ある夜、帰路を急いでいた男に、見覚えのない花魁が声をかけてきた。挨拶するや否や、彼女は隠し持っていた毒針を男の身体に打ち込んできて…？

※スズメバチのオスは繁殖期になると、女王蜂と外で交尾し、死ぬとのこと。稀に生き残る個体もいるらしい。

いたいた…やーっと見つけんしたよ？


うふふ…あちきはぁ、こういう者でありんす。


(毒針を男の身体に打ち込む)


何をしたかって？決まっておりんす。毒針を主さんのお身体に打ち込んだだけでありんすよ。


えぇ。あちき、蜂の物の怪にござりんすから。


ほぅら…すでに意識が朦朧としてきたでありんしょう？


主さん、あちきの可愛い後輩をずいぶん虐めてくださったようでありんすね？


彼女、主さんに身体を好き放題触られて、心身ともに傷ついておりんす。あぁ、なんて可哀想。


えぇ。あちきが彼女に代わって、主さんを成敗しに来た、というわけでありんす。ご理解いただけんした？


あらあら、この期に及んで言い訳とは、大層お見苦しゅうござりんすね？


主さんのようなクズはここでそのお命を絶っておいた方が、世のためでありんしょう。


ですが…そんな救いようのない主さんにも使い道はござりんす。


えぇ。主さん、あちきと番いになりんせん？


そう、番いにござりんす。


要するに、あちきの夫になれ、ということでありんす。


幸い、主さんはとても精力がお強いご様子ですし…子孫を残したいあちきとしては、極上の物件なのでありんすよ。


もっとも？あちきと交尾をしたオスは高確率でお亡くなりになるのでありんすが。


さぁ、どちらにしんす？


このまま毒にやられて死ぬか、それとも、あちきとヤることヤって、ご自身の遺伝子を後世に残してから死ぬか…どっち？


あぁ、もちろんヤるからには、主さんのことは気持ち良うしてあげんす。安心しておくんなんし？


ふふっ…決まりでありんすね。それでは失礼して…


(押し倒す)


まずは先ほど打ち込んだ毒を抜かねばなりんせんね…失礼しんす…


(毒を打ち込んだ箇所に唇を当て、毒を吸う)


はい、これで大体の毒は抜けんした。もう安心してよろしゅうござりんす。


さ、やっと心置きなく、交尾ができんすね。


うふふっ…怖がらなくて大丈夫。


先ほどは高確率で死ぬと申し上げんしたが…運が良ければ、生き残れるかもしれんせんよ？


ご自身の運命を、あちきのような美女に委ねるのも一興でありんせん？


もっとも今の主さんには、それしか選択肢がないのでありんすが。


今宵は、あちきとだけの甘美なひと時を過ごしんしょう…ね？

・台本（ゆるボイ！）
花魁蜂に命懸けの交尾を迫られる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎