スタジオレインで公開している動画作品をフリーシナリオとして公開します。
https://www.youtube.com/watch?v=QHw0AI1TspI&t=564s

ある日の晩に突如窓から現れたサキュバスの女の子。
目的は若い男からエネルギーを吸い取ること。
しかし、吸い取ろうとしても中々うまくはいかず、悪戦苦闘をしながらも
主人公と仲良くなっていくドタバタラブコメディ。

(窓をあける音)

ふっふっふ…
こんばんは♪

おくつろぎのところごめんなさい。
そして、私はサキュバスです！

さあ！いきなりですが、
あなたの精力を奪わせていただきます！
逃げても無駄です…よ…？

な、なんでそんなに普通の反応なんですか。
普通窓から知らない人が上がって来たら
警戒しませんか！？

ほ、ほら！
私、頭にツノが生えているんですよ？
明らかに普通の女の子ではないですよね？

え？ハロウィンのコスプレ？
ち、ちがいます！これはサキュバ…って
お菓子を持ってこないください！

あ、
ありがとうございます！
いただきます！

ん、ん～
(お菓子を頬張りながら)

も、もひかして、私がまだサキュバスの
仮免中だからわたひを下にみへるんですか？

ごくん

残念ながら人間の精力を食料にしている
サキュバスにはチョコレートなどには
屈しませんよ！

え？チョコ棒もあるんですか？
ありがとうございます！(明るく)

はっ！
こ、これはありがたくいただいておきますが、
私は気高きサキュバスの子孫。
そんな施しなんてたまにしか受けません！

普段は洋風のお菓子が買えないので、
ちびっこ達と駄菓子屋で入り浸って、
惜しげもなく100円玉を取り出す
ちびっこに心を折られそうになりますが、
これでも立派な魔族の一員です！

わ、わたしは子供じゃありません！
身長は…まだ小さいですが
まだまだ成長してますから！

中学生でもありません！
私はあなたと同じれっきとした
高校生ですから！

んぐぐ…あなたとお話しすると
私のペースが乱される気がします…

気を取り直して
さっさとエナジードレインを
させていただきます！

私も原理はよくわかりませんが、
これで精気を奪うようです。

さあ、晩御飯を食べ終わった私は
能力が絶好調ですよ！

お手を拝借します！
ふん！ふん！ふん！

どうですか！そろそろ目眩がして
ふらつきませんか？

(SE)

…あれ？
もう一回です！

んんん～！！
…。

へ？なんで？
なんで平然と立っていられるのですか？
無理していませんか？ヘロヘロになっても
いいんですよ？

んぐぐ…。
こうなったら奥の手です。
あまり使いたくはなかったのですが、
色仕掛けですよ。

さ、さあ！
私のセクシーな体に酔いしれろ！
(すこし強気で無理をしている感じに)

男子はこういうのが好きと
ネットに書いてありました！
(セクシーなポーズを決めるような感じに)

わ、私の体をみて…私の色気に誘惑されて
ください！

(SE)

すぐに全身から力が抜けて
立てなくなりませんか！

ど、どうですか！？
そろそろ見とれてもいいんですよ！

ん、ん…ん～へ…
はっは…や、やっぱり恥ずかしいです！

そして無反応だと色々困ります！
せめて何かしらの反応をしてください！
(涙目になりながら)

なんで何も反応しないのですか！
あなたは聖人君子(せいじんくんし)
かなにかですか！

んぐぐ…しかし
どんな人でも欲求に対しては
抗えないはずです。

失礼！あなたのスマホの履歴を
透視させていただきます。

スマホを隠しても無駄ですよ。
私の能力は完全には開花していませんが、
スマホの履歴ぐらいは
観れてしまいますから！

どれどれ…
……

あ、あ、あ、は…
あなたは無反応のふりをして、
実はもしかして、わわわ私を…

あなたのスマホの履歴を
観させていただきましたが、
ゲームの情報の他に
グラビアのページが見えました！

けだもの！不純！女の敵！
(と泣きながら罵る。)

んぐぐ…
いままで戦ってきた方々よりも
一番厄介で強敵です。

2番目に苦戦したのは近所の
やたらと好戦的なワンちゃんでした。
今回も長い戦いになりそうです。

…へ？なんでサキュバス業を営んでいるか
聞きたいのですか？

いいでしょう、仮免卒業のお祝いに特別に
お話ししてあげます。

最近まで普通の女子高生をやっていたのですが、
ある日いつもどおりぐっすり12時間熟睡してたら、
ご先祖様が夢の中でいきなり登場し、
自分がサキュバスであると告白をされました。

そして、このままだとサキュバス界の年金が
受け取れないので、私の代わりに足りない分の
ノルマの補填を行って欲しいと一方的に
サキュバス業を押し付けられてしまいました。

朝気がついたらサキュバスの力だが宿ってしまい、
いまでは男の子に触れただけでエナジードレインを
発動してしまう体になってしまいました！
もはやオートスキルです！

このままだと社会生活に支障が出てしまいます。
とにかくサキュバスの力を完全に習得して、
ご先祖様のノルマを達成し、能力を返納して
普通の高校生活に戻るのが私の目的です！

毎日12時間も寝ているのに、
身長が小さいですって！
それはいまは関係ないですよ！

えい！くらえ！エナジードレイン！
えい！えい！えい！
(涙目になりながらポカポカと叩く)

あなたはなぜかエナジードレインが
発動しないんです！
もしかして女性の方なんですか！？

でも声も低いし、
がっちりした女の子なんてそういないし、
違うか…(自問自答するように)

と、とにかくあなたの精気を
取れればまずは仮免卒業です！

なんとしても奪ってみせますから
覚悟してください！えい！
(押し倒し馬乗りになる。)

(息を荒くしながら)
エナジードレインが発動しないなら、
出力マックス抱きつき攻撃です！
んぎゅ(と抱きつく。)

(SE)

く、くらえ～！
…発動しません！
(涙目になりながら)

このままだと私ばかり能力を使ってしまって、
私が先にダウンしてしまいます…。

こうなったら2番目の奥の手です。
あなたを浅い眠りにつかせ、
夢を見せます。再度抱きつきです。ぎゅ。

(抱きつきながら耳元でささやき。)
眠りにつき、夢を見たら夢を
食べてしまえばいいのです。

さあ眠りについてください。
あなたは私の腕の中で眠りにつくのです。

ふ～ふ～
(耳に息を吹きかける)

ふふっ耳が心地いいんですか？
わかりました。もっとやってあげますね。

…私の腕の中にいる間は私のペースが
保てそうです。(嬉しそうに)

ふ～ふ～
ふ～ふ～

ふっふっふ…
見えます、見えますよ。
私の勝ちパターンが。

夢を媒体にしてあなたの精力を
奪って見ませます。
どんどん眠りに誘いますよ。

夢、ゆめ、あなたは楽しい夢をみます…
あなたは心地のいい場所にいますよ。

暖かいベッドの上で、
柔らかいまくらに頭を乗せて、
最高に気持ちがいい状態…

そこに暖かい食事が出て来て、
おなかいっぱいに食べたあなたを
あん…みんへといざな…う……

くーくー
(サキュバスが先に寝てしまう。)

少しの間
朝が来て、鳥の鳴き声がする

くーくー
ん～…はっ！
能力を使いすぎて先に眠ってしまいました！

能力が枯渇して、貧血のような感覚です。
空腹で歩くとフラフラします…。

あ、あれ。
ベッドには私1人ですが、
あの方はどこにいったのでしょうか。

(足音)

あ！(ビクつく)
もしや私の手から逃れた後、
私に対抗するべく方法を模索し、
完全武装を行なった後、
なすすべもない私の戦意を削ぎ
煮たり焼いたりな事を
行うつもりでしょうか。
(涙目でおびえながら)

または除霊ですか？
あの方はサキュバスをよくわかって
いなさそうだったので、霊的ななにかかと
勘違いしているのかもしれません。
(涙目でおびえながら)

ああ…私はいまは完全に能力が底をつき、
なにも対抗する手段がありません。
回復するじかんが…

(ドアが開く)

あ、あ、わ、私を…!

私を除霊しようとしないでください！
私はサキュバスです。
生きた人間ですから！
(泣きながら)

...へ？
顔色が悪そうだったから
朝食を作って来た？
あ、ありがとうございます。

色々な物をご用意して
くださったのですね。

あ…ふ、ふん！
私のことを心配してくれるとは
随分余裕なんですね！
(虚勢をはるように)

で、でも
せっかく作っていただいたので
拒むわけにはいきません！
ありがたくいただきます。
(虚勢をはるように)

しかし、オーソドックスな朝のメニューの
隣に、カツカレーやドライカレー、
キーマカレーとナンがあります。
とても朝に食べるものではありません。
というかカレーが被りすぎです。
(心の声、小声で冷静にツッコミ調を入れる感じに)

私の朝食はどういった
想像をされたのでしょうか。
(小声ここまで)

たしかに私は燃費が悪いですが
いくら空腹でも、こんな重いものは朝から
食べませんよ！残りはお昼にいただきますね！

はっ！
ぐっ私は誇り高きサキュバスの…

あ、ホットケーキにメイプルシロップと
バターをかけていただけるんですね。
ありがとうございます。(嬉しそうに)

んぐ、こ、これで私に勝ったと思うなよ！
いただきます！

んぐ、んぐ…もぐ
ああ…ほどよい厚さに膨れ上がった
あつあつのホットケーキに、熱で溶けるバターが滴り、
メイプルシロップと混ざった
味はほどよい塩気と甘いメイプルのハーモニー...
フォークが！フォークがすすみます！

これは…おいしい！
こんなに甘くておいしい朝食は
はじめてたべました！

おかわり！おかわりをください！
え？ちょうどもう一枚あるから、
食べていいよ。ですか？
ああ、あなたはなんていい人なんですか...
(泣き顔になる。)

ありがとうございます！
(ホットケーキを頬張りながら)
私のお母さんは和が好きで、
朝も昼も夜も和食なので、
洋食のジャンキーさはとても新鮮です！

卯の花やお煮しめもおいしいですが、
こちらも負けていません！

ホットケーキは朝に食べるとおいしいんですね！
ごちたそうさまです！...じゃなかった！

げふっ、食べ物で私を懐柔しようと
しても無駄ですからね！
(虚勢をはる)

あなたのおかげで
満腹になり能力が回復して来ました。

これで私がこっそりとあなたの奪った夢を
具現化できます。

んふふ…私が寝落ちしてしまっても、
体に触れて入れば
夢を吸収することができるんです。

あなたが昨日見るはずだった夢を
私が勝手に見ちゃいますね。

ん～…んふふ…ん？
あっ…ああ…
(しばらくうきうきで夢を再生するが、
次第に恥ずかしさが
滲み出るほどに顔が赤くなり、泣き出す。)

あなたは私をこんないやらしい目で
見ていたんですね！
バカ！バカバカ！
(泣きながら言う。)

昨日は私が色仕掛けをした時は
なにも素ぶりを見せなかったのに、
実は心の中で私をいやらしい目で
観ていたのですね！
夢の中で私の水着姿を想像するなんて！

はっ！もしかして無意識にサキュバスの
特殊能力、淫夢の魔術を発動していたのでは？
(心の中の声として、小声で)

だとしても、淫夢なのに私の水着までとは
私はどれだけ色気がないんでしょうか。
(小声ここまで)

も、問答無用です！
もう脳みそが機能しなくなるまで
精気を枯渇させてあげますね！

あなたの夢と朝食を
しっかりとったおかげで能力は順調です！
さあ残りの精力を私に寄越してください！

(SE)
えい！えい！えい！

できない！吸収できない！なんで！
いかがわしい想像はできるのに！
私が仮免だから！？

もはや私が仮免だからという理由だけでは
説明がつきません。

もしや何かしらの魔族に対する
耐性を持っているのでしょうか。

(サキュバスが眠くなる。)
うっ…今日は8時間しか睡眠を取っていないうえに、
能力を考えなしに使っているせいで
もう眠くなってきました。

しかしサキュバスに耐性がある人間なんて
聞いたことがありません。

まさか、ご先祖様が苦戦した
勇者の血統をもつ人でしょうか。

ご先祖様はなんども勇者に
戦いにを挑んだけれど、
結局いつも返り討ちにあった宿敵...。

もしこの方にその勇者の力が
宿っているとしたら、
ドレインが効かないのもわかります。

しかし、どうすれば...
ご先祖様のように根気強く
何ども挑めばいずれかは...

でもご先祖様は何ども挑むうちに、
愛が芽生えて牙を抜かれてしまった、
とノロケ話を呟いていましたが…

でもそれはもう1世紀前の
出来事だからいまは関係ありません！

えい！えい！えい…!
はぁ～～…がく。
(と何度かドレインを発動し、力つきる。)

はぁはぁ…顔色が悪い？
私はあなたの敵のポジションなんですよ？
なんで私の心配をなさるのですか。
私はあなたのなんなんですか。

い、妹の感覚ですか？
私はおそらくあなたと同い年ですよ！

く、あなたと話していると
私のペースが乱されます！

あなたといると、なぜか初対面なのに….。
なんでもありません。

とにかく、
夢は奪えるので、私のために私に抱きつかれながら
一緒に二度寝をしてください。
(不服そうに。)

え？食べた後にすぐに寝るのは体に悪い？
あなたは私のお母さんですか！

だめだ…
もう突っ込む気力が残っていません…

とりあえず私に付き合って二度寝をして
いただきますからね。

覚悟してください！
むぎゅ～…

少しの間

ん、ん...
ふわ～(あくび)

二度寝をしたらすっかり
夕暮れになってしまいました。
もはや二度寝のレベルじゃありませんね。

ん～たっぷりと力がたまりました。
(寝ぼけながら)
この方の夢も奪えたようですね。
どうせまたいかがわしい
夢だと思いますから、
これは非常食にします。

ん。まだ寝ていたんですね。
では失礼して、引き続き私の抱き枕に
なっていただきます。(不服そうに)

ぎゅ～。
(しばらく抱きつく。)

この抱きつきは、
サキュバスの能力を
あげるための儀式です。

決して、隣にいると安心するとか
寝顔が起きてる時と違って
かわいいとか思っていません。

なにかサキュバスになると、
積極的になれる気がします。

これもサキュバスの特性なのでしょうか。
普段男の子とは会話はする程度ですが、
なんだかこの方とは冷静になったら
すごい状況になっている気がします。

そもそも男の子の肩を叩いたり、
握手したりした瞬間相手を気絶させるほど力を
吸い取ってしまうので、最近は
異性のお友達が減ってしまいました。

こんなにかっちり至近距離で
触れられる男の子が
この先できるのかしら...

ご先祖様はどうして私に
こんな業(ごう)をかせたのでしょうか。

ちょっとこの先を
考えるとブルーになります。

…ん？
ひゃ！お、起きていたんですか！

もしかして私の独り言を
聞いてしまいましたか！？

私があくびをしたところからって、
独り言以前の段階からですよね！？

狸寝入りをして、私の独り言を
こっそり聞くなんてあなたは
悪魔か何かの化身ですか？
しかも結局精気は奪えずじまいですし…！
(涙目になりながら)

また来ますから！
リベンジで来ますから
せいぜいビクビクしならが
待っていてくださいね！

あと、ホットケーキを
またいただけると嬉しいです！

あとそれとそれと...
ってそうじゃない！
とにかくまた来ますから
覚悟してください！

え？わかった、用意しておく...ですか？
え、えへへ。楽しみにしてます。

じゃ、じゃあまた窓あけといてくださいね。
閉めちゃうと、ドアからじゃないと攻められないので。

へ？窓からじゃ危ないからドアから入って来てって？
そ、そこまで言うんでしたらしょうがないですね。

お、送っていくって、
子供扱いしないでください！
家はすぐ曲がった角にありますから！

あなたを絶対に骨抜きにして
無事仮免を合格しますからね！
顔を洗って待っていろです！

…ま、またね！
(といい、ドアから颯爽と去っていく。)

・台本（ゆるボイ！）
頭が弱いサキュバスの精力吸引作戦♡
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ふかひれどん@スタジオレイン☔