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生徒会長は悪い子
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 生徒会長
公開日2022年07月05日 18:27 更新日2022年07月05日 18:27
文字数
2281文字(約 7分37秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
あなたも憧れている、仕事の出来る生徒会長。
しかし、彼女はもうそんな姿を演じ続けるのは限界なのだという……

():読み方に関する指示・役の動作(効果音の発生するもの)
[]:場面指定・変更

[@生徒会室/放課後の集まり]
本編
あのさ、副会長くん。
ちょっと、君だけに話があるから残ってくれないか?

そうだな……長くはしない、つもりだ。
本当にいつもすまない。

いいよ、話だけだから君はそこに座っててくれ。

ひとつ、聞かせてほしい。
君は、私のこと……どう思ってる?

どういう意味で、か……
そこは君に任せよう。
生徒会長としてなのか、あるいは一人の女としてなのか。
君がどういう目で見ているのかも気になるところだからな。

……憧れ?
そうか、君は、私のような姿に憧れを、ねぇ……

真面目で、いかなる時も冷静沈着、万人への優しさも持っている完璧なところ。
そういうところに憧れる。

……やっぱり、そう思われてるんだろうなとは思ったよ。
実際、私だって、そういうところを意識して生徒会長の仕事をやってきた。
それで君にそう思ってもらえているのなら、成功と言っていいんだろうな。

……だけど。
もう、演じきれないみたいなんだ。

 (会長、副会長に手錠)

私、もう、いい子ではいられないみたい。

そう。
いくら君の憧れる私とはいえ、こんな姿、素じゃ見せられないもの。
ずっと、「生徒会長」の看板を背負って生きるっていうんじゃ、1週間も持たないだろうな。

だがな、24時間フル稼働で1週間も持たないものを、その半分にも満たないの10時間程だとしても……いや、起床時間と考えると、家での自由時間を除いた大半はその「生徒会長」の看板を私は背負っているんだよ。
この役職に就いて数か月、むしろよく耐えた方だとは思わないか?

確かに、真面目さには素地もある。
子供の頃からの正義感の強さとか、私が真面目と呼ばれる理由があるのも恐らく事実。
そうでなかったら、生徒会長に立候補だってしてないだろう。

けれども、ただの真面目女と生徒会長じゃ、周りの見る目が変わるんだ。
ちょっとのふざけだって、今までは単に意外な目で見られていただけなのに、責め立てるように見られているようで何にもできない。

それに、表舞台に立つ機会は生徒会長になれば当然増える。
そして、トップとしての矜持を自らではなく、周りに着せられているように思えてしまうんだ。

失敗は許されない。
一番で当たり前。

何なんだよ……
私だってみんなと同じ人間じゃないか……

もちろん、遅刻だとか校則違反だとか、最低限のことは破るつもりもなければ、それが苦になっているわけでもない。
だけど、勉強も、日常生活も、行事のトラブルの対応も、何もかも完璧じゃないといけないなんて誰が決めたんだよ……

そりゃ、期待に応えるために頑張った!
出来ることならなんだって努力もした!

だけど、それはただ、裏切りたくなかっただけ……!
期待外れだって言われるのが怖かったんだよ……

……その一番の相手が、君、だったんだけどな。

あぁ、あんまり気にしないでくれ。
君が私に対して何かして追い詰めた、というわけではないんだ。

ただ、君に尊敬されたくて。
なんなら、君に恋させたくて。

君が好きなのは、仕事の出来る人だって聞いたから。

君に見せるために、精一杯の背伸びをして「生徒会長」であり続けてたんだよ私は。
君がそれを気付いていたかは知らない。
むしろ、出来る人でいたかったから、気付かれないように疲れた顔も、苦しい気持ちも、隠してた。

その甲斐もあってか、さっき君は私のことを憧れだって言ってくれた。
私、その言葉はとっても嬉しいんだ。
君に認めてもらえた気がするから。

だけど、それが良くなかったみたい。

最近、私おかしくてさ。
時々震えたり、朝、身体が動かなくなって、学校に行けなくなりそうになったり。

あとは、衝動に駆られるの。
急に叫びたくなったり、手が出そうになったり。

さらには……君に、酷いことしたくなって。

まさに今。
とうとう、抑えられなくなったみたい。

こんなことしてしまえば、もう二度と君の憧れの生徒会長ではいられない。
けれど、憧れの生徒会長という重荷を捨てられるんだ……

私が私でなくなってしまえば楽になれる……
だから、私は壊れたい……壊れたいんだよ……

それはきっと、酷いことをすればするほど。
君の気持ちを確かめずに、私のしたいこと、君にしてしまいたい……

今、君の中で、今までの私という印象が一気に崩れていってるんだろうね。

あぁ……たまらない……
今までの私を見る時には、決して見せてくれなかった瞳で私のことを見てる……

君の前で、もう今までの私でなんかいられない……!
どうせもう戻れないんだから……!

ねえ、今私、悪い子だよね?
どうしようもなく悪い子だよね?
……怖がらないで正直に言ってよ。

だよね……!
私は悪い子なんだ。
いい子の私なんて幻想なんだ。

抑圧されてたのは、悪い私。
仕事だけじゃなくて、倫理観も崩壊している私。

だけど、それが本当の私。
嫌われないように、誰かの前ではずっと隠してたんだ。

君にだけ、教えてあげる。

本当の私がどんな人か。
本当の私の愛がどんな形か。

私の愛する君だから、全部、教えてあげる。

もうね、私にも私のこと制御できないから、何するかわかんないや。
君のこと、どうしてやろうか。
どうすれば私は満たされるんだろう。

舌をねじ込んで絡ませるようなキスとか、押さえつけるようなハグとか……そんなのじゃ足りないかも。
君に私の物だって言わせて、言ってくれるまで殴ったりする調教もなんだか違う……

生徒会長が一番やっちゃいけないことって何だろう……
好きな人に一番やっちゃいけないことって何だろう……

そうだ、無理矢理君の身体を頂いてしまおう。
きっと私だけじゃなくて、君の心まで壊れてしまうだろうな。

君とするということ……
嫌がる君の顔……
望まない、取り返しのつかない結末……

あぁ、想像するだけで興奮が止まらない……

なぁ、君は私のことを壊したんだ。
その責任、取ってくれるよな?
だから、一緒に壊れてくれよ。

一緒に、壊れてくれよ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
生徒会長は悪い子
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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