内容としましては「とある町に立ち寄った時、偶然お祭りをしており、そこで出会った少女にお祭りの楽しみ方を教えてもらう。」といった内容となっております。

　【ある日の夏、町の中にて】

　（ワイワイ、という人々の喧騒）

　おっ、そこの冒険者のお兄さん！

　どう？このガラス細工！綺麗でしょ？

　可愛い馬から綺麗なお花まで色々なのがあるよ！

　安くしておくよー。ね、一つどう？

　ん？その顔･･････もしかして、この町は初めてだね？

　普段はこんなに人は多くないし賑やかじゃないんだけど、今日はちょっと特別なの！

　今日はね、豊作を願って皆元気で居れますようにって、神様にお願いするお祭りの日なんだっ！

　だからこうして色んな人が屋台とか露店を出して、食べ物とかを売ってるんだよ～。

　あとそれとね？夜は花火が上がるんだっ！赤に黄色に緑に･･････とっても綺麗なんだよ？

　えへへ。

　ねぇお兄さん。お兄さんってお祭り、初めてなんだよね？

　んー･･････。

　よし、決めたっ！

　お兄さんにお祭りの回り方、教えてあげるっ！

　少ししたら店番の交代の時間だからさ、もし良かったらさ。

　私と一緒に行かない？

　もしこれでお祭りの魅力を知ってもらって、また来年も、ってなってくれたら私も嬉しいしさ。

　ね、どうかな？

　･･････。

　えへへ、ありがと。

　それじゃあ、あとちょっとだから待っててねっ！

　【同日】

　（ワイワイ、という喧騒）

　（タッタッ、と駆け寄って来る足音）

　お兄さーん！お待たせっ。

　それじゃあいこっか！

　（タンタン、という足音）

　んー･･････いい匂い･･････。

　とりあえず夜までは時間もあるし、まずは腹ごしらえかな？

　うぅ、色んなところからジュウジュウって、美味しそうな音がする･･････。

　あっ！焼きチキンがあるっ！パリパリしてて美味しそう･･････。

　あ、ねぇ、お兄さん。お兄さんの好きな物ってなんなの？

　･･････。

　お、それ私も食べたかったんだぁ。

　えへへ、気が合うね。

　それじゃあ･･････んっと。

　お、あそこのお店、今年もやってるんだ！

　あの屋台ね、すっごい美味しんだよっ！

　（タッタッ、という駆け足）

　おじさーん！二つ頂戴っ！

　ん、この人？実は今日お祭りが初めてみたいでね、案内してるんだっ。

　えっ、いや、違うよっ！もう、やめてよおじさん！

　･･････ん、ありがとうおじさん。

　それじゃあお兄さん、えっと･･････（首を回しながら周りを見るイメージをしていただけると）

　お、あそこ空いてるね。あそこに座ろっか。

　（ストン、と椅子に座る。）

　ん･･････ふぅ。

　それじゃあ食べよっか！お兄さん。

　（カシャカシャ、とプラステック容器を触っているような音などがあれば）

　いただきますっ。

　んむ･･････。

　んーっ！美味しいなぁ。

　ほらほら、お兄さんも！まだまだ花火までは時間があるんだし、お腹減っちゃうよ？

　･･････。

　どう？美味しいでしょ？

　あのおじさんの作るこれ、いつも楽しみなんだぁ。

　最近まで体の調子が悪かったみたいで心配だったけど、元気そうで良かった。

　えへへ。

　･･････私ね、お祭りは毎年こうして楽しんでいるんだけどね？

　お父さんとお母さんの他に、こうして男の人と一緒に、っていうのは初めてかも。

　そういえば、こうして誰かと話しながらお祭りを楽しむって、久しぶりだなぁ。

　その、お兄さんは･･････楽しい、かな？

　･･････あ、そのっ！お、お祭り！お祭り楽しいっ？

　･･････。

　そっか。良かった。
　
　んむ･･････。

　ん、ごちそうさま。

　美味しかったぁ。

　それじゃあ次は･･････甘い物が食べたいかも。

　行こ！お兄さんっ。

　（ワイワイ、という喧騒）

　（スタスタ、という足音）

　色々あるねぇ。

　お、あれ美味しそうだなぁ。

　あっ、チョコバナナ！

　･･････うーん、目移りしちゃう。どうしようかなぁ。

　んー･･････。

　あ、わたあめがあるっ！

　いいなぁ。これにしようかなぁ。

　どうしようかなぁ･･････。

　･･････。

　よしっ、決めた！

　わたあめにするっ！

　これだとお兄さんとも分け合えるしねっ。

　綿あめ一つくださーいっ！

　（ゴウンゴウン、という機械音があれば）

　おおっ、ふわふわ･･････。

　んむ･･････。

　んーっ、美味しい。

　はいっ！お兄さんも！

　･･････。

　えへへ、美味しいね。

　（ヒュー、ドン、等の花火の打ち上がる音があれば）

　あっ！花火･･････。

　もうそんな時間だったんだ。

　ね、ね！おにーさん、いい場所があるの！

　こっち来てっ！

　（タッタッ、という足音）

　ふぅ。着いたよ。

　えへへ、どう？ここからだと花火が良く見えるでしょ？

　いつもここから花火を見てるんだぁ。

　（花火の音）

　わぁ･･････綺麗･･････。

　ねぇ、お兄さん。

　今日は楽しかった？

　･･････。

　私はさ、まぁ、毎年来ているお祭りだから。

　楽しかったよ？

　あ、でも。その･･････えっと。

　えへへ、何でもないっ。

　（花火の音）

　んと･･････。

　えっと、さ。また来年になったらさ、お祭りに来てくれる？

　実はね、まだお兄さんに紹介しきれてないのがあるのっ！

　まだ美味しいものもあるし、楽しいのもあるし、盛り上がるものもあって、それから･･････。

　だから、さ。

　その、えっと･･････。

　ま、またさっ！来てくれる？

　･･････。

　私、楽しみにしてるからさっ！

　えへへ。

・台本（ゆるボイ！）
夏祭りで出会った少女と
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清　カズスケ