んあー…これ全部やらなきゃダメなんすか、先輩？

はー…楽なバイトかと思って応募したら、めっちゃ肉体労働じゃん。しんど…

はいはーい。ボチボチやりますよっと。


うへー、マジで終わんない。

書庫整理ってこんな大変だったんすね…あー、腰しんど。

えー、もうそんな終わったんすか。はっや。

じゃあ先輩、こっちも手伝ってー。

えー、いいじゃん。減るもんじゃないし。

むしろ減るのは仕事の量だと思うんすけど。

先輩も早く終わらせて帰りたいっしょ？

いひひっ、サンキュー。さすが先輩、話がわかる。

じゃー、ちゃっちゃと片付けて帰りますかー。


お疲れっす、先輩。

ん？何見てニヤついてんすかー？

へー、先輩ってこういうタイプの女の子が趣味なんすね。

二次元の推しキャラだから、現実のタイプとはまた別？

またまた〜。現実でもこーいう女の子いた方がいいって思ってるんでしょ？

ふーん…じゃ、なってあげよっか？

あたしが先輩の理想の女の子に。

えーっと、髪は後ろに束ねて…っと。

(咳払い)

あの、先輩……わたしと付き合ってくれますか？

ぶっ！あはは！先輩、間に受けすぎ！ウケる！

あー、おかし…先輩のリアクション最高。

もー、そんな怒んないでくださいよ。悪かったですって。

お詫びに髪、このままでいてあげますから。

んー？なんすかー？もしかして告白する気になりました？

あはは〜。またまたそんなことを。騙されねーっすよ。

ッ、ちょ、何すか？いきなり肩掴んで…

へ？マジ？ってか本気で言ってます？

いや、ちょっと待って。この流れで告白っておかしくね？

リアルではあたしがタイプ？

いやー、全然違うじゃないですか。さっき先輩が見てた画像の女の子と。

二次元と三次元は別？あっそう…

あ、いや！こっち見んな！顔ヤバいっすから！

あっ……〜〜ッッ！に、ニヤけてて悪かったっすね！

あたしも先輩のこと嫌いじゃない…っつーかむしろ好き。

あ…まー、からかい甲斐があるってのも大きいけど、先輩って一緒にいてて楽しいですし。

うん…まぁ、あんま上手く言えないっすけど、先輩と付き合うのも全然悪くないなー…とは思います、はい…

にしてもまさか先輩から告られるとは思ってなかったなー！

つーか、カレカノになったっていう実感もいまいちわかねーし。

はあっ⁉︎キキキ、キスって、今から⁉︎

は？キスくらいできますけど？超余裕っすから。

(キス)

先輩、キスすんの初めて？

いや、なんか上手いから経験あんのかなって。

ふーん…初めてにしては上出来じゃないっすか。

あたし？は、初めてに決まってるし…

(ハグされる)

ちょ！なんで抱きしめるんすか⁉︎

お前が可愛すぎるのがいけないって、あっそう…へへっ、えへへ。

仕方ないじゃないすか。んなこと言われたの初めてだし、嬉しすぎて…

あー、まぁこんなクソ生意気な彼女ですけど、これからよろしくお願いします、先輩。

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生意気でめんどくさがり屋な後輩にノリと勢いで告ってみた
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・台本制作者
松平蒼太郎