毎日、嫌いな野菜を残していたら、ある日、知らないお姉さんに起こされた

よく眠れたかしら？

(おっとりしたママのようなキャラ)

……きて。

起きて、朝よ。

(間)

あっ、おはよう。

よく眠れたかしら？

うん、それは良かったわ。

起きてすぐで悪いのだけれど、お姉さんと添い寝してくれないかな？

私が誰か？

ふふ、キミは私が誰か分かるはずよ。

キミって、妹ちゃんにご飯を作ってもらっているのよねぇ？

微笑ましくて良いわよね。

でも、キミっていつも嫌いな物を残すでしょ？

妹ちゃんがせっかく作ってくれた物なのに。

(間)

あら、私が誰か分かった？

そう〜、キミがいっつも残してるピーマンさんよ〜。

妹ちゃんは、好き嫌いしてほしくないって思って、わざと食事にピーマンを入れているのよ。

別に好き嫌いが悪い訳じゃないけれど、子供じゃないんだから、ピーマンくらいは食べられるようにならないとね。

妹ちゃんの想いを無駄にしてはダメよ〜。

お姉さんが、メッ、しちゃうぞ。

妹ちゃんだけじゃないわ。

私も毎日、毎日残されて、捨てられて、とっても悲しいわ〜。

だから、添い寝しようとしてるの。

うーん、何故と言われても、私をキミが好きになってくれるようにかしら？

私が添い寝してあげれば、ピーマンである私を好きになってくれるかなって思って。

あ〜、今、こんなお姉さんに添い寝してもらえるなら、毎日残そう、なんて考えたでしょう。

そんな悪い子は、メッ、だぞ。

じゃあ、添い寝はお預けね。

ピーマンを残さず食べられるようになったら、添い寝してあげる。

え〜っと、とりあえず起きて、リビングに行きましょうか。

妹ちゃんが朝ごはんを作り置きしてくれているわ。

もちろん、私も入ってるわよ。

だ〜か〜ら、私があ〜んして食べさせてあげる。

ほぉら、行くよ。

(間)

あらあら〜、今日はピーマンの肉詰めね〜。

ピーマンを残すとお肉だけになっちゃうわねぇ。

妹ちゃん、別々だとダメって、ようやく気がついたのね。

偉いわ〜。

はい、早く座って。

は〜い、よく出来ました〜。

えらい、えらい。

もぉ〜、そんな嫌そうな顔しないの。

このピーマンはお姉さんなんだぞぉ〜？

お姉さんの事、食べてほしいな〜。

キミは、お姉さんの事、嫌い？

(間)

嫌いじゃない、かぁ。

それって、好き、でもないって事よね。

うーん、仕方ないわねぇ。

キミがお姉さんの事を好きになってくれるまで、いっぱい食べさせてあ・げ・る。

はい、あ〜ん。

口、開けて。

あ〜ん。

あっ、食べられた。

偉いわよ〜。

そのまま、しっかり噛んで、お姉さんを味わって〜。

もぐもぐ、もぐもぐ。

よぉ〜く噛めたら、ごっくんして。

はぁい、よく出来ました〜。

お肉と一緒だし、食べやすかったでしょ？

今はまだそれで良いわ。

でもいつか、ありのままの私を食べてほしいわ。

これからは残さず食べてね。

次残したら、添い寝は無しだぞ〜。

しっかり食べられるようになったら、添い寝しに来てあげる。

それまでは、ちゃ〜んと、ピーマン食べてね。

お姉さんの事を思い出して。

それじゃあ、バイバイ。

お姉さんは、キミの事、だぁ〜い好きだよ。

・台本（ゆるボイ！）
嫌いな野菜を残したら、知らないお姉さんが家に居た
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
如月英梨