- ファンタジー
- ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00
更新日2021年06月05日 18:00
文字数
4825文字(約 16分5秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
踊り子
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
内容としましては「酒場前で踊りの宣伝をしている踊り子に会い、それから・・・・・・」といった内容となっております。
本編
【或る夕方、酒場前】
(ガヤガヤという人々の喧噪)
ねぇ、そこのお兄さん?
えへへ、かっこいい人・・・・・・
この後、あの夕日が沈んだあたりにね。
あそこの酒場で私、踊るの。
ほら、この服。綺麗でしょう?
銀の装飾と、この胸の真ん中のルビーの宝石。
踊るとね、キラキラと綺麗なんだぁ。
えへへ、ね、どう?
来てくれる?
ふふ、待ってるね。
【日が沈んだ後、酒場にて】
(ワイワイ、という喧噪)
(コツコツ、という足音)
えへへ、今日も来てくれてありがとう。
お酒やお肉を片手に、私の踊り、楽しんでいってね?
(ヒューヒュー、という指笛など)
♪~♪~(鼻歌。軽快で、早めのテンポの曲をしていただけると)
今夜は最後まで楽しんでいってね?
うふふ。
【1時間後、踊りの終わった酒場で。】
(スタスタ、という足音)
えへへ、最後まで見てくれてありがとう。
また明日、夕日が沈んだ頃に踊るからまたきてね?
あれ・・・・・・?さっきのお兄さん?
どうしたの?今日の踊りはもう終わりだよ?
もしかして・・・・・・私の事、好きになっちゃった?
えへへ。
実はね?私もお兄さんの事、好きだよ?
ね、だから・・・・・・明日もまた私の踊り、見に来てくれる?
お兄さんの為だけに踊るから、楽しみにしていてね?
えへへっ。
【翌日夕方、酒場にて。】
(ワイワイ、という喧騒)
(カツカツ、という足音)
(ヒューヒュー、という指笛の音)
今日も来てくれてありがとう。
皆、お酒とお肉はもう買った?
・・・・・・えへへ、ありがとう。今日はたくさんあるみたいだから、どんどんお代わりしていってね?
私も、今日は少しサービスしちゃおうかな?うふふ。
(ヒューヒュー、という指笛)
♪~♪~。
【酒場、踊りの後。】
(カツカツ、という足音)
あっ、お兄さん!来てくれたんだね。嬉しいなぁ。
えへへ。ねぇ、おにーさん?
今日の踊り、お兄さんの事を思って踊ったんだぁ。
ね、だからさ・・・・・・ご褒美にデートしてくれないかなぁ?
私、行きたいところがあるんだぁ。
ね、ね。いいでしょ?
・・・・・・だめ、かな?
・・・・・・。
えへへ。ありがとう。
それじゃあ、明日のお昼に酒場の前で待ってるねっ!
【翌日の昼】
(ワイワイ、という喧騒)
あっ!おにーさん!
(タッタッ、と駈け寄ってくる足音)
えへへ。ありがと、来てくれて。
ね、どう?この服。
さっき買ってきたんだぁ。
可愛い、かな?
・・・・・・。
えへへ。そっかなぁ?
それじゃあ、行こっか。お兄さん、
(カツカツ、という足音)
昼の街って、新鮮かもしれないなぁ。
いつも夜遅くまであそこで踊って、宿に戻るときはもう空が白くなってる事が多いからさ。
この町って、こんなに賑やかだったんだね。
皆、忙しそうだけど楽しそう・・・・・・。
(カツカツ、という足音)
ん、着いたよお兄さん。
ここだよっ。
踊りの衣装を新しくしようと思ってね、この宝石屋さんを見つけたんだっ。
ほらほらっ、いこっ?
(ギィ、と扉の開く音)
えっと・・・・・・あ、あったあった。
どうかな、これ?
ちっちゃくて可愛いよねー。
これを踊りの衣装に付けたら、キラキラとして、もっと踊りも綺麗になると思うのっ。
赤色と青色と、緑色の3つがあるんだけど、どれが似合うかなぁ?
・・・・・・。
そっかぁ。ん、分かった!
それじゃあお兄さん、これ・・・・・・。
うぅ・・・・・・。(心の中で葛藤しているイメージをして頂けると)
(チャリン、と硬貨の音)
ん、これでピッタリだね。
えへへ。
これでもっと、踊りに張り合いがでるよ。
ありがと、お兄さんっ。
(キィ、と扉を開ける音)
ねぇ、お兄さん。
私ね、実は・・・・・・お兄さんのこと・・・・・・。
ううんっ、なんでもないっ。
そういえばさ、今日は夜、来てくれるの?
・・・・・・。
そっか、わかったよ。
あ、じゃあ私の家この辺りだから、ここで。
じゃあね、お兄さんっ。
また、来てね?
【ある日の夜、酒場にて。】
(ヒューヒュー、という指笛)
あ・・・・・・そっか、もう出番か。
はぁ。
(カツカツ、という足音)
えへへ、今日もきてくれてありがとう。
今夜も楽しんでいってね?
・・・・・・はぁ。
あっ!っとと・・・・・・ご、ごめんなさいっ!(足を踏み外したイメージをしてもらえると)
うぅ。
いつも通り、いつも通りに・・・・・・。
【酒場、踊りの後】
(カツカツ、という足音)
はぁ・・・・・・やっちゃったなぁ。
これだけじゃ、お母さんが・・・・・・。
あ、お兄さん・・・・・・来てくれてたんだ。
ありがとう。
・・・・・・ねぇ、お兄さん。
あ、あのね?お願いがあるんだけど。
これから私と一緒に、隣町に来てくれない?
実は今日、隣町の妹から手紙がきてね?
お母さんの体の調子が悪いみたいなの。
それでその、今夜馬車に乗って行きたいと思ったのだけど、私一人じゃ怖くて・・・・・・。
お願いっ、お兄さんにしか頼めないのっ。
一緒に、来て貰えないかな?
大きな病気にかかったんじゃないかと思ったら不安でっ!
・・・・・・。
い、いいの?
本当?本当に本当?
あ、ありがとう・・・・・・ありがとう、ございますっ!
【20分後、馬車にて】
(パカパカ、という馬の足音)
ありがとう、お兄さん。
えへへ。
優しいんだね。
あの街では皆、私が困っていても誰も助けてくれなくて、変わりに皆私のこと、嫌な目で見てきて・・・・・・。
お兄さんも最初、そんな人達と何も変わらないんだろうな、って思った。
でも、お兄さんってその、なんというか・・・・・・。
ううん、なんでもない。
私も、覚悟を決めたんだもん。
・・・・・・まだ隣町までは距離があるからさ。
少し寝よっか。
んぅ・・・・・・ふぁ・・・・・・。
【隣町へ到着】
(チュンチュン、という鳥の鳴き声)
(パカパカ、という馬の音)
ふぁ。ん、ついたね。
ん、っと。
家はこっちなんだ。さ、早くいこっ!
(タッタッ、という駆け足)
(トントン、というノック音)
お母さん!私だよっ!大丈夫!?
(ガチャリ、と扉の開く音)
あっ!お母さん!体の方は大丈夫なの!?
・・・・・・え?ただの腹イタ?
じゃ、じゃあ今はもう大丈夫なの?
・・・・・・なんだ、良かった。
もう、びっくりしたよ。
・・・・・・え、この人?あ、えっと。その・・・・・・ま、街で知り合った人だよ。すごくよくしてくれるんだ。
あ、お母さん。はい。手紙を見て飛んできたからそんなに無いけれど・・・・・・。
また纏まったお金ができたら来るね!
それじゃあ、帰ろっかお兄さん。
じゃあまたね、お母さん。
【馬車での帰路】
(パカパカ、という馬の足音)
まさか、ただお腹を壊しただけだなんて。
もう、あの子も大袈裟だよ・・・・・・。
お兄さん、今日は来てくれてありがと。
すごく心強かったよ。
・・・・・・ね、ねぇお兄さん。
その、ね?
実は私、お兄さんの事ね?
最初はお金を沢山貰えそうな人としか見てなかったの。
それに、好きでもなかったの。
この間、お兄さんデートしてくれたよね?
あの宝石をお兄さんに払って貰って、後でお金に換えて、お母さんに送ろうとしてたの。
お父さんが戦争で亡くなってから私が稼ぐしかなくて、とにかく何が何でもお金を作らなきゃって。
お母さんとあの子達に辛い思いをさせたくないって。
でも、あの時にね?
お兄さんに嫌われたくない、って思っちゃったの。
私ね、力も弱いし、魔法も使えないし、頭も良くもなかったから、手段なんて選べなかった。
だから、どんなものでも使ってきたの。どんなに嫌われても怒られても構わないと思った。
でも、お兄さんにそうしようとしたときにね、私。
お兄さんの悲しそうな顔を思い浮かべて、それで・・・・・・。
お兄さんには、笑っていて欲しいって思っちゃったの。
ごめん、私ってこういう人間なの。
だから、嫌いになっても、怒られても仕方ないよ。
今まで・・・・・・応援してくれてありがとう。
私も、お兄さんみたいな優しい人と一緒にいるのは辛いしね。
(パカパカ、という馬の音)
あ・・・・・・もう着いちゃったんだ。
えへへ。今日はありがとう。
じゃあ・・・・・・さよなら、お兄さん。
【ある日の昼、食事処にて。】
はぁい、パンと鶏肉、スープ付きですね?
少々お待ちくださいっ。
(カランカラン、というベルの音)
いらっしゃいませっ。
あ・・・・・・お、お兄さんっ!
あ、えっとね、あれから実は踊り子をやめてね、ここで働かせて貰ってるんだ。
どう?このエプロンと服!可愛いでしょ?
踊り子の時よりはお金は少ないけれど、それでもお母さんに送ることが出来て、とても助かってるんだ。
って、注文受けてたんだった。
ごめんね、行かなきゃっ。
あ・・・・・・あの、もし私の事を嫌いになったりしてなかったら・・・・・・今日の夕方、このお店の裏に来て貰ってもいい?
私も、それで諦められるし。(小声で言っていただけると)
じゃ、じゃあねっ!
(タッタッ、という駆け足)
【夕方、昼の食事処の裏】
(カァカァ、というカラスの鳴き声)
・・・・・・来るわけ、無いよね。
(タッタッ、という駆け足)
あっ!お兄さんっ!
来てくれたんだ・・・・・・っ!
嬉しい、嬉しいよ・・・・・・!
えへへっ。
それじゃあ、近くに宿屋があるから、いこっ!
(カツカツ、という足音)
えへへ。
お兄さん好き、好きっ。
えへへへ。
(ガチャリ、という扉の開く音)
2人で一晩、お願いしますっ。
えへへっ。
(タンタン、と床を歩くような音)
この部屋みたいだね。入ろ入ろっ。
(ガチャリ、と開く音。)
えへへ。
前だったら今頃、酒場で踊っていたのかなぁ。
・・・・・・ん、どうしたの?お兄さん。
あぁ、そっか。なんで踊り子をやめたか、って事だね?
んっとね、あの日お兄さんと別れてから、あの酒場で踊る度にね。
何度も忘れようとしているのに、お兄さんが見に来てないか見てたんだけどどこにも見えなくて。
私、嫌われちゃったんだ、って。
今まで非道いことをしてきたから当然だって思ったの。
そう思ったら、あの衣装で踊るのが怖くなっちゃって。
また踊りを間違えたり、足を踏み外したらどうしようって。
だから、やめたの。
それでね?次に働く場所を見つけて、もし10日以内にお兄さんの姿を見ることが無かったら。
お兄さんの事を思い出しちゃうから、踊りの衣装も、宝石も、全部焼いちゃおうって思ってたの。
でも、こうしてお兄さんに合えて・・・・・・えへへ。
すっごく嬉しい。
(カツカツ、と近づく足音)
ね、お兄さん。
このエプロンと服の下ね?
(シュルシュル、と紐をほどく音)
ずっとこの踊りの衣装、着てたんだぁ。
いつお兄さんの事を見つけて、踊りを見せられるように。
お兄さんのお願いを、いつでも利けるように。
この宝石、覚えてる?1番目立つところにはめて貰ったんだぁ。
えへへ。ねぇ、お兄さん。
私、お兄さんの事が大好き。
お兄さんがして、っていうことはなんでもしたい。
今すぐ踊って欲しい、ってお兄さんが言ってくれたら今すぐに踊りたいなぁ。
いつでも、どこでも、どんなときでも踊るよ。
あ、勿論踊りだけじゃないよ?
私、お兄さんに全部をあげたいの。
この髪も、肌も、勿論この服も。体中ぜーんぶお兄さんがかわいい、って言ってくれたものにしたい。
お兄さんに染まりたい・・・・・・。
あ、勿論、変えてって言ってくれればいつでも変えるからね?
あと、あと・・・・・・。
えへへ。
だから私、お兄さんと一緒にいてもいいかなぁ?
(ガヤガヤという人々の喧噪)
ねぇ、そこのお兄さん?
えへへ、かっこいい人・・・・・・
この後、あの夕日が沈んだあたりにね。
あそこの酒場で私、踊るの。
ほら、この服。綺麗でしょう?
銀の装飾と、この胸の真ん中のルビーの宝石。
踊るとね、キラキラと綺麗なんだぁ。
えへへ、ね、どう?
来てくれる?
ふふ、待ってるね。
【日が沈んだ後、酒場にて】
(ワイワイ、という喧噪)
(コツコツ、という足音)
えへへ、今日も来てくれてありがとう。
お酒やお肉を片手に、私の踊り、楽しんでいってね?
(ヒューヒュー、という指笛など)
♪~♪~(鼻歌。軽快で、早めのテンポの曲をしていただけると)
今夜は最後まで楽しんでいってね?
うふふ。
【1時間後、踊りの終わった酒場で。】
(スタスタ、という足音)
えへへ、最後まで見てくれてありがとう。
また明日、夕日が沈んだ頃に踊るからまたきてね?
あれ・・・・・・?さっきのお兄さん?
どうしたの?今日の踊りはもう終わりだよ?
もしかして・・・・・・私の事、好きになっちゃった?
えへへ。
実はね?私もお兄さんの事、好きだよ?
ね、だから・・・・・・明日もまた私の踊り、見に来てくれる?
お兄さんの為だけに踊るから、楽しみにしていてね?
えへへっ。
【翌日夕方、酒場にて。】
(ワイワイ、という喧騒)
(カツカツ、という足音)
(ヒューヒュー、という指笛の音)
今日も来てくれてありがとう。
皆、お酒とお肉はもう買った?
・・・・・・えへへ、ありがとう。今日はたくさんあるみたいだから、どんどんお代わりしていってね?
私も、今日は少しサービスしちゃおうかな?うふふ。
(ヒューヒュー、という指笛)
♪~♪~。
【酒場、踊りの後。】
(カツカツ、という足音)
あっ、お兄さん!来てくれたんだね。嬉しいなぁ。
えへへ。ねぇ、おにーさん?
今日の踊り、お兄さんの事を思って踊ったんだぁ。
ね、だからさ・・・・・・ご褒美にデートしてくれないかなぁ?
私、行きたいところがあるんだぁ。
ね、ね。いいでしょ?
・・・・・・だめ、かな?
・・・・・・。
えへへ。ありがとう。
それじゃあ、明日のお昼に酒場の前で待ってるねっ!
【翌日の昼】
(ワイワイ、という喧騒)
あっ!おにーさん!
(タッタッ、と駈け寄ってくる足音)
えへへ。ありがと、来てくれて。
ね、どう?この服。
さっき買ってきたんだぁ。
可愛い、かな?
・・・・・・。
えへへ。そっかなぁ?
それじゃあ、行こっか。お兄さん、
(カツカツ、という足音)
昼の街って、新鮮かもしれないなぁ。
いつも夜遅くまであそこで踊って、宿に戻るときはもう空が白くなってる事が多いからさ。
この町って、こんなに賑やかだったんだね。
皆、忙しそうだけど楽しそう・・・・・・。
(カツカツ、という足音)
ん、着いたよお兄さん。
ここだよっ。
踊りの衣装を新しくしようと思ってね、この宝石屋さんを見つけたんだっ。
ほらほらっ、いこっ?
(ギィ、と扉の開く音)
えっと・・・・・・あ、あったあった。
どうかな、これ?
ちっちゃくて可愛いよねー。
これを踊りの衣装に付けたら、キラキラとして、もっと踊りも綺麗になると思うのっ。
赤色と青色と、緑色の3つがあるんだけど、どれが似合うかなぁ?
・・・・・・。
そっかぁ。ん、分かった!
それじゃあお兄さん、これ・・・・・・。
うぅ・・・・・・。(心の中で葛藤しているイメージをして頂けると)
(チャリン、と硬貨の音)
ん、これでピッタリだね。
えへへ。
これでもっと、踊りに張り合いがでるよ。
ありがと、お兄さんっ。
(キィ、と扉を開ける音)
ねぇ、お兄さん。
私ね、実は・・・・・・お兄さんのこと・・・・・・。
ううんっ、なんでもないっ。
そういえばさ、今日は夜、来てくれるの?
・・・・・・。
そっか、わかったよ。
あ、じゃあ私の家この辺りだから、ここで。
じゃあね、お兄さんっ。
また、来てね?
【ある日の夜、酒場にて。】
(ヒューヒュー、という指笛)
あ・・・・・・そっか、もう出番か。
はぁ。
(カツカツ、という足音)
えへへ、今日もきてくれてありがとう。
今夜も楽しんでいってね?
・・・・・・はぁ。
あっ!っとと・・・・・・ご、ごめんなさいっ!(足を踏み外したイメージをしてもらえると)
うぅ。
いつも通り、いつも通りに・・・・・・。
【酒場、踊りの後】
(カツカツ、という足音)
はぁ・・・・・・やっちゃったなぁ。
これだけじゃ、お母さんが・・・・・・。
あ、お兄さん・・・・・・来てくれてたんだ。
ありがとう。
・・・・・・ねぇ、お兄さん。
あ、あのね?お願いがあるんだけど。
これから私と一緒に、隣町に来てくれない?
実は今日、隣町の妹から手紙がきてね?
お母さんの体の調子が悪いみたいなの。
それでその、今夜馬車に乗って行きたいと思ったのだけど、私一人じゃ怖くて・・・・・・。
お願いっ、お兄さんにしか頼めないのっ。
一緒に、来て貰えないかな?
大きな病気にかかったんじゃないかと思ったら不安でっ!
・・・・・・。
い、いいの?
本当?本当に本当?
あ、ありがとう・・・・・・ありがとう、ございますっ!
【20分後、馬車にて】
(パカパカ、という馬の足音)
ありがとう、お兄さん。
えへへ。
優しいんだね。
あの街では皆、私が困っていても誰も助けてくれなくて、変わりに皆私のこと、嫌な目で見てきて・・・・・・。
お兄さんも最初、そんな人達と何も変わらないんだろうな、って思った。
でも、お兄さんってその、なんというか・・・・・・。
ううん、なんでもない。
私も、覚悟を決めたんだもん。
・・・・・・まだ隣町までは距離があるからさ。
少し寝よっか。
んぅ・・・・・・ふぁ・・・・・・。
【隣町へ到着】
(チュンチュン、という鳥の鳴き声)
(パカパカ、という馬の音)
ふぁ。ん、ついたね。
ん、っと。
家はこっちなんだ。さ、早くいこっ!
(タッタッ、という駆け足)
(トントン、というノック音)
お母さん!私だよっ!大丈夫!?
(ガチャリ、と扉の開く音)
あっ!お母さん!体の方は大丈夫なの!?
・・・・・・え?ただの腹イタ?
じゃ、じゃあ今はもう大丈夫なの?
・・・・・・なんだ、良かった。
もう、びっくりしたよ。
・・・・・・え、この人?あ、えっと。その・・・・・・ま、街で知り合った人だよ。すごくよくしてくれるんだ。
あ、お母さん。はい。手紙を見て飛んできたからそんなに無いけれど・・・・・・。
また纏まったお金ができたら来るね!
それじゃあ、帰ろっかお兄さん。
じゃあまたね、お母さん。
【馬車での帰路】
(パカパカ、という馬の足音)
まさか、ただお腹を壊しただけだなんて。
もう、あの子も大袈裟だよ・・・・・・。
お兄さん、今日は来てくれてありがと。
すごく心強かったよ。
・・・・・・ね、ねぇお兄さん。
その、ね?
実は私、お兄さんの事ね?
最初はお金を沢山貰えそうな人としか見てなかったの。
それに、好きでもなかったの。
この間、お兄さんデートしてくれたよね?
あの宝石をお兄さんに払って貰って、後でお金に換えて、お母さんに送ろうとしてたの。
お父さんが戦争で亡くなってから私が稼ぐしかなくて、とにかく何が何でもお金を作らなきゃって。
お母さんとあの子達に辛い思いをさせたくないって。
でも、あの時にね?
お兄さんに嫌われたくない、って思っちゃったの。
私ね、力も弱いし、魔法も使えないし、頭も良くもなかったから、手段なんて選べなかった。
だから、どんなものでも使ってきたの。どんなに嫌われても怒られても構わないと思った。
でも、お兄さんにそうしようとしたときにね、私。
お兄さんの悲しそうな顔を思い浮かべて、それで・・・・・・。
お兄さんには、笑っていて欲しいって思っちゃったの。
ごめん、私ってこういう人間なの。
だから、嫌いになっても、怒られても仕方ないよ。
今まで・・・・・・応援してくれてありがとう。
私も、お兄さんみたいな優しい人と一緒にいるのは辛いしね。
(パカパカ、という馬の音)
あ・・・・・・もう着いちゃったんだ。
えへへ。今日はありがとう。
じゃあ・・・・・・さよなら、お兄さん。
【ある日の昼、食事処にて。】
はぁい、パンと鶏肉、スープ付きですね?
少々お待ちくださいっ。
(カランカラン、というベルの音)
いらっしゃいませっ。
あ・・・・・・お、お兄さんっ!
あ、えっとね、あれから実は踊り子をやめてね、ここで働かせて貰ってるんだ。
どう?このエプロンと服!可愛いでしょ?
踊り子の時よりはお金は少ないけれど、それでもお母さんに送ることが出来て、とても助かってるんだ。
って、注文受けてたんだった。
ごめんね、行かなきゃっ。
あ・・・・・・あの、もし私の事を嫌いになったりしてなかったら・・・・・・今日の夕方、このお店の裏に来て貰ってもいい?
私も、それで諦められるし。(小声で言っていただけると)
じゃ、じゃあねっ!
(タッタッ、という駆け足)
【夕方、昼の食事処の裏】
(カァカァ、というカラスの鳴き声)
・・・・・・来るわけ、無いよね。
(タッタッ、という駆け足)
あっ!お兄さんっ!
来てくれたんだ・・・・・・っ!
嬉しい、嬉しいよ・・・・・・!
えへへっ。
それじゃあ、近くに宿屋があるから、いこっ!
(カツカツ、という足音)
えへへ。
お兄さん好き、好きっ。
えへへへ。
(ガチャリ、という扉の開く音)
2人で一晩、お願いしますっ。
えへへっ。
(タンタン、と床を歩くような音)
この部屋みたいだね。入ろ入ろっ。
(ガチャリ、と開く音。)
えへへ。
前だったら今頃、酒場で踊っていたのかなぁ。
・・・・・・ん、どうしたの?お兄さん。
あぁ、そっか。なんで踊り子をやめたか、って事だね?
んっとね、あの日お兄さんと別れてから、あの酒場で踊る度にね。
何度も忘れようとしているのに、お兄さんが見に来てないか見てたんだけどどこにも見えなくて。
私、嫌われちゃったんだ、って。
今まで非道いことをしてきたから当然だって思ったの。
そう思ったら、あの衣装で踊るのが怖くなっちゃって。
また踊りを間違えたり、足を踏み外したらどうしようって。
だから、やめたの。
それでね?次に働く場所を見つけて、もし10日以内にお兄さんの姿を見ることが無かったら。
お兄さんの事を思い出しちゃうから、踊りの衣装も、宝石も、全部焼いちゃおうって思ってたの。
でも、こうしてお兄さんに合えて・・・・・・えへへ。
すっごく嬉しい。
(カツカツ、と近づく足音)
ね、お兄さん。
このエプロンと服の下ね?
(シュルシュル、と紐をほどく音)
ずっとこの踊りの衣装、着てたんだぁ。
いつお兄さんの事を見つけて、踊りを見せられるように。
お兄さんのお願いを、いつでも利けるように。
この宝石、覚えてる?1番目立つところにはめて貰ったんだぁ。
えへへ。ねぇ、お兄さん。
私、お兄さんの事が大好き。
お兄さんがして、っていうことはなんでもしたい。
今すぐ踊って欲しい、ってお兄さんが言ってくれたら今すぐに踊りたいなぁ。
いつでも、どこでも、どんなときでも踊るよ。
あ、勿論踊りだけじゃないよ?
私、お兄さんに全部をあげたいの。
この髪も、肌も、勿論この服も。体中ぜーんぶお兄さんがかわいい、って言ってくれたものにしたい。
お兄さんに染まりたい・・・・・・。
あ、勿論、変えてって言ってくれればいつでも変えるからね?
あと、あと・・・・・・。
えへへ。
だから私、お兄さんと一緒にいてもいいかなぁ?
クレジット
ライター情報
いつも閲覧ありがとうございます(^^)/
趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。
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