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彼女の恋敵現る
written by 夜木嵩
  • 誘惑
  • 再会
公開日2022年04月08日 18:20 更新日2022年04月08日 18:20
文字数
2220文字(約 7分24秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
かつての同級生
視聴者役柄
彼女持ちくん
場所
駅前の待ち合わせスポット
あらすじ
街で久しぶりに会った同級生の彼女は、学生時代あなたの知らないところで行われていた、あなたの彼女とのあなたの奪い合いに敗れていたのだとか。
その時からの好意は健在で、まだ密かに諦めていない彼女はあなたを誘惑する。
本編
あっ、久し振りじゃん!
覚えてる覚えてる?

そうそう私よー。
あれからもっと綺麗になったからわかりづらかったかな?
って、自分で言うことじゃないわね。

折角だし、ちょっと話さない?
友達との待ち合わせとかなら、時間あるでしょ?

うん、私もちょうど暇を持て余してたから。

 (間)

それで、君、まだあの子と付き合ってるんだ。
学生恋愛なんてすぐ別れるものだし、持っても卒業までっていうのが大半なのに、まだまだ熱が冷めないとは羨ましいものね。

何、そんなにあの子、いいの?
君の感性を疑ってるつもりはさらさらないんだけど、君にそれほどまでに愛してもらえるあの子のことが羨ましいなって。

だって、君が知ってたかはわからないけど、私だって君のことあの時から好きだったんだもん。
そりゃ、あの子が告白してそのまま恋人になったわけだから大人しく手を引いたけど、叶わなかった恋、私は気にしちゃうし……

誰でもっていうか、君だからなのかもしれないけどね?

そう。
私、実はまだ君のこと好きだったりするんだ。
驚いた?

っていうか当時の好意すら知らなかったのか。
流石は鈍感モテ男。
敗因は、そんな君に気付いてもらう方法を模索しているうちにあの子に正面突破の告白をされちゃったことなんだろうね。
あの子、無謀というか、勇気があるというか、あんなことされたら確かに勝てないわ。

だけどさ、あの時から君だってあの子が好きだったってことになるよね?
あの子でも無暗に玉砕覚悟の告白なんてしないと思うの。
もしかして、最初から私に勝算なんてなかった……?

ふふっ、今更気にしてもしょうがないわよね。
はぁ……恋っていうものは残酷ね。

受験勉強みたいな一本道の努力と違って、好きになってもらうにはどうすればいいかはわからないし、そもそも最初から縁がない可能性すらあるっていうのに、この感情は夢を見させて叶うかもしれないという甘い幻覚をもたらすの。
その先にあるのはドライな現実で、いつだってそのギャップに晒され続ける。
今みたいに、君には恋人がいて叶わないってわかりきってる方が楽なのよ。

あ、それとも、今なら私にも希望、あったりするかしら?

……なーんて、本当に君のことを狙うつもりなら、隙が無くても落としてみせないと。
ラブラブしてるところに割り込む図々しさというか、他人のものを平気で盗めるほど倫理欠落してるくらいじゃないともう君はあの子のものだもんね。

君はさ、あの子のこと、好きなの?
……ふふっ、即答なのね。

だったら、どんなところが好きなの?

ふーん、そっか。
聞かなきゃよかった。
だって、君とあの子が仲良くやってるのを必然的に想像しちゃうでしょ?
やっぱり、まだ嫉妬しちゃうんだ、私。

どうする?
あの子とは別れて、私と付き合えだなんて言ってきたら。
あ、言わないよ?
もしもの話ってだけだから深刻に考えないで欲しいの。

うん、やっぱり断るよね。
わざわざ別れるメリットもないだろうし。

……だけどさ、君は長らくあの子と付き合ってきて、不満の一つや二つぐらい、あるでしょ?
いくら深く愛し合ってたところで、違う人間のこと何もかもを愛せるだなんてあり得ないんだから。

何が言いたいかって、君のその不満、新しい恋に出会えばどうでもよくなるだろうなぁっていう提案。

ぶっちゃけ、ここまで年数付き合ってるんじゃ、恋人の先のステージ、考えてるんでしょ?
そうしたら尚更、ラブラブだけじゃどうにもならなくなってくるわ。

単純に言えば、もうひとつ、ストレス発散みたいに全部ぶちまけられる恋が必要なのよ。
それだけで、君はあの子とはうまくいくはず。

いいよ、君の本当の気持ちは変わらずあの子に向けたって。
その代わり、その気持ちの1割で十分だから、下心丸出しだって構わないから、私のこと捌け口にするみたいにぶつけてみない?

そうね、君が望むなら、セフレっていうのもアリよ。
というか、あの子一筋みたいなことを言っておきながらそんなこと考えちゃうんだ?
いけない彼氏ね。

もしかして、そっちの方面で何か、不満あったりする感じ?

んふふっ、男なんてそんなものよね。
でも、私なら君のこと、満たしてあげられるかも。
いや、君のためなら何だってする。
君が私のことを都合のいい女にしてくれたっていいから、私にそういうこと……任せなよ。

既にあの子にそういう不満を抱えてるんじゃ、家庭出来たらもっときつくなると思うわ。
だから、私みたいなのが君には必要なのよ。
それが夫婦長持ちの秘訣、みたいな。

あの子のことが好きだから、そんなこと出来ないって君は言うんだろうけど、むしろ逆だと思うな。
あの子のことが好きだからこそ、二人の不満をぶつけるため、私に頼らないと。

当然、口外できるような関係じゃないし、あの子にバレちゃったら大変なことになるけど、こんなもの、男のステータスでしょ?
こういう時に後先考えるなんて、むしろカッコ悪くてあの子にも愛想尽かされちゃうかも。

大丈夫、よくこういうのはバレるって言われてるけど、そんなの、やり方が下手なだけなんだから、徹底して隠蔽すれば何の問題もないわよ。
ほら、男のやるバカなことって女の勘だとかで容易く見抜かれるけど、女と女は騙し合いよ?
私が上手く段取り組んであげるから、そこのところは大船に乗ったつもりでいてくれると助かるわ。

ねえ、悪い話ではないでしょ?
私だって君のこと、好きなんだから。

君がその気じゃなくても、愛を込めて、あの子とは違う幸せを君に捧げようかしら。

さあ、据え膳は、男ならどうするんだっけ?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
彼女の恋敵現る
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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