貞操観念が逆転した世界に飛ばされたことを知った貴方は、慌てて彼女に電話をするが、彼女は貴方の疑問を当たり前だと一笑に付すのだった。
そんな貴方をよそに、彼女は海デートのことを話し始めるが…？

(着信)

はい、もしもーし？どうかした？

は？いきなり何言ってんの？

そんなの当たり前じゃん。男性より女性の方が数多いなんて普通でしょ？

てゆうか、君も身の回りには気をつけてよー？飢えた女どもに狙われないようにね？

…ねぇ、もしかして暑さで頭やられた？ちゃんと水分補給しといた方がいいよ。あとエアコンはちゃんとつけて。

ふーん…大丈夫ならいいけど。

それより今度、海行くでしょ？せっかくだし、水着新調しようと思うんだけど。

うん。だから今度水着選び手伝ってよ。いいでしょ？

オッケー。じゃあいつものショッピングセンターで。

日にちと時間は後でメールするから。

うん。それじゃ、当日はよろしくね。バイバイ。





あー、もう…人の少ない時間選んで来たってのに、君、どんだけナンパされんの…？

やっぱ君を連れてきたのは失敗だったかなぁ…でも水着は選んでもらいたかったし…

へ？元の世界？何言ってんの？SF映画の見過ぎじゃない？

いや、男性はおおむねモテるよ。ていうか、今どきモテない男性探す方が難しいし。

何にやついてんの？まさかモテるからって調子乗ってる？

(耳を引っ張る)

あのねぇ…彼女目の前にして、ほかの女にデレデレするとか有り得ないんだけど？耳とるよ？

ん、分かったらよろしい。とりあえず今度の海、楽しみにしてるね。





暑苦しい？我慢して。これはナンパ防止対策だから。

こうやって腕にしがみついとけば、どっからどう見ても、あたしが彼女だって分かるでしょ？

そこまでするよ。ただでさえ、男性比率が低いのに、こんなギャルだらけの海に来たら君、速攻食べられちゃうじゃん。

そ、それは…夏だし、君と夏の思い出作りたかったから…

(抱きしめられる)

何、急に…珍しいね、君から抱きついてくるなんて…

さっきは暑苦しいって言ったくせに…

う、いきなりそんなこと言われても…照れるじゃん、バカ。

でもありがと…君のそういうとこは好き。

(キス)

あははっ♪ 照れてる、可愛い♪

ん？なに？どうしたの？

まーだ、そんなこと言ってんの？やっぱ君、SF映画の見過ぎでしょ。

でもまぁ、君の言うとおりかな。どの世界に行っても、あたしはあたしだし。

まだ夏は始まったばっかだしさ…これからいっぱい、思い出作っていこうよ。

そうそう、プールとか花火大会とか。またまだやりたいこと沢山あるし。

さ、そろそろ泳ぎに行こっか。ぼさっとしてると置いてくからね。

・台本（ゆるボイ！）
貞操観念が逆転した世界でも、夏の青空の下での彼女の笑顔は輝いていた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎