マフィアである男はガラの悪い連中に襲われてかけていた少女を助ける。銃弾を何発撃ち込まれても死なない彼だが、少女からのおじさん呼びは堪えたようで…？

おい、テメェら…いい年こいた大人が、なーにガキ一人囲ってビビらせてんだ、こら。


あぁ？俺ェ？見りゃわかんだろ…少なくとも、カタギじゃねえってことぐらいはなぁ？


(敵から銃弾を受ける)


が、あっ……なーんつって。きひひっ♪


(敵連中をボコす)


バァカ…残念だったな？鉛玉で死ぬ人間じゃなくて…


化け物ォ？失礼な。ちょっと耐久力高めの死人だろうがぁ…巷ではそういうのをゾンビって言うらしいけど。んで、まだやる？


(敵が全員逃げ出す)


ふぅ…この近辺でカタギじゃない連中がいるっぽいから、様子見てこいって言われて来てみれば…ガキを襲う三流悪党だったか。くだらねぇ…


…おぅ、ガキ。大丈夫か？怪我とかねえか？お？


…あ？いやいや、待て待て。俺はおじさんじゃねぇ。お兄さんな？もしかしたら、老け顔かもしれねえけど、れっきとしたお兄さんだから。な？


こんにゃろ〜…お兄さんだっつってんのに、言葉通じてねえのか、このガキ…！


(ため息)


まぁいいや…そんだけ軽口叩けんなら、大丈夫だろ。おい、ガキンチョ。家はどこだ？途中まで送ってってやるよ。


…あ？帰りたくないって、何わがまま言って…


(彼女の服の下から見えるアザを見つける)


あ〜…もしかして訳ありか？お前…


ふ〜ん…そっか。お家に帰ったら、怖〜いパパさんに殴られんのね…なるほどなるほど…


…なぁ、ガキ。ちょっとそのパパさん、懲らしめてやりたくねえ？「どうしていつもわたしのこと殴るのー！」って。


へーきへーき！今回は俺もついてってやるからよ…暴力パパさん、一緒に潰そうや。な？


(少女の家に行き、DV親をボコボコにする)


はい、お疲れ〜。解散解散。ガキを虐める悪〜い大人は、もう悪さしねえようにな〜。


ん？あ〜、これ？大した怪我じゃねえっつーか…別に痛くも何ともねえし。そもそも、死人は痛いって感じねえもんなんだよ。


(ハンカチで傷口を拭いてもらう)


お前、相変わらず人の話聞かねえな？痛いように見えるけど、痛くねえって言ったろ…


…あっそ。まぁ、人の怪我の心配をできるのは、いいこった、うん…


…んで？これからどーするよ？このクソ親父のとこで引き続き暮らすか？


え、やだ。俺、保育士じゃねえし…ガキの面倒なんて、見れるわけ…


(泣きそうな顔の少女を見て、ため息)


…しゃーねぇなぁ。ま、クズとはいえ、親をボコした俺にも責任はあるしな…お前さえよけりゃ、来る？


おぅ、了解した。それから、俺ん家に来るなら一つだけ、約束事をしてもらおうか？


簡単だよ…俺のことはおじさんじゃなくて、お兄さんと呼べ。な？

・台本（ゆるボイ！）
【人外男】ゾンビマフィアはお兄さんと呼ばれたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎