真夜中に近所の喫煙所にタバコを吸いに来た貴女は偶然、昔つるんでいた男友達と再会する。喫煙所で一服し、彼と駄弁りながらそのまま貴女の家で宅飲みをすることになったのだが、次の朝には既に事を終えた後で…？

あれ？お前、久しぶりじゃん。
元気してた？


あ、そう…いかにも疲れた社会人って顔してるもんな。たしかに。


ていうか、ヤニ吸ってんだ。いつから？


ふーん…友達に勧められたんだ。
悪い友達だな。こんな身体に悪いモン
勧めるなんて。


俺？見ての通り、禁煙は成功してないぞ。
そろそろ買い置きのタバコ、切れそうだし。


うるせーなー…そんな簡単に
タバコやめれたら苦労しねえよ。


ここの喫煙所も遠いし…
ベランダで吸うとご近所さんがうるさいし…
このご時世、マジ世知辛えーわ。


…どした？ライターつかねえの？


あー、そう…じゃあ俺がつけてやるから、
そんなカッカすんなって。ほれ。


(女友達のタバコに着火)


ん、どーいたしまして。
ライターの火ぃつかないのって
イライラするもんな。わかるよ。


……え？どした、藪から棒に？


結婚、かぁ…考えたこともあったけど
出会いもねーし、そもそもそこまで
する気力がないっつーか…


まぁ、うん…そうだな。
女の子と遊ぼうって気分にならん。
なんでか知らんけど。


んー…俺も仕事で疲れてるからかな。はは…


そうだなー…
お互い疲れた顔してんなー…はぁ…


(しばらく無言で喫煙)


じゃあ俺、そろそろ帰るわ。
夜遅いし、お前も夜道には気ィつけて帰れよ。
そんじゃ。


え…送らなきゃダメ？マジ？めんどくさ…


あー、はいはい…わかりましたって。
じゃあお前が吸い終わんの、待ってるわ。


……終わった？じゃあ帰るか。手でも繋ぐ？


嘘、冗談。恋人でもない相手にそういうの
求めるほど飢えてません。


は？なんて？
今の、独り言？
それとも俺に言った？


あ、はい…ごめんなさい。
ちょっと黙っときます…


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ここがお前ん家？
なんかいい感じのマンションじゃん。
玄関もオートロックだし。


ま、いいや。俺、帰るわ。おやすみ。


え…なんで？いいよ、こっから
家、そんな遠くないし。歩いて帰れる。


んー…もしかしてそういう気分？
誰かといないと寂しい的な？


あっ、そう…じゃあお言葉に甘えて
泊まらせてもらうわ。お邪魔しまーす…


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うわ、きったねぇ部屋…
女の部屋とは到底思えんのだが…


足の踏み場は…あるけど、
キレイ汚いの基準はそこじゃねえだろ。


今日からズボラ女って呼ばせてもらうわ。
よろしく、ズボラ女。


いてっ！デコピンは地味にキツいって…！


…あ？なに？酒？今から？


飲み相手が欲しかったから
連れてこられたのか、俺…


まー、いいけどさ…
明日も特にやることないし。


じゃ、サクッと乾杯しますか。カンパーイ…


(缶ビールを飲む)


うま…キンキンに冷えたビールが美味すぎる。


いや、いい。つまみ無くても飲めるから。


そーだなー…このままダラダラ飲んで
明日ゆっくり帰るわ。ゴチになりまーす。


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んっ…あれ？もう朝…


(あくび)


まさか飲み過ぎたか…？
なんかまだ酔いが残ってる気が…


ま、いいや。
なー…俺、そろそろ帰るか、ら…


はっ？いや、うん…これは夢。
夢だってことにしとこう、うん。


裸の女が俺の隣で寝てるわけねぇ…
とりあえず帰るか…


(腕を掴まれてベッドに引き摺り込まれる)


うおわっ！ちょ、お前起きてて…！


え、や…その、嘘、だよな…？
もしかしなくても一線超えた…？


悪い…昨日の記憶がねぇ…
そんなに飲んだ覚えないんだが…


うーん、マジかー…
誘ったのがお前で、俺はそれに
ホイホイ釣られたわけか…ダセェ…


責任？まさか結婚しろと？


うーん、彼女かぁ…
昨日までただの友達というか、
知り合いだったんだけどな、俺ら…


え？あ、ホントだ…
よく見たらキスマついてる…ヤベェ…


わかったって…俺の負け。
とりあえずよろしく…彼女さん？

・台本（ゆるボイ！）
ダウナーな男友達とヤニ吸って宅飲みしたら一線超えた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎