貴方はとあるクラスメイトの女子に屋上に呼び出され、告白される。しかし、貴方は彼女が友達と示し合わせて、自分に嘘告白することを見抜いており、彼女を適当にあしらう。適当にあしらわれた彼女は怒り、貴方にクラス内で地味な嫌がらせを繰り返す。面倒に思った貴方は彼女を屋上に呼び出し、本気で迫る素振りを見せて…？

あっ…き、来てくれたんだ。ありがとう…


その、ね？君に大事な話があって…


うん…そ、その、あたしね、君のことが…


す、す、好きみたい、なんだ…


そ、そうだよ…愛の告白。


じゃなきゃ、わざわざこうして屋上に呼び出したりしないよ…


その、返事は…？


できれば受けてもらえると助かるなー、なんて…


えっ？あ、な、なんで？


なんでいきなりそんなこと言うの？酷いよ…


あたし、君に本気で告白してるのに、なんで…


(クソデカため息)


なんだ、見てたんだ。あたしがグループ内で嘘告白ゲームすることになったの…


あーあ…アンタのこと、落とせる自信あったのになぁ。


上目遣いに照れ要素組み合わせたら、どんな男子だってイチコロで堕ちる。


ましてや、あたしみたいな可愛い女子から告られたら、普通は舞い上がって即OKなはずなのに、なんでアンタは断るわけ？


嘘つけ。アンタに彼女いないのは知ってっから。


勝手にイマジナリー彼女作んなよ。


それともやっぱそっち系？女子より男子の方が好きだ的な？


ちょっと！まだ話は終わってないんだけど！


(腕を掴むが振り払われる)


ちょ…！そんな乱暴に振り払うことないじゃん！


女子への扱いじゃねーだろ、それ！


は、はぁ⁉︎ アンタ、あたしに喧嘩売ってんの⁉︎


本当のことって…あたしが全然魅力的じゃないって言いたいわけ⁉︎まじでムカつくんだけど！


(舌打ち)


アンタ、覚えときなよ？あたしの告白断ったこと、後悔させてやっから。


(屋上から立ち去る)


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ね、ねぇ…今いいかな？


その、話があるんだけどさ…


(舌打ち)


んだよ、アンタ…美少女が恥ずかしげに話しかけてるってのに、「猫被りはもういい」はねーだろ。


てかさー、アンタの交友関係調べたけど、隣のクラスのイケメンな一匹狼くんと友達らしいじゃん？あれ、あたしに紹介してよ。


別にー？何も企んでませんけどー？


そうやって勝手に深読みすんの、やめてもらっていい？キモいから。


はぁ⁉︎ ちょ、あたしの頼みを無視するわけ⁉︎ アンタの分際で！


ムッカー…！ちょっとマジでキレそう。


調子乗ってっと、本気で袋叩きにするけど…それでもいい？


嫌ならあたしの言うこと聞けよ。ほら、とっとと紹介しろ。


そ。嘘告白ゲーム。今度はあたしの友達が、アンタの友達に告んの。あたしが前にアンタにやったようにね。


心を弄ぶなんて人聞きの悪い。退屈さを紛らわすための、ちょっとした余興じゃん。


大体、こういうのって騙される方が悪くね？


つーかアンタもさぁ、いい加減ツラくない？


クラスの過半数からシカトされてんじゃん。


そろそろあたしに降参しろって。


そしたら、これからみんなにアンタのこと、シカトしないように言ってやるからさ…


ん？何？言いたいことがあるならはっきり言e…


(身体を後ろの壁に押し付けられる)


ぐっ…！な、何すんだよ！


陰キャのくせに、イキってんじゃねえぞ！


はっ？何言ってんの？頭おかしくなった？


あははっ！アンタ、バカぁ？


アンタがあたしを好き？あり得ないでしょ。


これまでアンタのこと、どんだけ嫌がらせしたと思ってんの？まさか忘れたわけじゃないでしょ？


いや、意味わかんねーから。


とにかく、その手どけろって…


…ッ！ちょ、調子乗んな！


あたしがアンタを好きになるなんてあり得ねーんだよ！たとえ、アンタがどんだけ本気だろうとね！


あ、もしかしてアレでしょ？あたしが嘘告したから、それの意趣返しで、自分も同じように嘘告してるってクチでしょ？


そういう手には引っかからねーから。


いいから、とっとと離せって！


(男に力づくで押さえ込まれる)


ちょ…！離せっつってんでしょ！叫ぶよ⁉︎


唇でふさぐって…まさかキス…？


いや！マジでキモいから！本気でやめてよ！


あたしに変なことしてみろ⁉︎ 友達が黙っちゃいねーから！あと、先生にチクるし！


(耳元でガチトーンで囁かれる)


……ッッ！ちょ、顔近いって…！


耳に口、近づけすぎ…そんなガチトーンで囁かないでよ…


…マジなの？本気であたしに告白してる…？


おかしいじゃん…アンタに嘘の告白して、クラスん中で嫌がらせして…そんな奴を好きになるって、アンタどんだけマゾなの？


それとも逆にあたしを屈服させたくなった？嗜虐心、刺激しちゃった感じ？


うっ…ア、アンタってよく見たら、ちょっとイケメンだね…陰キャって先入観で見てたから、気づかなかった…


あ、や…！今のは告白を受けるとはまた別の話で…！


ちょ、待ってよ…考える時間くらい寄越せって…


なんでそんな強引に迫れんの…？やっぱアンタおかしいって…


そ、そりゃ彼氏はいないけど…でもアンタと付き合うのは早すぎるっていうか…


ちょ、ま！キスはいくらなんでもやりすg…


………は？何、言って…？


興味、なかった…？最初から…？


え、でもさっきはガチの告白だって…！


ちょ、待ってよ！あそこまで熱烈に囁いといて「お前には全く興味がなかった」はないんじゃない⁉︎


あ……やっぱ怒ってたんだ…友達のこと…


いや、でも…！たしかにあたしが悪かったけど！


それでもここまで迫っといて、「実はお前に興味ありませんでした」は酷すぎでしょ！


…ッ！ホントに最初からあたしに興味なかったんだ…嘘告されたときから…


(男が屋上から立ち去る)


…あははっ。何これ…


展開が意味不明すぎんだけど。


一周まわってウケる…ホント何これ…


…興味、持たれてなかったんだ。最初から…


バッカみたい…そんな相手からの嘘告白をちょっと本気にして…何やってんの、あたし…


あーあ…今までは絶対上手くいってたのになぁ…嘘告白成功率百パーのあたしが、さ…


ああいう男の子もいるんだ…なんか逆に新鮮、かも…


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ね、ねぇ！ちょっと待って！


いや…用事ってわけじゃないんだけど…一緒に帰ろうかなって…


あ、あと、今までごめんなさい！


アンタのこと、弄ぶようなことばっかりして…！


…そこであっさり許すってことは、ホントに興味なかったんだね。あたしのこと…


あの、さ…あたし、嘘告白ゲームやめる。もう二度とやらない。


もちろん、アンタの友達にだって手は出さない。約束する。


あっ、ちょ！待ってよ！一緒に帰ろうってば！


(足早に立ち去る彼を追いかける)


ねぇ…！なんであたしに興味持ってくれないの⁉︎ どこまで無関心なわけ⁉︎


…ッ、そ、そう…わかった…


今のままじゃ、あたしはアンタの視界にも入らないんだね…


(一息ついてから話し出す)


…よしっ！決めた！


あたし、まずはアンタに興味を持ってもらうことにする！


理由？あたしが負けず嫌いだからに決まってんじゃん！


あたしに下心も持たず、鼻の下も伸ばさない男子なんてアンタが初めてだから。


いつか絶対、アンタのこと振り向かせてみせる。


…えっ？あ、ちょ、今の無し！


告白とかそんなんじゃないから！勘違いすんな、バーカ！


と、とりあえずあたしのこと興味ないっていう発言を撤回させる！そういうことだから！今のは！


そ、それに！あたしに告白したツケは高くつくから！


嘘だって分かってるけど…あんなに熱い告白されたら、ちょっとはその、そういう気になっちゃうじゃん…？


だから…あたしはアンタのこと、諦めないよ。


ふん…今に見てろ。


そのスカした態度、絶対崩してやるから。


そーいうことだから…改めて勝手によろしくさせてもらうんで。覚悟しとけー？

・台本（ゆるボイ！）
嘘告白してきたカースト上位の女子生徒を嘘告白返しでわからせる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎