最近はアレルギーの出にくい猫カフェがあるみたいですから、ぜひ行かれてみてください(案件ではないです)

（深呼吸）

よし最終確認よ
混み具合のチェック、忘れ物はなし

完璧ね
それじゃあ行ってきます

ん？どこ行く気だって？
ふっふっふ、気になるなら共に行こうか

さぁ着いた
ここ【猫カフェ】よ

……なによ、その可哀想な人を見る目は？
ったく、さぁ、入るわよ

(カランコロン)

はい、2人です
はい、はい、分かりました、はーい

さてと……

あ、あぁぁ、
ねぇ見てあれ

はぁぁぁぁ……尊い……

ただの猫だろって、御猫様だ！

あぁ、ごめんなさい、大きな声を出しちゃって

(小声)

あのご尊顔を良く見なさい
ね、やばいでしょ？

やっぱりただの猫？はぁ…私たち、別れた方が良いのかな

仕方がないな
ここは抱っこOKのカフェだから、あの子を抱っこしてみようか

よいしょっと
ほら良く見て

まずこのお顔、可愛いでしょ？
まるでこの世の全ての争いを終わらせるようなお顔をされているでしょ

次にこの毛並み
めっっっちゃ、サラサラしてるの、ほら触ってみて

あぁ、触るときは「失礼します」って言ってから触るんだよ

うむ、そうだ
それでお腹と背中、しっぽの付け根をやさ～しくナデナデするんだよ

凄いでしょ、サラサラしてるでしょ
ねぇ、高級絨毯よりも気持ちいいいでしょ

さらに、さらに――

ハックション！

あぁ、御猫様が逃げちゃった……

あっ！次の猫ちゃんがそこに……

そ～と、近づいて

ハックション！

あぁまた！

ん～なんでだろう、
花粉症じゃないんだけどな

あぁ、目もなんだか……

アレルギー？

いや、そんなはずはない
猫ちゃんに対する私の愛が拒絶されるなんて、ありえない！

あ、すみません。静かにします

……私はアレルギーじゃないって、
ほら、この猫ちゃんをだっこしても……

あれ、なんだが目がまた痒く……
え、腫れてるの？

うそ、ちょっと鏡…うわっ誰？

認めろって、い…いやだ
私は猫アレルギーじゃない！

コホッコホッ

喉もやられてるって、やだ、そんなの嫌だ

認めたくない、認めたら、もう御猫様にお触りすることが出来なくなっちゃう……
私の愛がこの子たちに届かなくなっちゃう……

あぁ、そうだ
もし仮に、仮にね、アレルギーだったとしても、ずっと触れ続けたら治るって聞いた事あるの
だから私も猫ちゃんにずっと触ってれば……

アナフィラキシーが起きることもあるの？
呼吸困難で、亡くなる場合も……

もう、どうしたら……

私はただ猫様を愛したいだけなのに、それさえも許されないなんて
神は私に死ねと言っているの？

(ニャ～)

あぁ、こんな時でも猫様は私を慰めに来てくれるんだね

ハックション！

うう、「失礼します」
はぁ、やっぱりこの撫で心地は何物にも代えがた――
ゴホッゴホッ

……

……帰ろうか

(帰り道)

……分かったわよ

そこまで私の猫に対する愛を否定するなら、私は猫を否定する
明日から私は犬好きに変わる(キリッ)

そう、これは逆転の発想よ
嫌われている相手に無理して好かれようとするのではなく、新しく相手を探すのもまた人生
そう思うでしょ⁉

可哀想な顔をしないで、
よーし、早速明日からドッグカフェに行ってみましょう

あっ、ほらあそこにワンちゃんが

ほ～らおいで、
うんうん、ワンちゃんも可愛いし、お利口さんだね

ハックション！

え……

・台本（ゆるボイ！）
ネコアレルギーのネコ信者彼女が猫カフェに行って信仰を改める話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
こん