とある少数精鋭の部隊に所属し、前衛として敵部隊を蹴散らしていた貴方は、生け捕りにすべき敵を一人、取り逃がしてしまう。己のミスを悔やみ、意気消沈する貴方の前に、同じ部隊でスナイパーをやっている後輩女子が現れて…？

あの、先輩…また、一人で突っ走っちゃったんですか…？敵は…？


そう、ですか…一人、逃げられたんですね…わかりました。今から、仕留めますから…


平気、です…相手の立ち位置は確認してますし…ここからなら、確実に当てられる…一応、スナイパーですので…


いいえ…先輩があと一歩のところでしくじるのは、いつものことですから…後輩として、きちんとフォローしますんで…早速、準備します…


(狙撃準備を開始)


…先輩？どうかしました？なんだか泣きそうな顔してますけど…


…嘘つき。悔し泣き、してる…わたしには、わかるから…ちょっと待ってて…


(狙撃準備を一旦取りやめ、彼を抱きしめる)


大丈夫、です…わたし、先輩の失敗を責めたりしませんから…


先輩が取り逃がした敵は、わたしが必ず、撃ち抜きますから…だから、泣かないで…？


はい…任せて、ください…先輩が失敗をしても大丈夫なように、わたしがいるんですから…わたしたちはチーム、なんですから…


はい…先輩はここで見てて、わたしのこと…先輩にかっこいいところ、見せるから…


(再び狙撃準備に取り掛かる)


大丈夫…敵はさっきの位置から動いていない…


風はほぼ無風、障害物・遮蔽物も無し…弾薬の装填も完了…あとは引き金を引くだけ……バン。


(狙撃)


………足、仕留めました。これでもう動けないはずです。


はい。敵の確保と制圧は、他の人たちに任せましょう。わたし、近くの味方に無線で連絡しますので…もう少しだけ、待っててください…


(無線で味方へ連絡)


連絡、終わりましたので…わたしたちはいったん基地に帰還しましょう……先輩？


あ、いえ…その、別に大したことしてませんから…わたしなんて、たかだか敵を一人仕留めたくらいですし…


…それを言うなら、先輩の方がすごいです。たしかに先輩は最後の詰めが甘いですが…でも、前線であそこまで派手に暴れられるのは、うちの部隊じゃ先輩くらいですよ…？


はい…先輩が敵の戦力の大部分を削ってくれるから、わたしもいつも楽ができるんです。今日なんて、一人制圧するだけで済みましたし…それに、こういう形で先輩のお役に立てるのも、個人的に悪くないなって思ってます、はい…


そ、そりゃあ、まぁ…味方の討ち漏らした敵を掃討するのが、スナイパーとしてのわたしの役割ですから…これからもじゃんじゃん頼ってください。別に迷惑とかじゃないんで…


ふふ…先輩、なんだか可愛い。ちょっとしおらしくなってるのが、ちょっと萌える…


ふふふ…ごめんなさい。でも、そんな先輩が好ｋ……あ、いえ、何でもないです、はい…


何でもないったら、ないです…！しつこい男は嫌われますよ…⁉ もぅ…！


(彼に背を向けて、つぶやく)


ホントに嫌いになることなんてないんだけどな…先輩、基本かっこいいし…あと、たまに可愛い、し…ふふ…

・台本（ゆるボイ！）
【信頼】無口系後輩スナイパーの不器用な励まし
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎