ガールズバーのギャルに一目惚れした聴き手。
何とかお近づきになりたいと勇気を振り絞ってギャルを口説き、食事に誘うことができた！

このままお付き合いができれば――……と純な気持ちで接する聴き手に対し、
ギャルは誠意に惚れ「この男を自分のモノにしよう」と決める。

ギャルの画策通り酔い潰された聴き手は、"彼氏"にされてしまうのだった。
※R18描写はありません。

お～い、こっちこっち～！
（主人公、ギャルに体面する形で着席）
約束の時間の３０分前に来るとか、そんなにアーシと呑むの楽しみだった？

は～？　アーシがセッティングしたんだから、アーシが先に居るのは当然じゃん。
ここの店長とは友達でさ～、無理言って席空けて貰ったってワケ。
（注文取りに来たバイトに、オーダーする）
妃（ひな）ちゃ～ん、今、注文良い？
串盛り、枝豆と、ん～……、あとおすすめで料理とカクテル適当に持ってきて～！

大丈夫大丈夫、店長と友達って言ったっしょ？
あの娘（こ）も、ここで長くバイトしてっし、応用きく子だから。

もしかして財布の方の心配？
バーじゃあるまいし、そんな高いメニューないって。ってか、アーシも出すし。
は？　普通に考えてアーシの方が稼いでるんだから、払うに決まってんじゃん。

アーシさぁ、すぐ金で貸し作ろうとするヤツと、
何かにつけて身体触ろうとしてくるヤツ嫌いなんだよね。
奢ったんだからヤらせろとかさ、マッサージしてあげるとか意味わからんくない？
口を開けば何度も何度もマッサージって……他に言葉を知らないのか、って感じ。
ほんっとにマジキモい。

（語調を少し弱くして）
アンタがそういうつもりだったって決めつけるワケじゃないけどさ、
ちょっとモテるコなら、同じような経験あったりすっから、
奢られるのに抵抗あることもある、って話。

……なんつーかさ、アーシは大学のレポートもあるし、
バイトも結構多く入ってるし、結構忙しいワケ。

けど、今日はアンタと呑む時間をわざわざ作ってんの。
折角空けた時間に、口説く感じマンマンで来られたら萎えるっしょ？
美味しく呑み食いできる店なんだから、楽しく呑も。
（バイトの子がお酒や料理を持ってくる）
あ、妃（ひな）ちゃんアリガト。
ほら、お酒と、これ鳥つくね。カクテルだけど、甘いのダメとかない？
スクリュードライバーだから、結構甘いと思うけど。
ならハイ。は？　乾杯しないと酒盛りはじまらないっしょ？
ん、ＫＰ（ケーピー）～！

んく、んく……ぷは～、やっぱりお酒は仕事終わりに限るわ。
仕事つっても今日は大学の講義だけだったけど。
普段は、大学の講義終わって、その後バイトとかだから。

ん～？　まぁ、そりゃ疲れることもあっけどさ、楽しくやれてるし？
それに、疲れる分ちゃんと見合った報酬も貰ってるしね。

んく、んく……。そうそう、結構多いのがさぁ、
ウチの店をキャバクラとかおさわりパブだと思ってるおっさん？
隣に座って接客しろ、とか少しくらい触らせろとか。
ウチはガールズバーだっつーの。

確かに、バニーガールの衣装を着るお店だから露出高めだし、
そりゃ見せるために着てるけど、サービスは見るまでだから。
触りたいなら、そういうお店行けっつー話だよマジで。
んく、んく……。あ、そのつくね美味しいっしょ？
ここの店長、創作料理得意でさ～。
アーシのイチオシはね～、それ。燻製（くんせい）ポテトサラダ。

どう？　でしょ～？　アンタ結構イケる口じゃん。

アーシ、なーんか男運なくて、寄ってくんのダメ男ばっかりでさ。
こうやってサシで男とゆっくり呑むとか、あんまないんだよね。

（グラスが空になったのを見て、バイトの子がお酒を持ってくる）
あ、妃（ひな）ちゃんアリガト。流石良く見てるね、タイミングばっちり。

これは、キールかな。ちょい度数高いけど、呑める？
アハハ、じゃあ呑みな呑みな～。

んく、んく……。そりゃバーで働いてんだから、酒の名前くらい詳しくなるっしょ？
実際に自分で作ってるワケじゃないから、作り方とかは知んないけどさ。
レディーキラーカクテルとか覚えんのは淑女の嗜みみたいなもんかな。

アハハ、そんなに褒めても何も出ないから。
まぁでも、そう言ってもらって悪い気はしないケドね。

んく、んく……。ぷは～。
アンタはアーシのどこを気に入って口説いて来たん？

（主人公「まず顔が好みだった」みたいなことを言った想定）
アハハ、正直者か？　自分で言うのもなんだけど、整った顔だからね。
（主人公「スタイルも好みだった」みたいなことを言った想定）
アハハ、ばーか。マジで正直者だな～スケベかよ～。

（主人公「店内で絡まれてる女の子を助けているところが好きになった切っ掛け」というようなことを言った想定）
は？　うっそ、そんなの見てたワケ？！
あれは、同期のコがおっさんに絡まれてたから助けただけで……ちょ、恥ずっ。

（主人公「女の子酔い潰して持ち帰ろうとしている客に注意していたところも好き」というようなことを言った想定）
いや、だからそれも、酔い潰そうとしてるのが見え見えでムカついただけで――、
……わかった！　わかった！　十分わかったって！　もういい！

んく、んく、んく……はぁ～～。
（この辺から、徐々に酔いの演技開始）

……この顔もスタイルにも満足してるし自慢だけど、
綺麗な花には虫が多く集まるっつーか。
何も知らない癖に、外見だけで好き好き言い寄ってくるヤツには、
マジでうんざりしっぱなしだったんだよね。

だから、何？（だから何ていうのかな～、という意味の「だから何」）
しっかりアーシのこと見てくれてるの、嬉しい……みたいな。
結構見られてるのは知ってたけど、そんなトコまで見てたなんてね。

あ～、もしかして隠れて見てるつもりだった？
男の視線――いやらしい視線は特にだけど、すぐわかっから。
男は気づいてないと思ってるかも知んないけど、ぶっちゃけ一発でわかるよね。
アンタも、アーシのバニー姿に見惚れてるだけかと思ったけど、
ふーん、あ～そう。思ったよりちゃんとアーシのこと見てたんだ？

（主人公「色んな意味で色々見てました」みたいなことを言った想定）
アハハ、ばーか。折角いい感じだったのに、余計なこと言うなよ～。
アーシも自分のバニー姿、超セクシーだと思ってるけどさ～。

んく、んく。ねぇ、バニーのどこが良いワケ？
（服の胸元を引っ張って）こ～いう感じで、胸元ちらちらしてるのが好きなん？
アハハ、見すぎっしょ。ん～？　ああ、見せブラだからいーの。
もっと見たい～？　どうしよっかな～、見せちゃおうかな～。

は～？　全然酔ってないし～。ほら、またお酒来た。
これは、ジントニックだ～。ＫＰ（ケーピー）～！

んく、んく、んく。ぷは～。あー、それアーシも食べたい。
あ～ん（ギャルがあ～んされる側）。
は～？　口開けてるんだから、ここに入れれば良いに決まってんじゃん。
はむっ、アリガト。ん～美味しいね～。

だから酔ってね～って。
っていうか、アンタの方が酔ってね？　顔真っ赤なんだけど。
ほら、顔見せてみ。……ん～見えね、ちょっとそっち行くわ。

よいしょ、っと。（主人公の隣に座る）アハハ、べろべろじゃ～ん。
アーシより酔ってどうすんのさ。

顔めっちゃ熱いし。（主人公の頬を触って）体もアツっ。
具合悪くない？　大丈夫？　ならいいけどさ～。

（ここから小声）…………下心丸出しで近寄ってくる男は腐るほど居るけど、
アンタみたいにちゃんとアーシを見てくれた人は、はじめてだわ。
一緒に呑んでみて、ますます気に入っちゃったんだけど。（小声ここまで）
（酔いの演技をやめる）
あ、妃（ひな）ちゃん～！
もうお酒と料理は終わりでいいや。カクテルの用意アリガト。
代金はもう店長に渡してあるから。余った分は妃（ひな）ちゃんにあげる。

――あと、上の部屋使ってるって、店長に言っておいて。

ん～？　結構酔いが回ってるみたいだから、ちょっとご休憩するんだよ～。
大丈夫大丈夫、チェックインもチェックアウトも、アーシの自由だし。

アーシさぁ、欲しいものは絶対手に入れたいタイプなんだよね。

勉強して大学入ったのも、金も人脈も、
本当に欲しいものができた時に、取りこぼさないために培（つちか）ったものだし。

ねぇ。アンタの全部をちょうだい。アーシも全部あげるから。
（主人公の唇に、キスをする）
アーシが満足するまで、寝られると思わないでね。

・台本（ゆるボイ！）
ギャルを口説こうとしたら逆に食べられた件。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
しおぱいたん