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【日本神話/戦闘】粗暴な嵐の神がわたしの王子様になった件について
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • スサノオ
  • 日本神話
  • 戦闘
  • 八岐大蛇
  • 俺様
  • プロポーズ
公開日2025年03月18日 07:49 更新日2025年03月18日 07:49
文字数
2180文字(約 7分16秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
須佐之男命
視聴者役柄
櫛名田比売の親友
場所
出雲国
あらすじ
櫛名田比売(くしなだひめ)の身代わりとして、八岐大蛇の生け贄になることを決意した貴女のもとに、須佐之男命(スサノオのミコト)という嵐の神が現れた。生け贄が櫛名田比売でないことに驚いたものの、貴女が彼女の身代わりになったことを聞くと、愉快そうに笑ってみせて…?
本編
よぉ、姫。助けに来たぜ…


…って、誰だアンタ?櫛名田比売(くしなだひめ)じゃねぇな?今日の儀式の生け贄は姫のはずだけど…


…はぁ?姫の身代わりぃ?んだよ、それ…なんでそんなこと…


……ほー?姫の友達だから?友達のためなら、命すら賭けられるってか?それ、本気で言ってる?


本気、かぁ…ふふ、面白えじゃん。気に入ったぜ、お前のこと。


生け贄の対象が急遽変更したのは予想外だったが…とりあえず、作戦内容の確認な。


おぅ。まず、八岐大蛇(やまたのおろち)…あいつらの首は八つある。


それを抑えるための八つの門と、その内側に用意したクソ強え酒の入った桶…そこにお前が生け贄という名の囮になり、奴らの首をそこに誘い込む。


そして、奴らが桶に入った酒を飲んで、酔い潰れたところをこの神剣でぶった斬るって寸法よ。


あ?んだよ、俺の力を疑ってんのか?


高天原(たかまがはら)を追放されたとはいえ、仮にも嵐の神だぜ?あんな奴らのそっ首を落とすなんてわけねぇ。


つっても、流石の俺も正面衝突じゃ、完全勝利できるか怪しいからな…だからこそ、酒を飲んで酔わせたところを強襲するわけだが。


はぁ?この作戦を立てたのが、本当に俺か怪しいって?俺の頭が悪いって言いてえの?


コイツ〜…鋭い女だな。そうだよ、これは俺が考えた作戦じゃねぇよ。


俺の姉貴…天照(あまてらす)ってんだけど、その補佐役の男が考えた作戦だよ。そいつ、人間のくせして、随分頭が切れる奴でな…


…って、んなことはどうでもいいんだよ!今は化け物退治に集中だ、集中!


(自分の頬を叩いて気合いを入れる)


っしゃあ!八岐大蛇は、俺がぶっ潰す!お前も腹括れよ!


…お願い?何だよ…俺に何かして欲しいことでもあんのか?


へっ…上等。お望み通り、闘魂注入してやるよ…おらっ、女は度胸!


(彼女の背中を手のひらでバシンと叩く)


ははは…んな痛がんなよ。励ましてくれっつったのはお前だろ?


でもまぁ、そんだけ憎まれ口を叩けるんなら、上等だな。


囮役、頼んだぞ。俺は指定の場所で待機しとくから。


(やがて八岐大蛇がやってくる)


来た来た…あれが八つ首のバケモンかぁ。相手にとって不足なし、だな…


……おっ?へぇ、やるな?


あのバケモン目の前にしても、堂々と立ってやがる…流石、姫の身代わりに立候補しただけある。


俺もあの覚悟に応えてやらなきゃなぁ……っと、もう酒を飲み始めたか、バケモンめ。


もう少し…もう少し…アイツらがきっちり酔っ払う、その時まで……


…!今だっ!いくぞ、おらぁっ!まずは一本!


(腰の剣を抜き、八岐大蛇の頭を斬り始める)


次…!二本目っ!


三…!四…!五…!


はぁっ、はぁっ…!あと、三本…!


ちぃっ…!コイツ、めっちゃ暴れんな…!斬り辛え…!


六…!七…!あと、一本…!


…!無駄だっ!姫はテメェの、食いもんじゃねぇ!だらぁっ!


(全ての首を斬り落とす)


はぁ、はぁ…!はぁ、はぁ…!


やっっっ、べ…!思ったより手こずったなぁ、おい…!想像以上のバケモンじゃねぇか、この野郎…!


(女が駆け寄ってくる)


……おぅ、もう終わったぞ。お疲れさん。


へーきへーき…ここまで派手に暴れたのは生まれて初めてだからよ…ちょっと疲れただけ…


…なぁ。少しだけ太もも貸してくんね?ちょっと休憩させて…


ありがとう…じゃ、ちょっくら失礼して…


(膝枕してもらう)


はぁ…なんかアレだな、思ったよりフカフカだな…お前の太もも枕。


いや、別に太ってるとかじゃ…いや、まぁ、姫よりは少し太ってなくも……いてっ!


ちょ、いてて!デコピンやめろって!地味に痛えし、うっとおしい!


わーったって…!二度とそーいうことは言いません!これで満足かぁ⁉︎


はぁ…いてて…おでこ、絶対真っ赤に腫れてんだろうなぁ。


なんで死闘を終えた後で、人間の女からデコピンくらってんだ、俺は…


…あん?自己紹介?なんで今さら…姫から俺のことは聞いてんだろ?


はぁ…まぁ、いいけどさ。


俺はスサノオ…須佐之男命(スサノオノミコト)。


高天原の神…なんだけど、ちょっとやんちゃしすぎて、追放された。以後、お見知りおきを。


うるせぇな…やんちゃしたことには突っ込まねえ約束だろうが。ったく…


…で?お前は?俺、お前のこと何も知らねえからさ…せっかくだし、教えてくれよ。


……へぇ、いい名前じゃん。姫には及ばねえけど、素敵だと思うぞ。


一言余計?そりゃ悪うござんした〜…っと、そろそろ起きるか。ちょっとやらなきゃいけないことあるし。


(彼女の太ももから起き上がり、八岐大蛇の死骸を漁り始める)


んーと…さっき首を斬ったとき、硬い感触があったんだよなー…どれだどれだー…


…お、あった!コイツか…!


(尾っぽの部分から太刀を取り出す)


へぇ…!スゲー上等な太刀だな、こりゃ…!


まさかバケモンの尾の中に、こんな代物が…これは後で姉貴にでも献上するか。


名前は…そうだな、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)。うん、我ながらいい命名。


あのバケモン、常に頭の上に雲の大群乗っけてやがったからな〜…


(太刀を腰の鞘に納める)


さーて、これからどうすっか…


本当なら化け物退治の報酬で、姫を嫁にもらう予定だったんだが…どっかの誰かさんが、姫の身代わりになっちまったからな〜?


…別に?まぁ、強いて言うことがあるとすれば…嫁にするなら、お前がいいってことぐらい?


もちろん、美貌って意味じゃ、姫のが圧倒的に上だけどな。


けど…親友の身代わりで、あのバケモンの前に立てる女はそうはいねぇ。


だから…嫁にするなら、お前みてーな肝っ玉座った女のがいい。


褒めてる褒めてる。最高に褒めてるよ。


正真正銘、お前はこの国で最高の女だ…俺が保証する。


(抱きしめる)


これからよろしく…正妻として、俺のことをそばで支えてくれ。な?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【日本神話/戦闘】粗暴な嵐の神がわたしの王子様になった件について
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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