0
ヤンデレ氷の女王
  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
  • クーデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2963文字(約 9分53秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
女王様
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 内容としましては「町から町を繋ぐ雪道を歩いていると、そこに女王が表れて・・・・・・。」といった流れとなっております。

 キャライメージは「長く疎かった反動で暴走する女王様」です。
本編
 【とある日の昼、雪の吹きすさぶ道にて】

 (ヒュウウウ、という風の音)

 (ザッザッ、と雪を踏む音)

 おい、そこのお前。

 何をしている。

 ここは人の領地から外れた場所だぞ。

 もしや、近道だからとこの道を使っておるのか?

 そのような勝手な事をするでない。

 ここは私の収める領地だ。そこに人間がいたとなれば我が配下に見つかり次第、どうなるかわからぬぞ?
 
 ・・・・・・ふふ、その顔。理解したようだな。

 身の程を弁える者は好きだぞ?

 いいだろう。その態度に免じて、私自らその道へ連れて行ってやろう。

 こっちだ。はぐれるなよ?

 だが、あまり近寄るでない。

 人の熱は好きでないのだ。

 (ザッザッ、という足音)

 私の配下だけでは留まらず、あそこには熊なども出る事がある。

 ふふ、運が良かったな。

 これに懲りたら、もうあそこには立ち寄らぬ事だ。
 
 (ザッザッ、という足音)

 ここだ。雪が踏み固められて道になっているであろう?

 人間の商人や冒険者などがここをよく通るのを見る。

 ぞろぞろと、うっとおしい。

 ・・・・・・昔、人間共と契約をしてな。

 この道のみを使うのであれば、我らは人間達に手出しをしないというものだ。

 この道は人間共にとって無くてはならぬ道らしい。

 お前も、この先にある町に用があるのだろう?

 ほら、さっさと行け。

 それと、この道の事を覚えておけ。

 分かったな?

 ・・・・・・次、あそこに立ち入った時は、容赦せぬ。

 ではな。私はこれから城へと戻って配下と相談すべき事があるのでな。

 【別日、同場所】

 (ヒョオオオ、という風の音)

 (ザッザッ、という雪の踏む音)

 (ザッザッ、と何十人もの行進の音)

 む、お前はこの前の・・・・・・。

 あぁ、後ろの者達は私の配下だ。

 皆の者、武器を収めよ。人間共との契約を忘れたのか?

 お前がこの道を使う限り、我らは襲う事はない。安心しろ。

 ・・・・・・む、どうしたのだ?

 あぁ、もしや血の匂いが気になるのか?

 実は今日、人間の盗賊共が我の領地に入って来てな。

 それの対処をしておったのだ。

 あやつら、手当たり次第に動物を狩りおって・・・・・・。

 それも、肉を食わずに毛皮だけ剥いでいったのだ。

 あのままではその地一体の動物が狩り尽くされかねぬ故、こうして、な。

 一人を残して全員氷漬けにしたゆえ、もう来ないと思うがな。

 しかし、人間共が恐れおののき私へと向けるあの目。あれはどうにも慣れぬ。

 ・・・・・・ふふ、ただの戯言だ。

 そういえば、お前・・・・・・そなたはそのような目をせぬな。

 私が怖くは・・・・・・無いのか?

 ・・・・・・そ、そうか。

 ふふ。そのように正直に言う人間に会うのは初めてでな。

 少し、言葉に迷ってしまうな。

 ・・・・・・その、なんだ。

 もしそなたさえ良かったらこれから私の城で・・・・・・。

 いや、何でもない。

 この道を使うという事は、この先の町に用があるのであろう?

 引き留めてすまぬな。

 皆の者、この者が道を通るゆえ、直ちに道を開けよ。

 (ザッザッ、という行進の音)

 さ、早く行くがよい。

 (ザッザッ、と雪を踏む足音)

 【同日、帰り道にて】

 (ヒュオオオ、という風の音)

 む・・・・・・待っていたぞ。

 ふふ、驚いたか?まさか帰り道に私と出会うとは思わなかっただろう?

 必ずこの道を通ることは知っていたからな。待っておったのだ。

 実はそなたを城へ招き、茶でも馳走(ちそう)しようと思っていたのだが、日も傾き始めておるからな。

 だから、このような場所ですまないが、二人きりで話したくてな。

 その、そなたは・・・・・・。(話題に迷っている内情をイメージしていただけると)

 ど、動物は好きか?

 ここには可愛らしい動物が数多くいてな。

 雪ウサギにまだ子供の狼、それとふさふさな鹿などが時折城の窓からも見えてな?

 無邪気に雪と戯れるのを見ると、こちらまでつい頬が緩んで・・・・・・。

 あ・・・・・・す、すまない。私一人でそなたの気も知らずに・・・・・・。

 む?そなた手をケガしておるぞ?

 見せてみよ。

 ふむ・・・・・・よし、治ったぞ。

 ふふ、この程度造作もない。

 ・・・・・・あ、す、すまぬ!冷たかったであろう?

 突然そなたの手に触れてしまい、すまなかった。

 その、一つお願いがあるのだが・・・・・・良いか?

 そ、そなたの手を握りたいのだが、よいか?

 ・・・・・・ふふ、そうか。優しいな、そなたは。

 (スリスリ、と肌の擦れ合う音)

 暖かいな。そなたの手は。

 こうしていると、私の手の白が目立つな。

 そ、その。そなたの手をこのまま、私の頬に当てても良いか?

 ・・・・・・ふふ、感謝する。

 (スリスリ)
 
 あぁ・・・・・・溶けてしまいそうだ。

 そ、その。溶けるというのは例えであって、蕩けそうというか、恥ずかしいというか・・・・・・っ。

 いやっ!なんでもない!

 ありがとう。それと、引き留めてすまぬな。

 まだこの道を、そなたは通るのだな?

 そ、その。その、だな。

 もし、そなたがまた私に会いたいと思ってくれるのであれば・・・・・・。

 私とそなたが初めて会った場所、覚えておるか?

 そこで私は待っておる。だから・・・・・・もし、もしも。

 そう思ってくれたのならば、そこへ来て欲しい。

 勿論、今日のこの事を全て忘れても構わぬ。

 だが、私は・・・・・・。

 いや、これは卑怯だな。なんでもない。

 む。暗くなってきたな。

 長く引き留めてしまってすまない。

 では、な。

 そなたの無事を祈っておるぞ。

 【別日、初めて会った場所で】

 (ザッザッ、と雪を踏む音)

 あ・・・・・・そ、そなたっ!来てくれたのだなっ!

 ふふ、そうか・・・・・・そうかっ!

 ふふふ。

 では、もう隠す必要もないのだな?

 私、実はな?

 ずっとそなたのような者に愛されたかったのだ。

 暖かくて、蕩けてしまう程に優しい者に。

 ずっと、憧れていたのだ。

 だが、氷の女王というだけで、私の存在は疎まれてな。

 人間共には恐怖を向けられ、配下からは畏怖の目でみられる。

 それに、私にはこの地を守るという役目もあるゆえ、永くその事を忘れていたのだ。

 だが、そなたは・・・・・・ふふ。

 あぁ・・・・・・とても嬉しいぞ。

 私とそなたは、同じ気持ちだったのだな。
 
 そなたも、実は私に会うためにあの町へ通っておったのであろう?

 ふふ、そうなのであろう?

 あぁ、なぜ早くその事に気が付かなかったのであろう。

 だが、これからはそのような建前なんていらぬぞ?ふふふ。

 (ヒョオオオ、という風の音)

 (ドサ、と横転する音)

 あぁ、すまない。

 気持ちが高ぶって、そなたの足を氷漬けにしてしまった。

 今元に戻すからな。

 む・・・・・・。

 よし。どうだ、歩けるか?
 
 ん、大丈夫そうだな。

 では、いこうか。私の城に。

 着いたらすぐに、茶を淹れるからな?

 あぁ・・・・・・楽しみだ。

 これから毎日。朝起きて夜眠るまで、そなたと一緒にいれるのだな。

 もう、自分を抑えなくてもよいのだな。

 そなたに、愛の言葉を言ってしまってもよいのだな?

 これからは、そなたの事を離さぬからな?
 
 この体がそなたの暖かさで溶けてしまいそうな程、ずっと、ずっと・・・・・・。

 ふふ、ふふふ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレ氷の女王
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
 顔アイコンはTTIさん「@tti_design」の絵を拝借しております。

 夢は1個800円の卵を毎日2個食べられる暮らしです。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
一ノ清 カズスケ の投稿台本(最大10件)