昔から私のお兄ちゃんみたいだった幼なじみ。
今日はその子に誘われて、文化祭を回ることになった。
好きか好きじゃないかと言われたら、好きなんだけど。相手がどう思っているか分からない。
けど心なしか、彼も浮ついている気がする。気のせいかな。

【】：状況
（）：声色 or SE

【2人で文化祭デート】

……人、多すぎじゃね？
去年はこんなに人入ってなかった気がするけど……。
まぁ、学校にこんなにも人いる文化祭自体、そんなにないか。

で、今日、どこ回る？
俺はどこでもいいんだけどさ。
時間的にはお昼だから、なにか食べるか？

【◯◯食べたい系の聴き手】

ん。じゃあたこ焼きでも食べに行くか。
どこだったっけ。グラウンドだった気がするけど。

パンフありがと。
んー、グラウンドか。微妙に外出るの面倒くさいなぁ。
まぁ……、お前がたこ焼き食べたそうな顔してるし、いいか。
ほら、手、貸して。

【恥ずかしい的な聴き手】

別にいいだろ、手をつなぐぐらい。
今日とかは特に、いいかなと思うんだ。俺は。
幼なじみだし、昔は手、一緒に繋いでただろ。
そういう、雰囲気づくりもお祭り事の1つじゃないか？

…………。（照れ声）

まぁ、行くか。
はぐれないように気をつけろよ。

（歩く音）

そういえば、お前は文化祭初めてだったか。
特別なことなんてなにもないけどな。

…………。（沈黙数秒）

……なんか喋れよ。
なにもないって言ったのは確かに俺だけど、だからって黙らなくてもいいだろ。
まぁ……。強いて言えばミスコンがあるぐらい、か。
でもどうせお前は興味ないだろ。昔から図書室で本読んでばっかだったし、

【優勝行けると思う？　系の聴き手】

ん？　もしミスコンに出たら？
お前がミスコンか。……ふっ（笑い声）

いやすまん。なんか、想像できなくてな。
そんなに怒るなって。幼なじみのよしみで俺は投票してやるよ。
もしかしたら、俺の一票だけかもな。

【でも投票してくれるんだ、的な聴き手】

まぁ、投票ぐらいするだろ。
他でもない、お前なんだから……。

……なんだよ。別におかしいこと言ってないだろ？
い、言ってないよな……？
ま、いっか。

ほら、たこ焼きのお店だぞ。
すみません。たこ焼き2つください。

……ほい、おまたせ。
熱いうちに食べるか。

ふー……ふー……。はふっはふ……あつ……っ！
うん。味は美味くも不味くもなく、普通だな。
でもこういう雰囲気で、お前と食べるたこ焼きは美味いな。
お前もそう思うだろ？

【同意の聴き手】

だよな。
なんか、不思議だ。
さほど美味くもないたこ焼きなのに、お前と一緒ならどんなものでも美味しく感じる。
それだったらずっと一緒にいたいなぁ……。

【聞こえてる聴き手】

な、なんだよ、その顔。
……もしかして、俺変なこと言ってたか？
ぁいや、そういうことじゃなくてな？！
あー。その……。幼なじみ！　幼なじみとして、ずっと一緒にいたいなぁと、な！

ははは……（乾いた笑い）

そ、そんなことよりた、たこ焼き！　冷める前に食べよう！
……うん。やっぱり美味い。お前と一緒のたこ焼き、美味い。

・台本（ゆるボイ！）
両片思いのクール系幼なじみと文化祭デートする
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス