関与しておりませんのでご了承ください。
Twitterアカウントは@yorugi_suu以外一切関与しておりませんのでご了承ください。
有償販売利用の条件
TwitterのDM等にてご一報ください。
利用実績(最大10件)
夜木嵩 の投稿台本(最大10件)