極秘研究所で、実験体として筆舌に尽くし難い日常を送っていた、ホムンクルスのヒロイン。
研究所から逃げ、行き倒れているところを聴き手に救って貰い、今では２人で暮らしている。

自分が聴き手と結ばれてしまっては迷惑になってしまうと考えていたヒロインだったが、
溢れ出る恋心を抑えることが出来ず、気持ちを伝えてしまう。

ヒロインと聴き手は恋人となり、幸せな日常を謳歌するのだった――！　というシチュエーションボイス台本です！

先輩。先輩。……せ・ん・ぱ・い
はぁ……。あのですね、先輩。もう寝る時間ですよ

夜更かししたらダメって、いつも言ってるじゃないですか

いいえ、ダメです。そう言って、こっそり起きてるの知ってるんですからね
今日という今日は怒りました。許してあげません

そうですね、無理矢理気絶させて寝かせても良いですが、今回は勘弁してあげます
もしも次、同じように寝ると嘘をついたら、気絶させるかもしれませんが

仕方ないので、先輩が眠れるまでお供します
私の全身全霊を以って、先輩を夢の世界にご招待しますとも

ダメです。夜更かしする悪い子に拒否権はありません
今すぐベットに入ってください。ほら、早く

……先輩。言うことを聞いてくれないと、気絶させてでも寝かしますよ？
（聴き手がベットに入ると、ヒロインも一緒に入ってくる）

まったく……最初からそうやって、素直にベットに入れば良いんですよ
…………。……なんですか？　寝かしつけるんですから、
一緒のベットに入るのは当たり前じゃないですか

あっ、何ベットから出ようとしてるんですか。逃がしませんよ
何度も同じことを言わせないでください。先輩に拒否権はありません

ほら、狭いんですから、もっとこっちに寄ってください
そんな端っこで寝たら、窮屈で寝られませんよ

何言ってるんですか、私は先輩を寝かしつけるためにお供しているんですから、
先輩は気にせず、目いっぱい甘えてくれれば良いんです

……そうです、手は私の腰に回して……もっと密着して……

もう……先輩、体がこわばり過ぎです
それじゃあ、眠れるものも眠れませんよ
もっとリラックスして、体を預けてください

ね。力を抜いて……一緒に、ゆっくり深呼吸しましょう
すぅー……はぁ。すぅー……はぁ。すぅー……はぁ

……リラックスできましたか？　ふふっ、できたみたいですね
そうです、そうやって私に全部任せてください

はい、もちろん良いですよ。抱擁にはリラックス効果がありますから
好きなように抱きしめてください
……私も、先輩のこと、優しく抱きしめてあげます

……どうですか？　痛くありませんか？
強く抱きしめすぎていたら、教えてくださいね

はい。私は大丈夫です
むしろ、もう少しぎゅっとして貰っても良いくらいですよ
遠慮しないで、抱き枕代わりにしてください

ん、……はい。それくらいが丁度良いですね
その……私も先輩に抱きしめられて、安心します

……ふふっ、先輩、すっごいドキドキしてますね
……そんなに心拍数があがっていると、寝付きにくいですよ

…………はい。やっぱり聴こえちゃいましたか
私もドキドキしちゃってます。……先輩のことを言えませんね
仕方ないじゃないですか……先輩とくっついたら、ドキドキしちゃうんですもん

でも、心臓の音は安眠効果があるみたいですよ
今はちょっとドキドキし過ぎかもしれませんけど、きっと寝やすくなるはずです
どうですか？　私の音、落ち着きますか？
…………ふふっ、でしたら良かったです

……じゃあ、そのまま目を閉じて
大丈夫、安心してください。私がずっと傍にいますからね

……ふぁ（あくび。ここから眠たそうな感じに）。
……ふふっ。……すみません。先輩が温かくて、私も眠くなってきちゃいました
こうして抱き合うのは、こんなに安心するんですね……

…………。……先輩。私は、先輩が沢山頑張っていることを知っています
誰が何と言おうと。先輩自身が頑張ってないって否定したとしても
私だけは、先輩が頑張っていることを否定しません

私が先輩の家の前で行き倒れていた時も……疲れて帰ってきていた筈なのに、
温かいご飯を食べさせてくれましたよね

研究所に居た時は、先輩みたいな優しい人が居るなんて思いもしませんでした
毎日、私に辛いことをさせてくる人しか居ませんでしたから……
でも、今は……今の先輩との生活は幸せです。本当に、毎日が幸せなんです

その反面……それ以上に心配なんです
先輩が頑張りすぎて倒れちゃわないかって

私自身の生活の心配ではありません。私の心――気持ちの話です
時々考えるんです。もしも先輩が倒れて居なくなっちゃったら、
私はどうなっちゃうんだろうって

想像するだけでも、怖いです
怖いですけど……つい考えちゃって……
…………。……きっと、私は私で居られなくなるんだと思います

もしも先輩が誰かの所為で居なくなっちゃったら、私は先輩を奪った存在を許せません
私のすべてを以って、その存在を消そうとするでしょうね
そして、それが終わったら……先輩の後を追うんだと思います
ふふっ、そんな私が、先輩と同じところに行けるかは怪しいですけどね

……先輩は私にたくさんの幸せを与えてくれる、いわば世界のすべてなんです
親であり友人であり、それに……。……とにかく、特別な存在なんですよ
そんな先輩が寝不足で倒れたりしたら、私は悲しくなります
だから、頑張り過ぎないで。疲れた時は逃げても良いんです
逃げて、休んで……また私と一緒に頑張りましょう？

私も、先輩に貰ったものを返せるように頑張りますから……

（聴き手が寝ているかどうかを確認。寝たと判断）

先輩、寝ちゃいましたか？　……ふぁ（あくび）
……私も、もう眠ってしまいそうです

……ふふっ、こうして眠っていると、子供みたい……かわいい
……ねぇ、先輩。…………。……――好きです

ホムンクルスの私がｍ先輩を好きになるなんて、おこがましいことですけど……
でも、やっぱり……抑えられないんです。好きなんです……好き……

あーあ、人間で生まれていれば、チャンスあったかもしれないのになぁ……
……でも、人間で生まれてたら、先輩に会えなかったかもしれないですよね
…………ふふっ、運命とは難しいですね……

……神様。許してください
今だけは。……こうして先輩と眠る時間だけは、許して、ください……

せんぱい……すきです……す、き……
すぅー……すぅ……（寝息。可能であれば10秒前後程度）

（朝。聴き手が起きると、先にヒロインが起きている）

おはようございます、先輩。良く眠れましたか？
そうですか。疲れが取れたようで、何よりです

まったくもう……普段もちゃんと眠っていれば、気持ち良く起きられるんですからね

また夜更かしをしているところを見かけたら、寝かしつけますから覚悟してください
はい。そうです、先輩に拒否権はありません
場合によっては、昨晩以上の強硬手段に出ますよ

……はい、そうですね。先輩が眠った後、私もすぐに眠りました

（寝顔が可愛かったよ、と聴き手がヒロインに言う）
…………っ……。そ、そうですか。私の寝顔がお気に召したのなら、良かったです

…………。……ん？　ちょっと待ってください
どうして、私の寝顔を知っているんですか？　先輩、先に寝ましたよね？
途中で起きた素振りもありませんでしたけど……

――っ！　……先輩。……もしかして聴いていたんですか？
聴いていたんですね？　聴いていたんですよね？

（本気で怒る感じではなく、照れ隠しで怒っている風を装っている感じで）
……先輩は酷い人ですね、乙女の秘密を盗み聞きするなんて。幻滅しました
私は怒りましたよ。謝っても許してあげません

……それで、盗み聞きした先輩としては、どうしたいんですか？
不本意とはいえ、私は、私の気持ちを先輩に伝えたわけですが
乙女の気持ちを知ったのならば、然るべき回答をするのは当然の義務で――
（言っている途中で、聴き手が、自分も好きだと告白する）

――っ……！　っ……、……！（嬉しそうな声にならない声）
…………（高揚を落ち着かせる沈黙）
……（冷静を装っているが嬉しそうに）先輩がそう言うのなら、仕方ありませんね
先輩の恋人になってあげます。ええ、なってあげますとも

……（小さな声で）やった……

…………先輩。あのですね
……その、恋人となった記念と言うわけではないのですが……
（一緒に寝たそうなヒロインに、今日も一緒に寝てくれないかと言う）

――っ！（察して貰えて嬉しそうに嗚咽）
そ、そうですね。先輩が眠れなかったら、一大事ですからね
今日も、一緒に寝ることにしましょう

今日は、もっと先輩が癒されるように、頑張りますね
何かご要望があれば、何でも言ってください
先輩がぐっすり眠れるよう、誠心誠意寝かしつけてあげますから

ふふっ、今日も一日、頑張りましょうね、先輩

・台本（ゆるボイ！）
【添い寝】ホムンクルス少女の寝落ちさせちゃおう大作戦！
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
しおぱいたん