やっほー、可愛い可愛い彼女が遊びに来てあげたよ〜。

彼女じゃない？またまた〜。ホントは嬉しいくせに。

へ？人の家の物勝手に食うなって、いいじゃん、お茶とお菓子くらい。

せっかく家に来てあげたんだし、そんな固いこと言わないでさ〜。

ん〜？今度は何〜？

家の鍵全部かけてるのにどうやって侵入してきてるんだって、何言ってんの？あたし、妖怪だよ？家の鍵とか関係ないし。

そこはアレじゃん、壁をするっと抜けてさぁ…ほら、あたし妖怪だし。

そうそう。人間の常識で妖怪を語っちゃいけないよ。

それよりもほら。君もお茶どう？

うんうん。最初からそうやって素直になってればいいの。

ん？あたしがなんの妖怪かって、逆に聞くけど、なんの妖怪だと思う？

ぱっと見じゃわかんない？じゃ、ヒント。

これでも一応、妖怪の総大将。まー、柄じゃないんだけどね。

そ、正解。ぬらりひょんって呼ばれてる。

ぬらりひょんは後頭部が出っ張ったハゲだろって、それ、あたしのおじいちゃん。

見た目にはまぁ、気を使ってるよ。万が一、見られた時のために気味悪がられないためにね。

あ、そんなことより漫画また新しいの取り揃えてんじゃん。どれどれ…

うん、よろしくー。今日はしばらくここに居座るから。


結構面白いじゃん。ねー、次の刊は？

まだ発売されてない？あっそう。じゃ、仕方ないか。

んで、家事終わったん？

ふーん、そっか。じゃあお昼寝タイムだね。

あたしと一緒にゴロゴロしよ？

そんな恥ずかしがらなくてもいいじゃん。ほら、隣空いてるよ？おいでー？

あはは、別に取って食ったりしないからさ。そこは信用してよ。

それともあたしは君のタイプの女じゃなかったりする？

ふふ…あたし、素直な人間って好きだよ。なんか可愛いし。

はい捕まえた。ギュー♪

こんなクソ暑い中くっつくなって、エアコン効いてるからいいじゃん。

平静装ってるけど、ドキドキしてんのバレバレだよ。心臓の音うっさいし。

ううん。全然嫌じゃないよ。むしろ最高かも。

あ〜、こうして昼間からゴロゴロするのっていいよね〜。なんか得した気分になる。

ふふ、そっかそっか。で、君は彼女いないん？

へー、いないんだぁ。じゃ、あたしがなってあげよっか？

冗談きつい？あはは、まーた照れ隠しに憎まれ口叩いちゃってさー。ホンット可愛いなぁ。

はいはい。じゃ、大人しく昼寝しとくわ。おやすみ〜。



おかえり〜。あ、ごめんね。ちょいここで宴会やらせてもらってるけど許して。

大丈夫大丈夫！全員あたしの部下だから！

君に害を加える奴はいないから安心して。

妖怪だらけの空間で安心できるかって、まぁそんな固いこと言わずに。ほら、ここ座って。

じゃ、お酒注いであげる。

なに、あたしの酒が飲めないっての？

お、いい飲みっぷり！やればできるじゃん。

ほら、つまみもあるから、これでじゃんじゃん飲んじゃって。今日は無礼講ってことで。

ん？あたしとコイツの関係？

んー…カレカノかな？距離感的に。

あはは！コイツこんな照れ屋だけどさ、みんな仲良くしてやってよ。いい奴だからさ。



おはよ。起きた？

いや〜、昨日は潰しちゃってごめんね。楽しくてつい飲ませすぎちゃった。

二日酔い？だろうね。だからこうやって膝枕してあげてんだけど。

動かなくていいから。とりあえず、頭痛治るまでゆっくりしてていいからさ。

ほら、水もあるし。飲む？

はい、お口開けてー…

えー、口移しはダメ？仕方ないなぁ。はい、どーぞ。

介抱する羽目になるなら、潰すまで飲ますなって？

いや、別に介抱するのは全然いいよ。むしろ寝顔近くで見れて役得だし。

さぁ？なんでだろうねぇ。この家の居心地がいいからかな？

まぁあとは、君とこうしてダラダラ過ごすのが楽しいからだね。

いい迷惑？ふふ、ツンデレさんだねぇ。そーいうの、嫌いじゃないよ。

ん？……へへっ。君からそんな言葉が聞けるとは思わなかった。

素直に嬉しいよ。ありがと。

たまにと言わず、毎日遊びに来てあげる。暇だし。

そーいうわけだから、今日もあたしとまったり過ごそ♪

・台本（ゆるボイ！）
女ぬらりひょんと過ごす日常
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎