あなたのクラスメートである女の子は、本音しか言わないようだ。

好きだから付き合ってほしい？

何故？

私とあなたは、そんなに話した事もないし、お互いによく知らない関係でしょう？

付き合う理由がないわ。

それに、私は好きな人が居るの。

だから、その申し出は受けられないわね。

用は済んだかしら？

用がないなら、さっさと教室から出て行ってくれる？

私にはやる事があるの。

邪魔よ。

(間)

ふぅ……私が美人で可愛いのは分かるけれど、知らない男から告白されるのは気分が悪いわね。

いえ、ただのクラスメートね。

よいしょっと。

ふむ……ここはやっぱり落ち着くわね。

(ＳＥ : 教室なので引き戸が開く音。ガラガラのような)

あら、あなた、こんな時間にどうしたの？

教室に忘れ物？

ん？。何かしら？

私の顔をジロジロ見て。

私の顔に何か付いているの？

えっ、この席は僕のだと？

知っているわよ。

何故、座っているのかが知りたいの？

説明するまでもないと思うのだけれど。

あなたの事が好きだからに決まっているでしょう？

(間)

えっ、何を驚いているの？

私があなたをに好意を抱いているなんて、とっくに気付いていると思ったのだけれど……。

下駄箱に手紙を入れたり、あなたの机にお弁当を置いたり、私の匂いを付けてマーキングしたり、色々していたのだけれど、私のアプローチが足りなかったのかしら？

何故、そんな事をしたのか？

だって、直接告白するなんて恥ずかしいじゃない。

好きな人を前にして、平常心で居られる自信なんてないわ。

今も緊張して心臓が止まっているわ。

可愛いあなたを見ていたら、すぐにでも襲って食べちゃいたいくらいよ。

(間)

私が無口で高嶺（たかね）の花？

美人で可愛くて、高嶺の花ではあるけれど、無口ではないわ。

ただ、あなた以外の男に興味がないだけよ。

あなたの席に座っているのは、あなたの匂いや温もりを感じる為で、やましい事なんて何もしていないわ。

えっ、これがやましい事？

何を言っているの？

好きな人をオカズにするなんて、人として当然の事じゃない。

私は毎日、あなたを使っているわよ、頭の中で。

これの何処がやましい事なのかしら？

夜の営みも人として当たり前の行為よね？

あら、ズバズバものを言うのがおかしいの？

何故、嘘を吐いたり、取り繕（つくろ）ったりしないといけないのかしら？

特に好きな人に嘘を吐（つ）くメリットが無いわ。

私はあなたの事が好きよ。

付き合ってほしいわ。

いえ、結婚してほしいわね。

まさかとは思うけれど、美人で超絶可愛くて、高嶺の花である私から告白されて断るなんて事はしないわよね？

あら、了承してくれるの？

じゃあ、早速で悪いのだけれど、ここで私を抱いてくれる？

何故なんて聞かないわよね？

既成事実を作る事で、あなたを私という鎖で繋ぎ止めておくためよ。

あなたが私の夫になれば、あなたを毎日オカズにしなくて済むわね。

本物が手に入るんだもの。

頭の中でなんて遠回しなやり方はしない。

直よ！

あっ、少し待っていてくれる？

(ＳＥ : 電話の呼び出し音。プルルル)

もしもし、パパ？

今日、私の結婚が決まったの。

だから、彼と同棲する為の家を手配してくれる？

子供は２人の予定だから、少し大きめの家をお願い。

は？

パパ、私にそんな口を聞ける立場なのかしら？

パパが私くらいの女の子とイチャついてた事、ママに告げ口しても良いのよ？

パパはママの稼いでるお金で生きてるんだから、バラされたら困るわよね？

なら、私の言う事には逆らわず、素直に従っていれば良いのよ。

分かったら、さっさと家の手配をして頂戴。

(ＳＥ : 電話を切る音)

これで夫婦になれるわね。

卒業したらすぐに結婚式を挙げましょう。

あと、言っておくけれど、私以外の女の子に少しでも靡（なび）いたりしたら、調教するわよ。

それでも治らないなら、社会的に抹殺して、私無しでは生活出来ないようにしてあげるから、覚悟しておいてね。

まあ、私のような完璧な妻が居るのに、浮気なんてするはずないわよね。

えっ、私？

私はあなた以外、眼中にないわよ。

他の男なんて、その辺の雑草と同じよ。

踏み潰しても何とも思わない存在ね。

今後、あなたの妻である私に告白なんてふざけた真似をしてきたら、再起不能になるまで追い詰めてやるわ。

それと、流石にここで抱かれるのはマズイと今思ったわ。

だから、とりあえず役所に婚姻届だけ出しに行くわよ。

結婚可能な年齢なのだから、何の問題もないわ。

(間)

何をボーッとしているの？

早く行くわよ。

あなたは私の言う事を聞いておきなさい。

もちろん束縛するつもりなんてないから、自由にしてくれて構わない。

けれど、あなたは私と結婚するのだから、勉強なんて無意味な事に時間を使うくらいなら、私を愛する為に時間を使いなさい。

どうするかは、あなたの自由よ。

でも、勉強は私がしているし、お金も私が稼ぐから。

あなたが働く必要はないわ。

やりたい仕事があるなら別だけれど。

あなたは私の側に居てくれるだけで良い。

私を愛して、甘えて、養われて、ダメ人間になってしまいなさい。

それと確認なのだけど、あなたって童貞よね？

ん、なら良いわ。

まずはそれを私が貰うわ。

婚姻届はその後よ。

大丈夫、私も初めてだから。

あなたのを貰う代わりに、私のをあげるわ。

安心して。初めてと言っても、頭の中で何度もあなたを襲っているから、リードしてあげられるわ。

豪華客船の乗った気で居なさい。

船は沈まないけれど、快楽の海には沈めてあげる。

なに？

私の気持ちが知りたいの？

良いわよ。

一緒に幸せになりましょう。

私はもう幸せ過ぎて倒れそうだけれどね。

私はあなたを愛しているわ。

この気持ちは一生変わらないわ。

ずっと側に居て頂戴ね。

・台本（ゆるボイ！）
本音しか言わない同級生の女の子
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
如月英梨