スタジオレインで公開している動画作品をフリーシナリオとして公開します。
https://www.youtube.com/watch?v=YcgZEF9dEiQ&t=568s

ある日の晩に突如窓から現れたサキュバスの女の子。
目的は若い男からエネルギーを吸い取ること。
しかし、吸い取ろうとしても中々うまくはいかず、悪戦苦闘をしながらも
主人公と仲良くなっていくドタバタラブコメディの二作目。

(走ってくる音)

はぁはぁ...
なんたることや...

学校でこんなことが起こっていいわけありません...
ん？...はっ！あなたは！

ちょうどよかったです！
私ある人に追われているんです！
助けてください！おねがいじまずぅ！
(泣きながら)

誰に追われているかって？
私のことを追っている人は、この街に住んでいる
魔法少女です！

捕まってしまったら魔法少女界の法のもとで
さばかれてしまいます！

実は私がサキュバス業をはじめて間もないので
気づかなかったのですが、私がサキュバスとして
覚醒した事をこの街の魔法少女が気がついたみたいです。

そして、ついこの間、ふとしたきっかけで街で
魔法少女と鉢合わせしてしまい、束縛魔法をかけられ
魔法少女の家に連れていかれてしまいました！

魔法少女は、私が好きなショートケーキをホールで用意し、
さらに大量のお菓子をくれて、私をもてなしてくれました。

私は抵抗する意思を見せるため、用意されたケーキとお菓子をすべて
平らげた後、さらに魔法少女の家にあった大量のお菓子のストックを
すべて枯渇してやりました！

しかし、魔法少女は自分のお菓子をすべて食べられたことに対して、
腹をたてるどころか、抱きつかれて頭を撫でられました。

正直何を考えているかわからず気味が悪いです。

隙をみて家から逃げ出し、
ひたすら逃げて今日まで生きてきました。

恐らく魔法少女の目的は、私を懐柔した行く末に、
強力な魔法でサキュバスの能力を封印する
作戦だと私は推測しています。

能力を封印されてしまえば、
ご先祖のサキュバス年金で不足した分の年金分を払うことができず、
ご先祖に年金が支給されなくなってしまいます...。

そして今日、運が悪いことに、魔法少女が隣のクラスの
クラスメイトである事が判明し、トイレで鉢合わせてしまいました。

とっさに抱きつかれ、個室につれこみ束縛魔法と睡眠魔法を
かけられそうになったので隙を見て逃げてきて現在に至ります。

説明が長くなってしまってすみません！
とにかく、一緒に逃げてください！どこか隠れられる場所は
ありませんか！？

二階の倉庫として使われている教室がある？
そこです！そこにいきましょう！連れて行ってください！

(少しの間)
(ドアを開ける音)

はぁはぁ...
たしかにここの教室の周辺はひとけもないですし、
まさか魔法少女がここにいるって事は思わないでしょう。
ドアを閉めてもらってもいいですか？

(ドアを閉める)

くっ...くっ...くっ....
ここまで来ればあんな魔法少女ごときに遅れをとりません！
(ドヤ顔風に)

はっはっは！詰めが甘い愚かな魔法少女ですね！！
どうだ！まいったか！！

あっはっは！あっはっは！
あっは...げほっげほっ(むせる)

ふう、すっきりしました。
これで安心してお昼休みを逃げきれそうです。

ん？あんなところになぜか体育館のマットが敷いて
ありますね。ちょうどよかった、走って疲れたので
あそこで休みましょう！

さっき購買部で買った菓子パンがありますから
一緒に食べましょうか、よっこいしょっと...。
(魔法の音)

へ、魔法？もしやトラップが！あ、あ、あーっ！
ま、魔法少女のトラップに引っかかってしまいまじだあ！
(泣きながら)

あ〜は〜...
はぁはぁ

ふう...ふう...
息が荒く、体が熱いです。

なんだか艶やかしい(なまめかしい)感じになってきました。
いったいこんなトラップを貼って何を考えているんですか
あの魔法少女は！

はぁはぁ...
あ、あなたもこちらへ来てください...

ちょっと失礼します。
ぎゅ〜

何をしているのかって？
私も何をしているのか自分でもわかっていません...

だけど、急に人肌が恋しくなってしまい、
ドキドキが止まらないのです...。

おそらく魔法少女のトラップのせいです。
このトラップを解除するために付き合ってください。

さあ、いっしょに寝転がりましょう。
(寝転ぶ音)

ぎゅ〜...
私の鼓動が聞こえますか？

体を密着して、魔族のエナジードレインをも
無効化するあなたの素質を利用してトラップを相殺させます...

それまで私の体にまとった魔法をあなたの
体に流し続けますよ。

ふぅ...ふぅ...
ふーふー
(耳元に息を吹きかける)

ふふっびっくりしましたか？
私の息からもかすかに魔力がこもっています。

耳からも注入です。
ふーふー
ふーふー

ぎゅ〜
ぎゅ〜

あなたに触れているだけで、魔力をながしこめ
相殺できるので、しばらくこのまま過ごしてもらいますよ。

また初めてあった時みたいに添い寝をしましょう。
午後の授業は諦めてください。

さあ、リラックスをして...
体の力を抜いて私に体を預けてください
(耳元でささやき)

一緒に眠りましょう。
ゆめの...なかに..いっしょにいきましょ...
すぅ...すぅ...すぅ...

(少しの間)

すぅ...すぅ...すぅ...
はっ...お、おはようございます。

ん〜
(のびをする)

すっかり夕暮れになってしまいましたね。
トラップの魔法はどうか？ですか？

んー、ドキドキもしなくなりましたし、
おかげさまで普通の状態に戻ることができました。

あのトラップの類は強力で、魔法少女が
解除しないかぎりはどんどん重度の症状になっていく
トラップだと思うのですが、あなたがいてくれた
おかげで無力化できました。

おそらく私一人あの魔法に触れていたら、
混乱して魔法少女を探し求めて、魔法少女に従順に
なっていたことでしょう。
考えただけでおそろしいトラップです。

そんな危険なトラップをかける魔法少女がうろついている道を
一人で帰るには自信がありません。

魔法少女に一度でもエンカウントしてしまったら
一巻の終わりです。

ちら、ちら。

トイレでは他の生徒がいたので、魔法少女に隙が生まれ
逃げることができましたが、学校以外に会って
しまったらと考えると今度こそ何をされるか...。

ちら、ちら。

レベル１のサキュバスとレベル99の魔法少女が鉢合わせ
してしまうとわかりますよね？みじんも残りません！

ちら、ちら。

んぐぐ...
なんで無反応なんですか！
一緒に帰ってくださいぃぃい！！
おねがいじまずがらぁ！
(泣きながら)

(少しの間)
(歩く音)

どうにか安全に学校を出ることが出来ました。
この周辺にはもういないみたいですね。

あぁ！あそこのコンビニに寄りましょう！
トラップの無効化で魔力が枯渇気味なので、
食料を補給したいです！

(ドアの音)

ええっとええと、にくまんとあんまんとピザまんと、
からあげ串とコロッケとおでんと、シュークリームと
羊羹とええとええと！あとアメリカンドッグください！

(少しの間)
(ドアの音)

大量です！これでなんとか夜ご飯までもちそうです！
さっそく食べていきます！

にくまんとあんまんとピザまんが冷めないうちに
こちらからいただきましょう！

もぐっ！もぐもぐ！
にくまんとピザまんの塩っけがある具材で口の中が
塩味に染まったところを、すかさずあんまんを頬張り
口の中を甘味で中和していきます！

もぐもぐ！
コロッケ！おでんのちくわ！アメリカンドッグ！
おいしい！ジャンキーです！これで小腹が満たせます！
もぐんぐもぐもぐ！んぐんぐ！

んぐんぐ...
しかし、サキュバスになってから
燃費が悪すぎて家計が常に火の車状態です。

え？そんなに食べてるのに身長が伸びてない、ですって！？
これでも伸びてるらー！一年で5mmのびてるぞえー！！
けほっけほっ！

お、お茶をくれるんですか？
ありがとうございます...。

ごくごく。
そういえば私たち、本来は捕食者と被食者の関係ですよね。
なんで高校生らしいほんわかな時間を過ごしているのでしょうか。

すべてはあの魔法少女のせいです。
私は本来能力が高い高貴な魔族の末裔なのに、魔法少女が異常な
ほど強くて太刀打ちできません。

あの魔法少女させいなけれ...
はっ！あれは！

ま、魔法少女がでたあー！！
(泣きながら)

こちらを見ながら笑顔でかけてきます！
はやい！はやくどこかへ隠れましょう！

このままだとまたさらわれるぅぅ！
うわああん！！

(少しの間)

はぁはぁ...なんとか私の家の前まで逃げ切ることが
できました。今日はなんだか走ってばかりな気がします。

お仏壇を売っているお店に入店したのはファインプレイです。
まさか私がお仏壇を見るとは、魔法少女も思わなかったと思います。
見事にやりきりました。

ただ代わりに店員のおじいちゃんの赤裸々な世間話に
捕まってしまいましたが...。

はぁはぁ...あの、お礼も兼ねて私の家にきませんか。
か、勘違いしないでください！あなたは所詮私の目的のための
捕食対象でしかありませんから！

今日はたくさんあなたにお世話になりましたから、
すこしお茶でも飲んでいってください！
さあこちらへ！

(少しの間)

ここが私の部屋です。
さあどうぞ、くつろいでください。

なにか気になるものがありますか？
ああこれは、家庭用の囲炉裏(いろり)です。

料理を作るのが趣味なので、よくさばいた魚を
網で焼いたり、鍋で煮込んだりしています。

昨日はドジョウをさばいて柳川鍋(やながわなべ)を作りました。
いえ、流石にお茶は普通のお茶をご用意します。

さあ、お茶と茶菓子のどら焼きを持ってきましたよ。
どら焼きは私の手作りです！たくさんあるのでどうぞ
遠慮せず召し上がってください！

くっくっく、普通のあんこと白あんの二種類を20個ずつ
用意しましたが、用意したどら焼きは全て
サキュバスに対する耐性を下げるおまじないをかけてあります。
(小声で)

あなたがどら焼きを食べるほど、あなたの耐性は
どんどん削られていき、普通の男の子同様にエナジードレインが
できるようになる寸法です！
(小声で)

さあ！どうぞ！召し上がってください！
さあ！さあ！さあ！

食べないんですか？
食べないなら私が食べちゃいますよ！？
いいんですね！？

え？さっきのコンビニでお腹がみたされた！？
冗談ですよね？お願いします！食べてください！

食べて！ねえ食べて！
...ぐぬぬ、お茶で十分って...！

貴様それでも若者かぁ！
うわああん！

どら焼きいただきまあす！
んぐ、はぐ、んぐんぐ！

おいしい！我ながらいい甘さ加減です！
あんこは小豆を煮るところから調理しています！
既製品ではありません！

んぐ、んぐこんなにおいひいのに、
あなたはおちゃをすすっているらへですか！
(頬張りながら)

ごくん。早く食べないと私が全部食べてしまいますよ！
もぐもぐもぐもぐ！

はむ！もぐ！んぐんぐ！はむはむ！
んぐ、ごくん！はむはむ！んぐんぐ！もぐもぐ！

ごくん。はぁもうおなかいっぱいです。
げふっ流石にもう満足です。

...あ、あ、あーっ！
全部食べてしまいまじだー！
(泣きながら)

おかげで魔力は絶好調でずぅ！
ええい、こうなればやけです！覚悟してください！

(押し倒す音)

覚えていないわけじゃなりませんよね？
私はサキュバスです！

学校では色々救っていただきましたが...
それとこれとはまた別の問題です！

さあ、くらえです！
絶好調のエナジードレイン！
えい！えい！えーーい！

...。
んは。

効かない。やはりこの方にはエナジードレインが
効きません。

ぐぬぬ...
ふ、...ふっふっふ...

私がいつもと同じように泣き出すと思いましたか？
あまいですね！今日はいつもとひと味違います！

見てください！この魔族の武具を！
す、スパゲティ用のフォークじゃありません！

これはご先祖からいただいた魔力を上げてくれる
ありがたいフォークです。

ふん！
お、おぉ〜魔力が上がっていくのが感じられます。

へ？さ、さすがにこれをあなたに突き刺すつもりはありません！
そんな非、人道的な行為はサキュバスでもしませんから！
なんて恐ろしいことを考えるんですかあなたは！

フォークは洋食をおいしく召し上がるためのものです。
そ、そんなことより、魔力が上がったのでエナジードレインの
リベンジです！

く、くらいやがれーです！
はぁ〜〜！えいえいえい！

......。

おぉ...。
吸い取れています。

おそらく続けていれば5分で10カロリーぐらいの
熱量を奪えると思います。

ただ5分経つ前に私の魔力が底をつき、
立てなくなってしまいますが...。

これは、果たして勝ったといえるのでしょうか。
いえ、迷うことはありません。

私のはじめての優勢です！
あははー！どうだまいったかー！

ついに私はあなたから精力を吸収する事が出来ました！
これは大きな前進です！いずれあなたを骨抜きにして
やりますからね！

....ん。...ふわ〜
(あくび)

どら焼きを食べて満腹になり、魔力を使って勝利に
酔いしれていたらなんだか眠くなってきてしまいました。

本日2回目ですが、私の夜ご飯前のお昼寝に付き合って
もらいますよ。

(布すれ音)

どうですか？
はじめて劣勢になった気分は？
(ささやき)

ふっふっふ。
くやしい、くやしいですよね？
言わなくてもわかります。

今日は悔しい気持ちを抱いて、
完全に優勢になった私を悔やみながら
眠りに付き合ってもらいますよ。
(ささやきここまで)

は〜ふ〜
は〜は〜
(息ふきかけ)

ふふっ私に主導権を握られてビクッと
しましたね。

もっと息を吹きかけてあげますね。

ふ〜ふ〜
はぁ〜〜

ふ〜ふ〜

気分が落ち着いてきましたか？
じゃあ次は抱きしめてあげます。

ぎゅ〜
ぎゅ〜

あなたもお腹がいっぱいなんですよね。
でしたらすぐに心地いい安眠ができるはずです。

リラックして、リラックスして...
あったか〜い部屋の中でゆっくりと瞼を閉じて...

私に抱かれながら一緒にねむりま...しょ...
リラックス、リラック...す...。

すぅ...すぅ...
すぅ...すぅ...

(少しの間)

すう...すう...
あれ...

もう6時ですね。
そろそろ起こしてあげましょう。

起きてください。
そろそろ家に帰る時間ですよ。

家はすぐそこですが、
家の前までついて行ってあげます。

さあ行きましょう。

(ドアの音)
(歩く音)

はぁ〜すっかり寒くなりましたね。
え？寒いからべつについてこなくて
よかったって？

舐めないでください！
私はあなたを管理する義務がありますから！

今日初めてあなたに対してエナジードレインを
成功させてわかりました。

やはりあなたは普通の男性より、熱量がかなり
濃縮されて濃いです。これは枯渇させるまで奪うべきだと、
私もご先祖様も思っています。

だからその...んん〜...。
学校でも私に話しかけてくれてもいいんですよ。

あなたは二つ隣のクラスですよね。
廊下でたまに会うと思いますし...。

こ、今度私の部屋で、
囲炉裏を囲みながら鴨ネギでも作ろうと
思っています。

あなたがよければ一緒に食べてもいいですよ。
(小声で)

ほ、本当ですか！？はい！
いい鴨とネギを用意して待っています！

はっ！か、勘違いするな！
これは貴様を罠にはめる作戦です！

今日のところはこれで勘弁してやる！
そして今日は魔法少女から
守ってくれてありがとうございます！

大変助かりました！
またよろしくお願いしますね！
おやすみなさい！

(走り去っていく)

終わり

・台本（ゆるボイ！）
頭が弱いサキュバスの精力吸収作戦♡2
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ふかひれどん@スタジオレイン☔