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二人のイケメンお姉さん執事の坊っちゃん争奪戦
written by 松平蒼太郎
  • 執事
  • お姉さん
  • 修羅場
  • 掛け合い
  • 喧嘩
  • イケメン
公開日2023年06月02日 16:39 更新日2023年06月02日 16:39
文字数
3481文字(約 11分37秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
2 人
演者役柄
執事
視聴者役柄
お坊っちゃま
場所
某所→屋敷
あらすじ
タイプの違う二人のイケメン執事が、良家のお坊っちゃまである貴方をめぐって修羅場を巻き起こす話。二人に挟まれた貴方の運命やいかに…⁉︎
本編
A.オレっ娘執事 B.ボクっ娘執事


【Aパート】


(雨の中、執事が迎えに来る)


A.おう、坊ちゃん。迎えに来てやったぜ。


A.頼んでねぇじゃねぇ。おら、とっとと帰んぞ。手ェ貸せ。


(手を繋いで歩き出す)


A.…あ?世話焼くのは当たり前だろうが。俺はお前の執事だぞ?


A.キャラ付けじゃねぇ!一人称が俺なのは昔からだっつの!


A.ぼ、暴走族やってた時、だな…


A.うるせぇ。昔のことほじくり返すな、クソガキ。


A.つーかよ、なんでこんな土砂降りん中、勝手に出かけたんだよ?旦那さまと奥さま、心配してたぞ?


A.家出〜?なに似合わねえことしてんだよ。馬鹿じゃねえの?


A.似合わねえよ。反抗期だかなんだか知らねえが、家出なんてのは俺みてーな不良がやることなんだよ。


A.良家のお坊っちゃまは大人しく家でお勉強なり習い事なりしてりゃいいんだよ。


A.……何いきなりキレてんだよ。そんなにお坊っちゃまなのが嫌か?


(クソデカため息)


A.しゃーねぇなぁ…うし、ちょっと俺と遠出すっか。


A.あぁ。バイク、そこに停めてあるしな。雨だけど、サクッと遠くまで出かけるか。


A.おら、チンタラしてんじゃねえよ。ついてこねえと置いてくぞ?


(後ろに乗ったのを確認してヘルメットを被せる)


A.おし。じゃ、ちょっくら飛ばしてくから、俺の背中にしっかり捕まってろよ。いくぜ!


(バイクを発進させる)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


A.あ〜、前見えねぇ!このクソ雨がよぉ!


A.あぁ⁉︎今なんつった⁉︎ 雨風で聞こえねぇ!


A.ははは!バーカ!楽しいに決まってんだろ!


A.この悪天候の中、バイクぶっ飛ばすバカなんて俺くらいのモンだ!


A.今のうちにこのスリルは楽しんどけ!いつでも連れてけるとは限らねーからなぁ!


(引き続きバイクを走らせる)


A.おっ?雨止んできやがった。


A.おい、見ろよ!虹だぜ、虹!めっちゃ綺麗だな、おい!


A.ははは、だろー?バイクかっ飛ばして見る景色は最高だろ?


(バイクを路肩に停める)


A.おしっ、ちょっと休憩!自販機で飲みモン買ってやるよ。何がいい?


A.オレンジジュースね。りょーかい。


(自販機で飲み物購入)


A.ほらよ。俺がなけなしの金でわざわざ買ってやったんだから、感謝して飲めよ。


A.うるせー。給料なんてギャンブルとバイクのメンテ費用に使っちまったよ。


A.バカなのは当たり前だろ。執事なのにこのナリ、バカ以外の何者でもねえし。


A.あぁ、そーしろ。俺みてーなバカになるんじゃねぇ。習い事もお勉強もそこそこ真面目にこなせ。な?


(頭をわしゃわしゃ撫で回す)


A.うるせー。大人しく撫でられてろ、バーカ。


A.どーせ髪の毛びしょ濡れだし、ボサボサになっても変わんねえだろ。


A.…おぅ。そんじゃ、帰るか。家出ごっこはこれで終わりな。


A.あ?またバイクに乗りてえのか?


A.ま、気が向いたらな。どっかテキトーに連れてってやるよ。


A.今日のことは旦那さまと奥さまには内緒な?あと、あのいけすかねえアホ執事にも、な?


※この後、二人揃ってめちゃくちゃ怒られました


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【Bパート】


(ノック)


B.坊ちゃん、入るよ?


(ドアを開ける)


B.失礼します、坊ちゃん。あったかいスープをお持ちしました。どうぞ。


B.美味しい?よかった。飲んで、冷えた身体をしっかり温めてね。


B.今日は大変だったね。彼女にたくさん振り回されたろう?


B.そっか…まぁ、楽しめたんならよかった。


B.けど、土砂降りの中、バイクを80キロ以上かっ飛ばすのはやりすぎ。転んでたら大怪我じゃ済まなかったよ?


B.こんなこと、坊ちゃんに言っても仕方ないんだけどね…あんまり彼女に悪ノリしちゃダメだよ?坊ちゃんが大変な目に遭うからね。


B.旦那様と奥様に怒られたから、もう反省はしてると思うけど…僕からのちょっとした小言だと思って、聞いてもらえれば。


(抱きしめる)


B.あまり僕を心配させないでくれ…本気で坊ちゃんのこと、心配したんだからね?


B.坊っちゃんが多感な年頃で色々抱え込むのは分かるけど…それで無茶をされるとこっちもハラハラするからさ…


B.僕もできるだけ坊っちゃんの助けにはなるから…辛かったりしんどかったりしたら、僕にぶつけていいから…ね?


B.うん…分かってくれたならいい。それじゃ、僕と約束のチューしよっか?


B.そ。約束のチュー。僕の故郷では、大事な約束する時に相手の唇に自分の唇を重ねるんだ。


B.ふふ、知らなかったろう?それじゃあ、いくよ。ンー…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【共通パート】


(Aがノックして扉を開く)


A.おーい、坊っちゃーん?入んぞー?


B.……君、少しは空気を読むということをしてくれないかな?これからがいいところだったのに。


A.いや、坊っちゃんに何しようとしてんだ、テメェは…!また妙なこと吹き込んだんじゃねえだろうな…⁉︎


B.おいおい、言いがかりはよしてくれ。僕はただ、大事な約束をするときはチューをするのが常識だと教えてあげただけさ。それの何がいけないのかな?


A.いけないに決まってんだろうがよ!坊っちゃんに嘘の常識教えてんじゃねぇ!おい、坊っちゃん、騙されんな。約束するときはチューじゃなくて、指切りげんまんとか握手くらいで十分なんだよ。コイツの言ってること全部でたらめだから。


B.勢いに任せて僕の悪口を言わないでくれる?僕はただ坊っちゃんのためを思ってチューしてあげようとしただけだよ?


A.何が坊っちゃんのためだ!ふざけんな!私欲にまみれまくってんじゃねえか!勝手に坊っちゃんのファーストキス奪うのは許さねえからな!


B.じゃあ君が坊っちゃんのファーストキスを奪ってみれば?できるものならね。


A.ぐっ…!テ、テメェ、あんま調子に乗ってっとだなぁ…!


B.ふふ…いいのかな?そんなに凄んで、坊っちゃんを怖がらせて。せっかく上げた好感度がマイナスに振り切れちゃうよ?


A.のヤロ〜…!坊っちゃん、とりあえずこっち来い。そのアホのそばにいると碌なことにならねぇ。俺が正しい教育ってもんをしてやるからよ。


B.いやいや。坊っちゃんは僕がきちんと教育してあげるから、君は何も心配しなくていい。それより、君はお掃除やお洗濯の正しいやり方を一から学ぶべきじゃないかな?この間だって、メイド長にしこたま怒られていたじゃないか。


A.それとこれとは話が別だ。テメーみてーな淫乱執事に坊っちゃんを任せるわけにはいかねえんだよ。わかったら、とっとと坊っちゃんから離れな。


B.やれやれ…聞き分けのない不良執事くんだ。さて、どうしたものか…


A.…悪りいけど、坊っちゃんの命令でもコイツとは仲良くできねえな。いけすかねぇし、坊っちゃんの貞操を狙うしで、仲良くできる要素が全く見当たらねぇ。


B.同感だな。いかに坊っちゃんの命令といえど、それは承服しかねる。僕と坊っちゃんの邪魔するバカと仲良くする道理はないからね。


A.あぁ?今なんつった、こら。誰がバカだって?大体、邪魔すんのは当たり前だろうが!坊っちゃんの股間チラチラ見てんの、バレバレなんだよ!こんな危険人物、坊っちゃんと二人きりにできるか!


B.またお得意の言いがかりか。そうやって吠えることしか脳がないのかな、君は?君こそ、坊っちゃんをよくバイクの後ろに乗せてるけど、その時メス顔になってるのは自覚ないのかい?


A.ばっ…!そ、そんなんじゃねぇ!テキトー言うんじゃねえよ、このチャラ女!いい加減にしねえと、ぶっ飛ばすぞ!


B.君にできるかな?僕も武術には多少心得があってね。野蛮な猛獣たる君を撃退することぐらい容易い。


A.へぇ〜…!やれるもんならやってみr…って、なんだよ、坊っちゃん。そこ、退けよ。そいつ、とっととぶっ飛ばしてやっから。


B.坊っちゃん?割って入ると危ないよ?そこの野蛮女の攻撃に巻き込まれて怪我をしてしまう。


A.俺だけかよ!やり合おうって時点で、テメーも同罪だろうが!マジでいい加減にしろ!


B.それはこちらのセリフだね。いい加減、僕と坊っちゃんの邪魔をしないで欲しいかな。


A.おい、坊っちゃん…あのキザ野郎はああ言ってっけど、実際どうなんだよ?まさか本気でキスしたいとか言い出さねえよな?


B.坊っちゃんを脅すのはやめてくれるかな?坊っちゃんは僕にキスされそうになってとってもドキドキしてたもんね?まぁ、君に脅されてる時は、別の意味でドキドキしてただろうけど。


A.俺は坊っちゃんを脅してねえよ…!おい、はっきり言ってやれ。「僕が信頼してるのは貴方じゃなくて、こっちの執事さんです」って。


B.いいんだよ、無理しなくて。本当は彼女の威圧的な態度が怖いんだろう?「優しくて、気持ちのいい思いをさせてくれそうな執事さんの方がタイプです」ってはっきり言っちゃっていいからさ。


A.坊っちゃんは俺を選んでくれるよな?
B.坊っちゃんは僕を選んでくれるよね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
二人のイケメンお姉さん執事の坊っちゃん争奪戦
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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