バレンタインデー翌日。あなたは友達の男子にチョコを渡しそびれたことに気づく。
恐る恐る学校に行くと、落ち込んでいる友達の男子がいた。

【】：状況
（）：声色 or SE

【落ち込んでいる友達の男子】

……あぁ、お前か。
お前も、俺には……はぁ……

【何を落ち込んでいるのか聞いてみる】

いや、大した話じゃねぇし。
特にお前に話すだけの理由とかないというか。
ほら、男が女にめそめそするとか、らしくねぇだろ？

そんなことない、私は友達でしょ、か。
そうだよな。……そう、だよな。
分かった、話すよ。お前、昨日が何の日だったか知ってるか？
2月14日だよ。14日。

そう、バレンタインデーっていう大変忌まわしき悪しき風習だ。
なんでこんなことを毎年繰り返して、
自分がモテないということを思い知らされなきゃならないんだっていう非常に恐ろしい日。
俺はそんな仏滅の日にチョコレートを貰えるはずもなく……。
手元に残るのは母さんからの親チョコ1つ……。

世の中はきっと俺が嫌いなんだ！
俺を試すようなことをして、そして今年も裏切られる！
おぉ神よ、あなたは何故そんなにも俺に試練をお与えになられるんですか？！　ってな。

要するに、今年もチョコを貰えなくてへこんでたんだ。
よりにもよって、お前にも貰えないとか泣きたくなってな。

【そんなことないよ、と声をかける】
（カバンからごそごそする音）

これ……。
な、なんだ？　こんな可愛らしくラッピングしちゃってさ！
もしかして、好きな人にあげそびれたチョコを俺にくれるのか？
ど、同情とかやめてくれよ。……普通に友チョコの方が嬉しいしさ。

え、俺に昨日あげそびれたから今渡すってこと？
あ、あはは。と、友チョコか！　あー！　そういうことなら受け取らなくちゃな！
見た目めっちゃ凝ってるじゃん。このラッピング、俺が好きな色だし。
リボンとか、なんかいい感じにかわいいしさ。お前も女だったんだなー！　ははっ！

……開けてみても、いいか？

【うん、と聞き手ちゃん】

あ、ありがとな。
こんなチョコ、貰ったことないからめっちゃ緊張するんだが……。

（包装を外す音）

おぉ、いい感じの箱。
……あ、開けるぞ？

こ、このハート型のチョコ……。え？　友チョコじゃないのか？！
実は俺のじゃない、とかじゃないよな？！
いや。え？　いやえっと……。めっちゃびっくりしてる……。ど、どういうこと？

【聞き手ちゃんは顔を伏せるだけ】

えっと……。嬉しい。めっちゃ嬉しいっていうか！　なんだろう。めっちゃ嬉しい！
ぶっちゃけ、俺がもらえるわけないと思ってたし、貰っても友チョコぐらいかなって。
ありがとな。大事に食べる。いや、今食べる！　お前の前で感想言いたい！
いいだろ？　お前からのチョコを、今、食べたいんだよ！
じゃあ、いただきます！

（もぐもぐ。咀嚼）

うん、うまい！　めっちゃうまい！
俺好みのミルクチョコだし、程よく苦みもあるし、これは飽きない！

【それ、手作りしたんだ。と聞き手ちゃんがバラす】

え、手作り……？！
……そ、そっかぁ。へぇ……そっかぁ……。
俺、やっぱお前のそういうところ、好きだわ（小声）

い、いや？！　なんでもないけど！！！
いやー、このチョコうまいなー！　マジほんと！
ありがとな！

・台本（ゆるボイ！）
バレンタインデーにチョコを貰えなかった友達の男子
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス