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卒業する部長の告白
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公開日2021年06月27日 20:02 更新日2021年08月25日 17:19
文字数
1242文字(約 4分9秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
卒業する部長
視聴者役柄
後輩
場所
部室
あらすじ
部員たちによる卒業祝いも終わり、部室に部長と二人きりになった後輩のあなた。そんなあなたに、彼は今まで隠していた胸の内を明かします。
本編
おめーらは先に行っててくれ。
俺はもう少し思い出に浸ってから行くからよ。
正門で待ってる?わかった。
ああ、寄せ書き、ありがとな。

(部員たちが部室を後にする)
(一人後輩が残っていることに気づく)

ん?お前はあいつらと一緒じゃなくていいのか?
お邪魔でしたかって、いや、そういうつもりで言ったんじゃねぇんだ。
むしろ、残ったのがお前でよかったかもしれない。
愚痴っぽくなるかもしれないが、少し、付き合ってくれるか?

(後輩頷く)

ありがとう。

(言葉を選ぶように語りだす)

俺は部長としてここまでやってきたが、本当はずっと不安だったんだ。
俺たちがこの部に入ったとき、先輩は三年生しかいなくてな。
すぐに引退したから、部長としての立ち振る舞いを学ぶこともできなかった。

だから俺は部長として何をすればいいのか、何て部員に声を掛ければいいのか、正解なんてわからないままだったんだ。

でもこうして、寄せ書きをもらって、そのメッセージを見て救われた。
俺のやってきたことは少なくとも間違ってはなかったんだってな。

そんなこと思っていたなんて知らなかった、か。
まあ、後輩に悩んでる姿見せたらカッコつかないだろ?

本当にありがとな。
こんなちゃらんぽらんな部長についてきてくれて。

先輩は素敵な部長でしたって?
部長冥利につきることを言ってくれるじゃねぇか。

お前も会計として支えてくれた。本当にありがとう。
ふふっ、さっきから礼を言ってばかりだな、俺は。

(迷いがあるように)

えっと、こんなことをお前に言いたかったんじゃねぇんだ。
いや、言いたかったんだけど、本当に伝えたいことは別にあってだな……

(意を決し、後輩を見つめる)

俺は……お前のことが好きだ。付き合ってほしい。

お前が入部したとき、俺にとってお前は一後輩に過ぎなかった。

だけど、一緒にいる時間が長くなるにつれて、お前のほっとけないところ、頼りになるところを知って、お前の存在は俺の中で大きなものになっていったんだ。

気持ちを伝えるタイミングを計ってたら、いつの間にか卒業までしちまった。

こんな俺だけど、よかったら彼女になってくれないか?

(後輩 私も先輩のことが好きです)
(意外そうに)

えっ、お前も俺のことが好きだったのか?

(照れて)

そ、そうか……
なっ、そうやって照れるところもかわいくて好きって。

(少し嬉しそうに)

ずいぶんと俺の後輩は生意気になったもんだ。

それじゃあ、あいつらのところに行くか。
いつまでも待たせるのも悪いし。

(二人で部室を出て鍵を閉める)

俺はもう、部員としてこの向こう側には入れないんだな。
ああ、俺が鍵を返しに行くよ。こんなことできんのこの先ないだろうし。

(並んで廊下を歩く)

俺と同じ大学に行きたい?
お前は俺よか勉強できるんだから、もっと上目指せるだろ。

それよりも俺と一緒にいたい、か。

手、つないでもいいか?

お前の手は思ったより小さいな。
ほら、俺の手にすっぽり収まってる。

二年くらい一緒にいるけど、知らなかった。

きっと互いに知らないことなんて山ほどあるんだろうな。

お前のことをもっと知りたい。
俺に少しずつでいいから教えてくれるか?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
卒業する部長の告白
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メロンフランスパン
ライター情報
メロンフランスパンです。
甘々系中心にたまにヤンデレったりしてます。
完全に趣味なので、投稿は不定期ですがどうぞよろしくお願いします。
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